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進化中!《補聴器×スマホのアプリ連携》アプリを入れるとできること、最新の機能を解説「AIが最適化するアプリも登場」

 高齢者のスマホ普及も進む中、最新の補聴器は「スマホのアプリ連携」により、使いやすく進化しているという。認定補聴器技能者で補聴器専門店を経営する田中智子さん。最新の補聴器はスマホのアプリ連携によってさらに便利に進化しているという。アプリでできることとは?

補聴器「スマホのアプリ連携」が進化中!

 多くの補聴器が、スマホのアプリで音の調整ができることを知っていますか? さまざまな調整がアプリを通してできるのですが、とくに愛用者に好評なのが「音量の調整」です。

 これまで補聴器を使っているかたに、「どんな時によく不便を感じますか?」と聞いてみると、「駅や繁華街、イベント会場など騒がしく場所や雑音がうるさい場所で会話する時」「会議室などの静かな場所でボソボソとしゃべるために、音量調整が必要な時」と答えるかたが多くいらっしゃいます。

 一般的に耳にかけるタイプの補聴器は、本体のボタンを押して音量の調節をします。

 購入して間もない人は操作に慣れるのにもひと苦労、そもそもボタンが小さいので手間取ってしまう人も。音量を上げたいのに下げるボタンを押してしまったり、音が急に大きくなってびっくりしたり。そのうち「はて? 何回ボタンを押したかしら」と、今のボリューム位置がわからなくなってしまうケースも。

 最新の補聴器は、「静かな場所」「雑音があるレストラン」「音楽を聴くシーン」など、それぞれの場面で一番聞きやすい設定になるように、モードの切り替えができます。こちらも本体のボタンで切り替えることができるのですが、ボタンの押し方がやや複雑で、高齢者はもちろん、若者でも難しいと感じるかたもいらっしゃいます。

アプリで何ができるの?

 そこで注目したいのが補聴器のアプリ連携です。スマホのアプリと連携させることで、音量調節やシーンの切り替えも簡単に操作できるようになるのです。

音量調節が手元でできる

 音量調整の場合、アプリの画面を見ながら、まるでテレビやエアコンのリモコンの音量や温度調整をするように、音の強弱を目で見て確認しながら操作できます。

「いつも使っているのは、音量8だな」とか、「今日はこの会議室で会議がある、このときは音量10くらいがちょうどいいな」と、あらかじめ自分の生活場面にあった音量を覚えておき、手元のスマホの画面を確認しながら、調整することができます。

ワンタッチで切り替え可能

 シーンの切り替え設定も簡単です。音楽を聴きたいときには、アプリ上の「音楽」ボタンを押せば、音楽モードに切り替わります。

 会話に適したモードから、音楽を臨場感たっぷりに聴くことができるモードへ。ワンタッチで切り替えることができるというわけです。

補聴器は生活を豊にするアイテムへ

 もはや補聴器は、難聴者の聞こえをサポートする医療機器にとどまらず、生活の質を高める“生活文化機器”に進化しているともいえそうです。

 補聴器によっては、スマホのGPS機能と連携させ、どこかに落としてしまった場合でも、最後に補聴器を落としたところを地図上に示してくれる紛失防止機能が使えるものもあります。

 実際に、外出先で落とした人が、最終的にコンビニの雑誌コーナーのところに落ちているのを発見して、すごく助かったという声もありました。

 スマホと機器を接続するBluetooth(ブルートゥース)機能を使うことで、補聴器本体に近づくとスマホ画面のバーが動き、補聴器の場所を知らせてくれるという機能も。

 家の中でどこに置いたかわからなくなったときにも便利ですし、なんだか「宝探し」のような楽しさもあるかもしれません。あるかた、お風呂に入るときに補聴器を外して、バスタオルの上に置いたことをすっかり忘れ、そのままお風呂から上がって体を拭いてしまったそうです。数時間後に補聴器がないことに気がつき、慌ててアプリのBluetooth機能を使って探してみたら、「脱衣所の洗濯機の奥の方に落ちていたのを発見した」というお客様もいらっしゃいました。

AIが最適な状態に調整してくれる

 最新の補聴器にはAIを取り入れているものも。AIと会話をすることで、最適な音に調整してくれるというアプリや、外国語の翻訳をしてくれるアプリなども登場しています。

シグニア|『Signia app(シグニア アプリ)』

補聴器使用支援AIシステム『シグニア アシスタント』で簡単調節
https://www.signia.net/ja-jp/connectivity/signia-assistant/

 こちらのアプリで注目なのが『シグニア アシスタント』(補聴器使用支援AIシステム)。AIによってユーザーの好みを学習し、一人ひとりにぴったりの聞こえをサポート。

 例えば、周りの雑音がうるさくてよく聞き取れない場合、「雑音が屋外の交通騒音なのか、屋内のエアコンの音なのか?」「常に聞きづらさがあるのか、今の状況に限って聞きづらいのか?」といった質問に、数回答えることで、より快適な聞こえを提供してくれます。補聴器の設定を行ってくれる助手のような存在ですね。

スターキー|『My Starkey(マイスターキー)』

補聴器『Edge AI・Genesis AI』専用アプリ
https://www.starkeyjp.com/blog/2024/05/my-starkey-hearing-aid-app

 補聴器の設定や音量調節がアプリからできるのはもちろん、紛失した補聴器を追跡する機能も。また、AIが周囲の雑音を低減し、場所にあわせて調整してくれるのですが、急に騒音が大きくなったり、会話が聞き取りにくくなったりした場合、アプリからワンタッチで調整可能。

 注目すべきなのが「音声翻訳」機能。70以上の言語をリアルタイムで翻訳してくれます。また、歩数や運動量などの健康スコアを表示できるほか、人と会話時間した時間を記録できるユニークな機能があり、日々の生活習慣を振り返るきっかけになります。

補聴器とスマホのアプリ連携の今後【まとめ】

 AIの登場により、補聴器はかつてない進化を遂げていますし、今後はスマホのアプリによる操作が主流になるかもしれません。補聴器は「聞こえを補う」サポート機器としてだけでなく、「健康で豊かな日常生活を送るための必需品」になっていくとも考えられます。

 せっかく補聴器をつけるなら、心地いい音で音楽を聴けたり、健康管理ができたり、新たな機能を積極的に活用して老後の生活を楽しみたいですよね。

補聴器は聞こえをサポートするだけでなく「生活を豊かにする」ための道具に進化しています

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