「膵炎の手術本番!あなたならどうする?」NO老いるLIFE~母と娘のほんわか口福日誌~第24話
漫画家のうえだのぶさんの母は慢性膵炎で3度の手術が必要に。ステント手術から2か月後、「膵臓の石を砕いて取り除く」という本番の手術を受ける日がやってきた。手術の結果はいかに!? 待つことしかできない娘の心の内は…。コロナ禍だった当時の心境を振り返ります。
母からの電話を待ちながら…
原因不明の慢性膵炎になってしまったうちの母、いよいよ膵管に詰まった石を取る2度目の手術の日がやってきました。まだコロナ禍だったので面会も付き添いもできませんが、前回は術後に先生から「無事終了しました」と電話があり、母も病室から「大丈夫よ~~」と電話をかけてきました。だからきっと今回も。。。
ところが、夜になってもなんの音沙汰もありません。不安になって病棟に電話をしたところ「もうお休みになってます」との返事。その後、担当の先生から連絡が来ました。
「膵管の石は全部取りました。その際に膵臓に少し傷がついたので、炎症を起こして腹痛や発熱があるかもしれませんが、数日で回復しますよ」
え?傷?炎症?それって大丈夫なの!?
前回とは明らかに違う術後の感じに気持ちは暗転。結局母からは電話がないまま翌日の朝を迎えました。病棟に電話をすると「お元気ですよ~」と看護師さん。
――え? 元気なのになんで電話してこないんだろう…。
もしかして何か起きてる? 病棟行ってみる? でもコロナ禍だから入れないよね? 行くだけ行ってみる? ああああ、、、読者の皆さん、あなたならどうしますか?
「行くか!」「いやでも…」
葛藤しながら時間が過ぎていき気が付けば夕刻、、、ようやく母からの電話が。
私「大丈夫?」
母「それがねー、大変じゃったんよ!死ぬかと思ったよ!」
母によると、「意識はあるのに目が覚めなくて地の底に沈んでいく感じ」が続いて、すごく怖かった。熱が出て少ししんどかったので電話できなかったと。
すっかり熱も下がり、気分が良くなったようで、「あのねー、術後の調子がいいから今日から食事が出るって♪」と、電話越しの母はいつもの調子。
術後は順調で、予定通り退院が決まりました。
でも、今でも思うんです。
もしかしたらあの日、道は二つに分かれていたのかもしれない。
「このまま母と会えなかったとしたら・・・」
病院に行かなかったことを後悔したでしょうね。
「無事」という言葉のありがたさをあらためて嚙み締める私でした。
――次回は6月19日公開予定です。
絵と文
漫画家・うえだのぶ
イラストレーター・漫画家。57才。山口県で81才の母とふたり暮らし。40代で地元の短大に入学し、栄養士の資格を取得。地元山口県を拠点に、漫画を利用した食育や時短調理などの栄養講座の講師なども務めている。
ホームページ:uenobu.com アメブロ:https://ameblo.jp/abareinupoti/ インスタ: https://www.instagram.com/nobuueda/?hl=ja
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