「忍び寄る介護? ヨーグルトで老いない生活」NO老いるLIFE~母と娘のほんわか口福日誌~ 第31話
漫画家で栄養士の資格を持つうえだのぶさんは、慢性膵炎の母とふたり暮らし。白内障の手術をきっかけに、次々と母に訪れる「老い」、そして「介護」の予兆が!? 足腰が弱らないように、膵臓も労って脂肪0のヨーグルトも食べているけれど――。
白内障の術後の母は…
膵管に石ができ、原因不明で完治もしないという「慢性膵炎」を発症してしまったうちの母。
今は旅行に行けるくらい元気な日々を送っていますが、実は昨年の今頃「介護キター!」と覚悟する出来事が起きていました。
昨年9月、左目の白内障手術を受けた母。しかし数日後、、、なんだか様子がおかしい。
思いつめてるというか、ふさぎ込んでる…?
私「どうしたん?」
母「目が、ぼんやりしちょる。」
私「そりゃ手術したばっかりだし、、」
母「違う!手術、失敗したんよ!!もう見えんのよ!!」
私「??????」
母は、「術後すぐ霧が晴れたようにハッキリ見える」と思い込んでいました。お医者さんや看護師さんから「治り方には個人差があります」と言われていたのに、そこは全く聞いてなくて、術後が思ったのと違ってパニくってしまったんです。
「まだ腫れがあるので、もう少し様子を見ましょう」と、先生に諭されても納得できず、家の中でふさぎ込んだまま。
ぼんやり座ってテレビを眺める日が続き、2~3日してやっと「ハッキリ見えてきた!」と明るい声に戻りました。やれやれ、よかった。
――と、安堵したのも束の間。
立ち上がろうとした母が「足が痛い!立てない!」
あわてて近所の整形外科に連れて行くと「左の膝に水が溜まっています」とのこと。
ええ~!?
すぐに水を抜きヒアルロン酸を注入してもらいましたが、その後も痛みが消えず、まともに歩けなくなってしまったんです!
さらに…
「のぶちゃん!歯が抜けた!」
はあ!? ウソでしょ~~~!?
さらにさらに…
かかりつけの内科に行ったら「骨量が急激に減っています」
いやああ~~!!
まさに「負のスパイラル」
母が「老婆」になっちゃった!?
気が付けば毎日3~4つの病院をハシゴしていて、元気にウオーキングや家庭菜園をしていた母は、「ヨボヨボのフレイルおばあさん」になっていました。
祖父が使っていた古い杖をつき、身体を揺らしながらぎこちなく歩く姿は「老婆」そのもの。
膵臓の手術が終わり、やっと「元気なうちに人生を楽しむ」と前向きになっていたのに。
「“老い”ってこんな急にドカーンと来るんだ…」
寂しい悲しいよりも茫然としたのを覚えています。
その後、母の左目は順調に回復しましたが、複数の病院通いは毎日続き、仕事と母と家のことで私の自由時間はゼロになってしまいました。
父と祖父母を看てきた経験から次がどうなるかは容易に想像できます。
うん、私は今「介護」のスタート地点に立っている。
まあでも、この連載がある限りはネタになるし(←おいおい)
ありがたいことに母はこの後徐々に回復していくのですが、私はこの出来事を機に、いつ介護が始まってもいいよう自分の生活を少し変えることに決めたのでした。
NO老いるMemo「NOオイルなフレイル予防」
ヨーグルトのホエイ(水分)にはいろんな栄養素が含まれているので捨てないでくださいね(笑い)!
そんなヨーグルト、慢性膵炎の母には、脂肪0(ゼロ)が定番。
脂質だけじゃなく「フレイル」にも、気を付けないといけない高齢の母の食事。
骨粗しょう症などフレイル予防のために食べているのが、脂質0(ゼロ)のヨーグルトです。
骨を作るには「カルシウム」だけでなく、「たんぱく質」も必要でどちらも一緒に摂れるヨーグルト、さらに脂質ゼロなら一石三鳥です。
わが家では毎朝「食後のお楽しみ」として食べてます。
絵と文
漫画家・うえだのぶ
イラストレーター・漫画家。57才。山口県で82才の母とふたり暮らし。40代で地元の短大に入学し、栄養士の資格を取得。地元山口県を拠点に、漫画を利用した食育や時短調理などの栄養講座の講師なども務めている。
ホームページ:uenobu.com アメブロ:https://ameblo.jp/abareinupoti/ インスタ: https://www.instagram.com/nobuueda/?hl=ja
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