《「陰気に生きる」のはなぜやってはいけないのか》世界的なベストセラー作家が「1年間、笑わない」をやり通して気づいたこと&口角を再び動かして起こったこと
真面目に、堅苦しく、陰気に──。そう生きることが美徳だと信じていないだろうか?
世界40か国以上で累計400万部超の著作を持つベストセラー作家、ロルフ・ドベリ氏は、そう問いかける。
科学的研究によれば「遊び心」は創造力を促し、ストレスを軽減し、好感を持たれるという。ドベリ氏が提案する、単調な日々に活気を与える「ドーパミンリスト」とは──。
人生の後半を軽やかに生きるヒントとして52の「やってはいけないこと」をまとめたドベリ氏の新著『Not To Do List 失敗を避けて、よりよい人生にするためのやってはいけないことリスト』(サンマーク出版)から、「遊び心を捨て、陰気に生きる」の章を一部抜粋・再構成してお届けする。
やってはいけない:遊び心を捨て、陰気に生きる
アメリカ合衆国の画家グラント・ウッド(1891年~1942年)の絵画「アメリカン・ゴシック」をご存じだろうか?
1930年に描かれたこの作品は、「史上もっともパロディーに使用された絵画作品」のひとつで、シカゴ美術館で見ることができる。
三叉のピッチフォークを持った農夫と、一見、彼の妻のように見える農夫の娘が並んで立つ。背景には、切妻屋根にカーペンター・ゴシック様式の尖塔アーチ型の窓の家が見える。
父と娘は、まじめな表情で世の中を見ている。あなたもこの絵を、風刺画で見たことがあるかもしれない。
わたしには、この絵は「人生の厳しさ」をありのままに表現しているように思える。
自分の人生を台無しにしたければ、まさにこの絵のように人生を送るといい──気難しく、陰気で、堅苦しく、喜びのない人生を。
いかなる遊び心も抑えよう。軽はずみな言動は決してしないこと。若干の気の緩みもタブーだ。これであなたも、もっとも優れた人々の仲間入り。聖書を読めば、神でさえ冗談がわからないという結論に達するはずだ。
ノーベル物理学賞を受賞したリチャード・ファインマンは、暇さえあればボンゴ(小型太鼓)をたたき、人生をまったく深刻に考えないような、奔放な人物だった。
「情報理論の父」と呼ばれたアメリカの数学者クロード・シャノンは、一輪車に乗りながらジャグリングをした。
レオナルド・ダ・ヴィンチのノートは、遊び心のあるスケッチや難解なアイデアであふれていた。
そのような「陽気さ」には注意すること。彼らのような偉大な人物を見習うと、苦しみに満ちた人生の夢は決して実現しない。最悪の場合には、成功という形で人生につまずくこともあるだろう。
わたしのはじめての著作の版元、ディオゲネス出版の創設者であるダニエル・ケールは茶目っ気のある人だった。
わたしが彼のもとを訪れると、彼は両手を広げ、心から笑いながらこう言った。「左手は人の誕生、右手は人の死。その間にあるのは、人生で起こるありとあらゆる愚かな言動だ」。
確実に悪い人生を送るためには、その反対に徹すること。「左手は誕生、右手は死、その間にあるのは、ひどくくそまじめな言動」。
ひたすら人生を嘆き続けよう──厳しいという理由だけでなく、主義として。
哲学者で心理療法士のポール・ワツラウィックは、彼の著書『希望の心理学(Anleitung zum Unglücklichsein)』のなかで、非常に的を射た言葉で表現している。「きみはしたいことをすればいい。それがきみにとって楽しくないかぎり」。
この言葉のように、厳格な倫理観をもつピューリタニズムのモットーに、忠実に生きよう。
