シニア世代の意識調査「現在の楽しみ、1位は旅行」「生まれ変わっても今の夫と結婚したい」女性60%、男性71%と男女差も
長年従事してきた仕事を退職したり、子どもが独立したりと、生活が大きく変わることの多いシニア世代。時間的なゆとりができ、何をして楽しんでいるのか、またそれにかける金銭事情はどうなっているのか――。50~79才を対象とした「生活意識調査」から、シニア世代の生きがい、金銭事情などをレポートする。
シニア世代の楽しみと金銭事情
日々を暮らす中で当たり前のように思っていること、していることがどのぐらいの人に当てはまるのだろうか?
ソニー生命保険株式会社が、50 ~79才までのシニア世代1000人を対象に「シニア世代の生活意識調査」を2025年10月に実施。「趣味」「夫婦関係」「孫」「スマホ」「歌」をキーワードに関する質問に回答があった。
シニア世代が生活の中で何を楽しみとして、楽しみにどのぐらいお金を使っているのか、夫婦感は男女で差があるのか、スマホで何を検索しているのかなど、日常の様子が見てとれた。また、この調査は毎年1回行っていて、今年で13回目となることから、時代の変化が感じ取れる部分もあった。
シニア世代の楽しみは「旅行」男女差が出た項目も
シニア世代が現在楽しんでいることは何か。1位は男女ともに「旅行」で全体の45.2%で半数近くの人が楽しんでいることがわかった(男性44.2%、女性46.2%)。2位も男女とも同じで「テレビ/ドラマ」で38.3%(男性33.4%、女性43.2%)という結果に。夫婦で共通の趣味という人も少なくなさそうだ。
3位以下は男女でばらつきがあったが、全体では3位が「映画」で28.6%、4位「読書」27.6%、5位「グルメ」26.2%となった。男女別で見てみると、男性の3位は「スポーツ」(29.2%)、4位「映画」(27.8%)、5位「読書」(24.8%)だった。女性では3位が「読書」(30.4%)、4位「グルメ」(30.0%)、5位「映画」(29.4%)という結果に。
シニア世代にとって関心が高いと思われる「健康」については、女性は24.4%と高かったが、男性は13.8%にとどまった。女性は健康情報を得たり、それを試してみるのを楽しみのひとつとしているが、男性は義務のようで楽しさはない、もしくは女性ほど健康に関心がないのかもしれない。
昨年2024年の調査を見てみると、違いはあまり見られなかったが、いちばん差が出たのが「読書」だった。2024年は22.3%だったので、2025年は27.6%と5.3ポイントも上昇。読書離れが叫ばれて久しいが、電子書籍がシニアの暮らしにも馴染んできたのか、読書を楽しむ人が増えた。
物価高の影響か、旅費は年々増加。貯蓄に対する出費は昨年より減少
趣味を楽しむにはお金もかかる。「旅行」を楽しみのひとつに挙げたシニア452人に限定し、旅費にかかるひと月あたりの金額をたずねたところ、平均額は3.4万円だった。過去の調査結果と比較すると、旅費の平均額は2020年~2022年は2.4万円と横ばいだったが、2023年は2.9万円、2024年は3.2万円、2025年には3.4万円と3年連続で上昇。近年の物価上昇・値上げが大きく影響していると考えられる。
現在の楽しみを「貯蓄」と回答したシニア136名に、貯蓄に対する1ヶ月の出費を聞いたところ、平均額は4.9万円だった。過去の調査結果と比較すると、平均額は2020年の4.7万円から2021年は5.8万円と大きく増加。ここをピークに2022年に5.2万円、2023年は4.4万円に減少。2024年には5.3万円と再び回復したものの、2025年は4.9万円に減少して2020年の水準に。この数年は上下を繰り返しているが、来年はどうなるのだろうか。
今年の旅先で良かった場所は?
旅行を楽しみにしているシニア世代が非常に多いことは、先ほどのアンケートの通り。では、今年訪れて良かったと感じた場所はどこなのだろうか。全国津々浦々、名前が挙がった。
北海道・東北では「函館(北海道)」や「松島(宮城県)」、「蔵王温泉(山形県)」、関東では「那須(栃木県)」や「草津温泉(群馬県)」、「伊豆大島(東京都)」、北陸・甲信越では「金沢(石川県)」や「能登(石川県)」、「軽井沢(長野県)」、東海では「白川郷(岐阜県)」や「犬山城(愛知県)」、「伊勢神宮(三重県)」、近畿では「近江八幡(滋賀県)」や「大阪・関西万博(大阪府)」、「有馬温泉(兵庫県)」、中国・四国では「大山(鳥取県)」や「出雲大社(島根県)」、「厳島神社(広島県)」、九州・沖縄では「湯布院(大分県)」や「屋久島(鹿児島県)」、「宮古島(沖縄県)」が好評だった。やはり温泉は多く挙がり、自然の多い場所や神社なども人気だった。
海外ではアジアの中では「韓国」が依然人気。近年は日本より海外の方が断然物価が高く、簡単な食事でも数千円かかってしまうが、定番の「ハワイ」のほか「オーストラリア」や「トルコ」などもう少し遠方の国も人気だった。
孫にかけるお金は上昇し、モノよりお金
子育てがひと段落つき、孫がいるシニアも少なくない。今回のアンケート回答者の中で、孫がいるシニア252人に、孫に関する質問をした。
2025年の1年間で、孫のためのお金を使った人は252人中231人だった。孫のためにどのようなことにお金を使ったか聞いたところ、1位は「おこづかい/お年玉/お祝い金」(69.8%)だった。2位は「一緒に外食」(54.4%)、3位は「おもちゃ・ゲーム」(32.1%)、4位は「一緒に旅行・レジャー」(26.6%)、5位は「衣類などファッション用品」(24.6%)となった。
昨年の調査結果と比較して興味深かったのは、モノよりお金を渡す傾向が増えていたことだ。孫にかけるお金1位の「おもちゃ/ゲーム」は2024年の38.0%から32.1%に減少していた。4位の「一緒に旅行/レジャー」は2024年の32.2%から26.6%に、5位の「衣類などファッション用品」は2024年の30.4%から24.6%など5ポイント以上の下降となった。一方、「おこづかい/お年玉/お祝い金」は2024年の65.6%から69.8%と4ポイント以上の上昇に。昨今の物価高により、好みがハッキリ分かれて使ってもらえないかもしれないおもちゃや衣類などのモノより、必ず使い道のあるお金を贈りものとして選ぶ人が増えているのだろうか。
孫にお金を使った231人に、今年1年間で孫のために使った金額を聞いたところ、平均額は11万3074円となり、月1万円程度出費していることがわかった。最も多い層は年5万円~10万円未満で、それ以下の層も多いが、少数派ながら20万円以上使っている層もいることから、金額が押し上げられているのだろう。昨年の平均額は10万4717円だったので、8,357円増加。物価高の影響もありそうだ。
孫と話せれば満足。出かけるなら外食か旅行
孫と過ごす時間はシニアにとって生きがいのひとつと言ってよいだろう。孫がいる252人に、孫とどのようなことをしたいと思うか聞いたところ、1位は「外食」で最多の51.2%。自身の趣味の影響か「旅行」の44.4%が続く。特別なことにはこだわらず、普段からの「会話」を望む人もほぼ同率の44.0%だった。
興味深いのが、「メッセージアプリ(LINE)でのやりとり」で男女差が大きく出た。女性は25.0%に対し、男性は7.8%と15ポイント以上の差が。女性の方が他愛もない話題でのコミュニケーションを楽しむ人が多いせいか、直接会えなくても日々の暮らしの中に孫との交流を求めているようだ。
熟年離婚の危機はある?
今回のアンケートでは、配偶者のいるシニアは636名。長年連れ添っている夫婦が多そうだ。生まれ変わっても今の配偶者と結婚したいと思うか聞いたところ、「非常にそう思う」の21.4%、「どちらかといえばそう思う」の43.9%を合わせると、「そう思う」は65.3%にのぼった。一方で「全くそう思わない」が15.1%、「どちらかといえばそう思わない」が19.7%で、合計した「そう思わない」は34.7%だった。
男女別に見てみると、「そう思う」と回答した男性は70.6%、女性では60.0%と、男性のほうが10ポイントほど高い結果に。また、「非常にそう思う」は男性が女性の約1.5倍、「全くそう思わない」は逆に女性が男性の約1.5倍だった。熟年離婚の危機も感じる結果となった。
生まれ変わっても今の相手と結婚したいかという問いは、昨年もしている。「非常にそう思う」「どちらかといえばそう思う」を合わせた「そう思う」の割合は、女性では昨年は50.8%だったので、9.2ポイントアップの60.0%と大健闘だった。男性は「そう思う」に大きな差はなかった。
スマホで「検索」「撮影」をするのは女性が多い
生活する上で今やなくてはならないスマホ。1000名の全回答者に、スマートフォンで日頃行っていることを聞いたところ、「インターネット検索」が64.4%と最も高かった。同じく60%代に「メール」(63.9%)、「通話」(63.2%)、「天気予報チェック」(60.3%)がランクインした。若い世代はメールやメッセージアプリでのコミュニケーションが主流というが、シニア世代は通話もメールと同様に活用されていることがわかる。
男女で比較すると、女性の方が男性より10ポイント以上高い項目として「インターネット検索」(男性59.2%、女性69.6%)、「写真撮影」(男性47.4%、女性60.8%)、「メッセージアプリ(LINEなど)」(男性46.6%、女性61.0%)、「電卓」(男性33.4%、女性48.8%)があった。
この質問は世代別にも集計しており、各世代の1位は50代では「インターネット検索」(65.6%)、60代では「メール」(66.8%)、70代では「通話」(66.8%)という結果に。メールは規則性が見られなかったが、メッセージアプリは世代が下がるほど活用されていて、通話に関しては世代が上がるほど活用されていた。
懐メロ好きな男性、最新曲も広く楽しむ女性
先のアンケートで、シニア世代の現在の楽しみとして「音楽」を挙げた人は2割ほどいたが、音楽はテレビを観ていたり、まちを歩いている中だったり、生活の中で触れる機会が多い。全回答者に、この1年のうちに心に響いた歌を聞いたところ、1位は「ケセラセラ(Mrs. GREEN APPLE)」、2位は「ライラック(Mrs. GREEN APPLE)」だった。今年でデビュー10周年を迎えたMrs. GREEN APPLEの曲が上位2曲を占め、世代を問わず人気なことがうかがえる。
昭和最後に生まれた名曲「川の流れのように(美空ひばり)」も2位に並び、発表から35年以上たった現在でも圧倒的な人気を誇っている。
男女別にみると、男性では2025年度前期放送のNHK連続テレビ小説『あんぱん』の主題歌である「賜物(RADWIMPS)」が1位。男性の方が昭和の懐かしい曲のランクインが多かった。
趣味、夫婦関係、孫との時間、スマホの使い方などについてのアンケートを通して、シニア世代が生活をどう楽しんでいるのか、余暇にかける金額はどのぐらいなのかなど、生活の様子が見えてきた。男女で比べると、女性はメッセージアプリなどでも他者とのコミュニケーションを積極的にとり、新しいものも取り入れている印象を受けた。アンケートを参考に、2026年を迎えるにあたって日々の楽しみの選択肢を増やしてみてはどうだろうか。
【データ】
「シニア世代の生活意識調査 2025」
<調査概要>
調査対象:50才~79才の男女
有効回答数:1000名(男性500名、女性500名)
調査期間:2025年10月8日~10月9日
調査方法:インターネット調査
(調査協力会社:ネットエイジア株式会社)
※本調査レポートの百分率表示は小数点第2位で四捨五入の丸め計算を行っているため、合計しても100%とならない場合がある。また、属性別集計において抜粋して表示している場合は、n数を合計しても全体と一致しないことがある。
※ソニー生命保険の発表したプレスリリース (2025年11月20日)を元に記事を作成。
図表/ソニー生命保険提供 構成・文/西谷友里加
