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「脂質を控えていた母が脂肪肝?原因究明」NO老いるLIFE~母と娘のほんわか口福日誌~第65話

 慢性膵炎を抱える80代の母と暮らす漫画家のうえだのぶさん。半年に一度の膵臓の検査で「脂肪肝の兆候がある」と指摘され…。膵臓を労わる「脂質制限」の食事に気を付けてきたのに、いったいなぜなのか?

脂質制限食なのになぜ脂肪肝?

 松の内も過ぎましたが、皆さま明けましておめでとうございます。本年も「NO老い」をどうぞよろしくお願いいたします。

 さて昨年末、母の慢性膵炎の定期検診で突然飛び出した新たなワード「脂肪肝」。先生に「脂肪肝の兆候がうっすらあります」と言われ、見せられた腹部エコーの画像。私がどれだけ落胆したかおわかりになるでしょうか。

 慢性膵炎も、脚の不調も肩腱板炎症も、大変だったけど受け止められました。

 だって…だって…ネタになるもの(悪)。

 でも「脂質1食10g目安」の食事をテーマに「栄養士」の肩書で連載や講演をしている私、ネタ元である母が「脂肪肝」ってことになったら…。

 仕事なくなるがな~(なんでこういう時って関西弁口調になっちゃうんですかね?)

 ちゃんと食事を管理していたはずなのになぜ?動揺を隠せないまま先生に質問する私。

「脂肪肝ってどのくらいの期間でなるものなんですか?」

先生「割と短期間ですね。何年もかかって、とかそういうものではないです」

“じゃあいったいいつから?” 考え込む私の顔がよっぽど険しかったんでしょう。

先生「いや、そこまで問題ではないので、このままで大丈夫ですよ。今より悪くならないようにだけ気を付けてもらえれば、ははは」

「ははは」に、先生の気遣い(心配かも)を感じた私です。早速、自宅に戻って母の検査結果(中性脂肪)の数値を比べてみました。

・3か月前/昨年9月…118mg/dl

・最新結果/昨年12月…165mg/dl

――なんてこったーい!! ねえ、どゆこと!? この3か月で何があった!?

母に質問「思い当たることは?」

 というわけで質問タイムです。

「何か思い当たることがあるなら白状しなさい」

(思い当たることがあるとしか思えない表情の母)

「・・・お菓子をいっぱい食べました」

 ――え? いつ?

 そう言われてハッと脳裏に浮かんだ景色…。そうだ、最近、居間のお菓子が減っている気がしてたんだった!

 あれは、えーとえーと…そうよ、私がインフルエンザで倒れた頃よ。

 この連載を1回お休みすることになった私のインフルエンザ罹患。昨年の12月上旬に4日ほどガッツリ寝込み、その後も母にうつらないよう1週間ほど家庭内隔離で自分の部屋から出ませんでした。回復して久しぶりに部屋から出て、なんだか居間がスッキリしているではないですか。つまり、お菓子がなくなっている!

 母は膵炎が発覚して以来、脂質の高いお菓子を食べると私に怒られることもあり、最近は居間にあってもお菓子を食べなくなっていたんです。本人も「食べグセがなくなった」と喜んでいました。それが、それが私が寝込んでる間に気が緩んだのかタガが外れたのか…。

娘、心を鬼にして…

 あ~~あの時かあ~。あー、うーん、そっかあ~~~。湧きあがった怒りがしゅわしゅわと萎んでいく私。

 大変だったと思うんですよ。母の脚が悪くなってからは食事も含め家事は概ね私がしていました。突然私が寝込んだことで、全部母がしなきゃいけなくなって。毎日3食作って部屋の外に置いてくれて、1日に3回も4回も汗だくになって着替える私の衣類を洗って、干して、たたんでくれて。お風呂もゴミ捨ても全部母ひとりでやって…。

 多分、自分の食事まで作る気力は残らなかったでしょうね。私も気が回りませんでした。手近な(そして大好物の)お菓子で、手っ取り早く食事を済ませていたのかもしれませんよね。

 そうかそうか…うん、でもね、ただね、だからと言ってね、膵炎を抱える母はただでさえ脂質を控えなきゃならないんだから、このままにしとくわけにはいかんのよ。

 今日からはまたできるだけ食事の脂質を――あっ!! 

 もうすぐ「お正月」やないか~~~い!!!(再び関西弁)

脂質高めのお正月の食事、どう乗り切る?

 そう、よりによってお正月前に「うっすら脂肪肝」が発覚したんですよ。というわけで今年のおせちは大変でした。

 日頃は脂質控えめの食事をしてる母に、「お正月くらいは」と色々ご馳走を考えていたんです、お刺身とか揚げ物とか市販のオードブルとか。

 そんなご馳走食べてる場合じゃない!でも全部キャンセルじゃ悲しすぎる!(私だって食べたい!)

 じゃあちょっとずつ食べようかとなると、今度は冷蔵庫がパンパンになっちゃうし…。

 鮮度が落ちていくブリやサーモンのお刺身を「づけ」にしたり鍋にしたり冷凍したり、賞味期限の短いものを計画的に食卓に並べて、でも食べ過ぎないように気を付けて、隙を見て食べようとする母を制して――年明け早々、正月料理との戦いに明け暮れました。ああ、もっとのんびりダラダラするはずだったのにい~。

 母の「うっすら脂肪肝」の原因がお菓子だけかどうかはわからないのですが、とりあえずはこれまで通り脂質控えめの食事をして、運動もしてもらって様子を見るしかありません。

 春先くらいにかかりつけのお医者さんで血液検査をしてもらい、中性脂肪値を確認してもらおうと思っています。

 私の看病で大変な思いをさせて悪かったと思う反面、「鬼のいぬまにしめしめ♪」みたいな気持ちはなかったのかなあ。母、悪いことしたのがバレた子どもみたいな顔してたけどなあ。

 ちなみにあの尋問の日以来、居間のお菓子は減っていません(やれやれ)。

NOオイルMemo「お正月の食事で脂質を控える工夫」

 我が家の今年のお正月の食卓から「脂質を控える」ためにした工夫をご紹介します。

・脂質高めのサーモンの刺身には、脂質の少ないイカと数の子を合わせて海鮮丼に。

・揚げ物は控えて脂質の少ない「赤身のローストビーフ」や「煮しめ」で華やかに。

・お正月のお菓子は、初詣の出店で買った梅ヶ枝餅と桜茶を。和菓子は洋菓子に比べて脂質低めです。

・我が家のお正月恒例の「ぶりしゃぶ鍋」。ぶりは脂の多い腹側を私が、母は赤身の背中側を食べてもらいました(って、私が太っちゃうじゃん)。

 日本酒は私がお屠蘇としていただきました♪

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絵と文

漫画家・うえだのぶ

うえだのぶさん

 イラストレーター・漫画家。59才。山口県で83才の母とふたり暮らし。40代で地元の短大に入学し、栄養士の資格を取得。地元山口県を拠点に、漫画を利用した食育や時短調理などの栄養講座の講師なども務めている。
アメブロ:https://ameblo.jp/abareinupoti/ インスタ: https://www.instagram.com/nobuueda/?hl=ja
『読者体験!リアル迷惑人間大集合1 』Kindle版が発売中。

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