「かつお丼 VS 海鮮丼 どっちがヘルシー?」NO老いるLIFE~母と娘のほんわか口福日誌~第28話
慢性膵炎を抱える81才の母と、車で2泊3日の鹿児島旅行を決行した漫画家のうえだのぶさん。長距離ドライブ旅の道中、高齢の母の行動や食事に気を配り――。旅の2日目は、鹿児島の南西に位置する海辺の町、鹿児島・枕崎へGO! 旅の食を巡る母と娘の口福日誌。
→簡単に揚げ物の脂質を半分にする方法って?NO老いるLIFE~母と娘のほんわか口福日誌~第19話
枕崎でお土産を爆買いする母
母娘の鹿児島旅、2日目。母とともに車で向かったのは「枕崎」。
かつお節の産地として有名な漁港の街です。枕崎市内に入ると、大きな工場があちこちにあって、街の中でふっとかつお節の香りがします。
10年前に訪れたとき、漁港の「枕崎お魚センター」で、かつおの海鮮丼を食べて本場のかつお節をお土産に買って帰った記憶が蘇り、ここなら母もきっと喜ぶと思って連れてきたのですが、、、。
――ん?なんか変。
開店はしてるのに観光客がいない。妙に静か。閑散としてる。あれ? かつて海鮮丼を食べたレストランはどこ?
母とふたりでキョロキョロしていたら、以前にも寄ったことがある、かつお節の専門店が開いていました。お店の人に聞いてみると、
「あー、タイミング悪かったねえー。来週リニューアルオープンなんでレストランもお店もほとんどお休みなのよー」
ぎゃふん。まじかー!? 仕方ないから、枕崎ではお土産だけ買って帰ることにしました。
ちなみにうちの母、隣町のお祭りに出かけても「友達の分」と言って10個くらいお土産を買う人。「いやいやそれ近所のスーパーで売ってるし」と言ってもお構いなし(高齢者あるある?)。
それが今回は山口県から6つの県をまたいで400km以上も離れた鹿児島ですから、いったいいくつ買う気なのやら。50個?ヘタしたら100個?
私も「かつお節なら軽いから車で持って帰れるし好きなだけお買いなさい」と煽ってみたりして。
他にお客がいないので、お店の人も「どちらから?えー山口県ですか?」とか話しかけてきてくれて、それがまたおしゃべり好きな母のテンションを上げ、「それがですねー、娘について来ましてねー」とか嬉しそうに話しだし、母のおしゃべりはノンストップ。
店員さんたちと鹿児島弁と山口弁でワイワイきゃっきゃと大盛り上がり。リニューアルオープン前だったので、空いていたことが幸いし、10時開店と同時に入ってたっぷり1時間、思い切りしゃべって、思いっ切りお土産を買って、大大大満足な母なのでした。
かつおは高齢者におすすめのヘルシー食材だけど…
お土産をしこたま買いあさり、枕崎の帰りに寄った道の駅で食べたのが名物「かつおの漬け丼」。
慢性膵炎の母は、食事で脂質を抑える生活をしているのですが、かつおは、魚の中でも脂質が少ないヘルシー食材。春獲りかつお100g中、脂質は0.4gで、脂質1食10gを目安にしている母にはピッタリの一品です。
しかし、そこで母が「食べたい!!」と希望したのは、海鮮丼!
それ、どこでも食べられるでしょう…。しかも、トロやサーモンなど脂質高めのお魚尽くし。
まあまあ、いいでしょう。かつお丼と海鮮丼、”半分こ”して食べました。
No老いるMemo「道の駅で食べた脂質低めの食の数々」
母が喜んだのは「道の駅」グルメとお土産!
「道の駅いぶすき」で食べたかつおの漬け丼は、卵焼きやら温泉卵、たんぱく質もたっぷりで、まさにNO老いる丼!
ここではさつまいもの入った「よもぎ団子」も購入。
「道の駅喜入」では、指宿マンゴーサイダーを。どちらもほぼ「NOオイル」で脂質を気にせず、鹿児島の味を楽しみました。
――次回は、旅の最終日。鹿児島イチの繁華街で意外にも高齢母が大喜びした場所とは?(8月7日公開予定です)
絵と文
漫画家・うえだのぶ
イラストレーター・漫画家。57才。山口県で81才の母とふたり暮らし。40代で地元の短大に入学し、栄養士の資格を取得。地元山口県を拠点に、漫画を利用した食育や時短調理などの栄養講座の講師なども務めている。
ホームページ:uenobu.com アメブロ:https://ameblo.jp/abareinupoti/ インスタ: https://www.instagram.com/nobuueda/?hl=ja
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