《認知症専門医のススメ》シニア世代が活用したいスマホ機能は「音声入力」「メモ機能」「アラーム」
昨今は、音声の認識機能が格段に進化しているものの、はじめはうまく認識されないこともあります。でも、はっきり、ゆっくり話すコツをつかめば精度はぐっと上がります。静かな場所で使うと、さらに正確になります。
入力が終わったら、メール送信など次のステップの前に、ざっと読んで確認しましょう。変換ミスがあったら、そこだけポチポチ、手指入力で修正します。
しかし、少々のミスはご愛嬌というところもありますね。前後の脈絡で意味がわかることも多いですから、親しい相手に単純なメッセージを送る場合などは、あまり気にしなくてもいいのかもしれません。
最初は買い物リストや天気の検索など、短い言葉から始めてみましょう。慣れてきたら、日記や家族・友人へのメッセージ、旅行の感想など、長い文章にも挑戦してみてください。
「ポチポチ打つより話す」で、スマホがぐっと身近なものになるはずです。
メモ機能を積極活用
音声入力で、ぜひやっていただきたいのが、スマホにメモを残す習慣です。冷蔵庫に貼っていた買い物リスト、親戚や地区の行事、買おうと思った商品名、どんなことも、メモ機能でスマホにメモをする習慣をつけます。
スマホには「メモ」という、いわゆる白紙のメモ帳のように、なんでも文字を書き入れることができるアプリが初期設定されています(iPhoneでは「メモ」、Androidでは、「Keepメモ」)。
最初は買い物リストなど、短い言葉から始めるといいでしょう。
気に入ったアプリをインストールすることも可能です。ToDoリストのアプリもさまざまあり、無料のものも多いですから、試してみるといいでしょう。
また、1日の終わりにその日に作成したメモを見返してみることもおすすめです。やり忘れたことや明日の課題が見つかるかもしれません。
アラーム機能を使って良好な睡眠をとろう
アラームは、自分自身へのリマインドとなり、スマホの能動使用のために様々な場面で使える機能です。
とくに私は、中高年の睡眠の問題を解決するため、毎朝決まった時間に起床するために活用することをおすすめしています。
起きる時間をどのように決めるかは、人それぞれでしょう。働いている方だと、仕事のある日は決まった時間に起きるが、週末は遅くまでゆっくり寝るということが多いかもしれません。お仕事を引退して起きる時間がバラバラになっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
以前から、睡眠障害が認知症発症の大きなリスクとなることは複数の論文で示されていて、さらに最近発表された研究で、睡眠と健康に関する興味深いデータがあります。
睡眠と健康というと「1日8時間寝たほうがいい」という説を聞いたことがある方がいらっしゃるかもしれません。しかし、この研究では何時間寝たかよりも睡眠リズムが一定であることが重要だと示されたのです。
では、睡眠リズムを一定に保つためにどうしたら良いのか。私が医師になった頃は睡眠リズムを保つために、決まった時間に床につくよう患者さんに指導をしていました。しかし、最近は床につく時間を固定するのではなく、「起きる時間を固定するほうがいい」と考えが変わりました。
これは、人は「寝なさい」と言われてもなかなか眠れない一方で、起きる時間については自身でコントロールが可能なためです。つまり、健康のために重要なのは何時間寝たかではなく、「起きる時間を固定すること」と言えます。
そして、そのためにスマホのアラーム機能を利用します。たとえば朝7時にアラームを設定して、「繰り返し」機能で毎日7時に鳴るように設定ができます。さらに、「スヌーズをオン」にしておくと、一旦アラームを止めても設定した時間が経つとまた鳴るので寝過ごし予防にもなります。
また、アラーム機能では「ラベル」をつけることもできます。
これを使えば毎朝9時に「朝の薬確認」というラベルをつけたアラームを鳴らすこともできます。アラームが鳴ったと同時に、画面には「朝の薬確認」と表示されますから、やるべきことと、その時間とを紐づけておくことができます。
教えてくれた人
内田直樹さん
認知症専門医。医療法人すずらん会たろうクリニック院長、精神科医、医学博士。1978年長崎県南島原市生まれ。2003年琉球大学医学部医学科卒業。福岡大学病院、福岡県立太宰府病院を経て、2010年より福岡大学医学部精神医学教室講師。福岡大学病院で医局長、外来医長を務めたのち、2015年より現職。日本老年精神医学会専門医・指導医。著書に『早合点認知症』(サンマーク出版)ほか。
