「冷やし中華はNOオイル&高たんぱくの栄養食」NO老いるLIFE~母と娘のほんわか口福日誌~第30話
漫画家で栄養士の資格をもつうえだのぶさんの母は原因不明の「慢性膵炎」を抱えている。現在は脂質を控える食事などの対処療法で過ごし、旅を楽しめるほど元気に過ごしているのだが、昨夏「冷やし中華」を巡り、思いも寄らないことが起きたという。
母、冷やし中華の麺を掴めない!?
原因不明で完治もしない慢性膵炎を発症してしまったうちの母。80才を超えてから「いつ異変が起きるかわからない」という爆弾を抱えてしまったものの、「元気なうちに人生を楽しむ」と前向きな決意をしてくれ、母娘2人で悲喜こもごも凸凹な日々を過ごしています。
そんな母は今年の6月、また膵管に小さな石が2つ見つかってしまいました。
ただ、石の位置と大きさから、摘出手術をするよりもこのまま様子を見た方がいいということになりました。今は、薬(タンパク質分解酵素阻害薬)と脂質1食10g目安の食事くらいで、「爆弾を抱えている」「膵がんのリスクがある」と言いながらも、身体の痛みや厳しい制限などはありません。
そんな感じで現在は平穏な日常生活を送っているのですが、、、
実は昨年の今頃、膵炎と関係ない方向から「介護キターーー!!」と覚悟する出来事が起きていました。この連載が始まったのが昨年の7月、それからすぐのことでした。
異変に気付いたのは、お昼に冷やし中華を食べていた時。母が箸で空中をつまんでいるのです。
「何してるの?」と聞いたら、「食べようと思うんだけど麺に届かない」と。
どうやら料理との距離感がつかめない模様。
良く良く聞いてみると、「最近、眼鏡かけても針に糸が通らんのよね。だいぶ古いから視力が合わんことなっちょるんじゃろー」
というわけで、眼科に行ってみました。
「白内障がだいぶ進んでいますね。特に右」
視力は左が0.6、右が0.04。その場で手術をすすめられました。母の周りではもう白内障の日帰り手術を受けている人は多く、母も覚悟はしていたようで、「はい、お願いします」ということになりました。
怖がりの母がすんなり「お願いします」と言ったのは、母の母(祖母)が大昔に手術を受けて「霧が晴れるように明るくなった」と言っていたことや、お友達が「ガーゼを取ったとたんにハッキリ見えた」と言うのを聞いていたからで、怖さよりも期待が大きかったのだと思います。
私も珍しい手術とは思わなかったので、まさかここから「あんなこと」になるとは思ってもいなかったのですが、、、。
――続きは次回!(注:医療ミスの話ではありません)
文中でサラッと触れましたが、今年の7月に連載が無事1周年を迎えました♪ ひとえに読者の皆様のおかげです。感謝感激でございます。これからもどうぞ応援よろしくお願いいたします!
NO老いるMemo「残暑バテ&熱中症予防に冷やし中華」
暑い時期、高齢の母によく作るのが「冷やし中華」です。
「ごはん < そうめん <中華麺 」この順番で、たんぱく質が多いのが理由のひとつ。
ハムやたまごをプラスし、たんぱく質で「フレイル」予防、トマトやきゅうりを乗せれば水分と塩分が一緒に摂れて、「熱中症」の予防にもつながります。
乗せる具材やタレを選べば、脂質1食10gもらくらくクリア♪
私はできるだけ1回の食事でパパっと栄養バランスを整えたい派なので、ワンプレートで済む麺類は重宝しています。
まだまだ暑い日が続くこれからの時期、しっかり食べて「NO老い」目指しましょう!
絵と文
漫画家・うえだのぶ
イラストレーター・漫画家。57才。山口県で81才の母とふたり暮らし。40代で地元の短大に入学し、栄養士の資格を取得。地元山口県を拠点に、漫画を利用した食育や時短調理などの栄養講座の講師なども務めている。
ホームページ:uenobu.com アメブロ:https://ameblo.jp/abareinupoti/ インスタ: https://www.instagram.com/nobuueda/?hl=ja
●【新連載】NO老いるLIFE ~母と娘のほんわか口福日誌~ 第1回「母の膵臓が!救急搬送の夜」