膵炎の母、今年のファイナル検査「結果発表!」NO老いるLIFE~母と娘のほんわか口福日誌~第64話
年末にインフルエンザに罹患してしまった漫画家のうえだのぶさん。膵炎の母(83才)と二人三脚で膵臓に負担をかけない食生活を工夫し、弱ってしまった足腰や肩のリハビリに勤しんできた2025年。年の瀬、母の検査日を迎えて――。
半年に一度の「膵臓検査」
「終わり良ければすべて良し」
いやー、この言葉で2025年を終えられるとは…て、いやその前に。
皆様、前回は突然の休載誠に申し訳ありませんでした。インフルエンザA型とB型に同時に罹患するという人生初の体験をしていました。ワクチンは打っていたのに、キツかったです。母にうつさずに済んだのが不幸中の幸いで。皆様もどうぞどうぞご用心くださいね。
さて、そんなこんなでドタバタしている間に半年に1度の母の膵臓検査の日がやってきました。
今回は血液検査と腹部エコーです。石が詰まっている膵管が炎症を起こしていないか。膵臓がんの兆候はないか。診断結果を聞くまでのあのドキドキとビクビクは何度味わっても嫌なものです。
先生「血液検査も腹部エコーの結果も問題ありません。膵がんの兆候もありませんでした。また半年後、次はMRI検査です」
ふわあああああ~~~良かったあ~~~~。
痛めた「肩」のリハビリへ…
その2日後、今度は肩のリハビリ治療に行ったのですが、理学療法士さんから「治療を継続するために先生の診察を受けてください」と言われ1か月ぶりに先生とご対面。
先生「うーん、すごいね。高齢で筋肉が落ちるとなかなか回復しないんだけど、びっくりするくらい良くなってます。もういつでも自分のタイミングで治療はやめていいですよ。」
ええええっ! マジですか!? 本当にいいんでしょうか?
理学療法士さん「いや、僕もすごい速さで回復されているなと思っていました。もう腕の力も戻ってるし痛みもないみたいなので、ご本人が良ければ今日で終わりましょう」
母「そう言えば痛みはないし、パンツも両手で上げられます」(注:左腕が背中に回せないので右手だけで下着の上げ下げをしてました)
やめる判断基準は「日常生活に支障がないと自覚できること」だそうで。母の感じる「不便」がなくなったということで、肩の腱のリハビリ治療はこれにて終了となりました。
「脚」の状況は…
そして「脚」。母の最新状況ですが、なんと「杖」なしで歩けるようになりました。買い物カートを使えば30分以上店内をうろうろできるようになりまして。台所に立ってもヒーとかフーとか言わなくなりました。
通っているリハビリ型デイサービスの体力測定では、初日は片足で5秒しか立てなかったのが今は10秒に伸びています(同世代女性の平均値は7.2秒だそう)。
振り返れば、「ケセラセラでいこう」と開き直ってスタートした今年。5月の連休明けからはずっと母の脚の不調に悩まされ毎日何かの治療に通ってましたねえ。
→新年は膵臓に優しい「ぶりしゃぶ鍋」でケセラセラ!NO老いるLIFE~母と娘のほんわか口福日誌~第39話
きっかけは「地域包括支援センター」
ターニングポイントはやはり「地域包括支援センター」だったと思います。
そこで繋げてもらった「リハビリ型デイサービス」に通うようになってから母の身体に筋肉がつき始め、脚がしゃんとしてきて、筋肉がついたおかげで肩の回復も早かったのではと思うのです。
逆に「もしデイサービスに通ってなかったら…?」と考えると、ちょっと震えます。
母の身体の変化で一番痛感したのは「筋肉って大事なんだなあ」ということです。「筋肉は裏切らない」というセリフをテレビで聞いて「大げさ~」と笑ってきましたが、わたくしこの目でハッキリ見ました。筋肉は裏切らないどころか「救世主」です。
これまでも普段の食事では「たんぱく質」がちゃんと摂れるよう(1食15~20g目安)魚・肉・卵・豆腐や納豆・乳製品を食べて(食べさせて)きました。それもよかったのかなと思うと、母の栄養管理をネタにしてる身としては嬉しい限りです。
「ああ、なんて素敵な年の終わり…」と、ここでちゃんちゃん♪にならないのがうちの母。
「膵臓検査」の診察室より
――場面は「膵臓検査の結果を聞いている内科の診察室」に戻ります。
先生「実は腹部エコーでちょっと気になることが…」
え? やだ! 何か変わったことでも!? やだやだやだ。
先生「うっすらなんですが…、脂肪肝の兆候があります」
し・し・し・脂肪肝!? 脂質制限の食事をしてるのに「脂肪肝」!? え?
9月の血液検査(健診)では正常値だったのに!?と先生に渡された「中性脂肪」の欄を見たら、ちょっと待って上限値超えてるじゃ~~~~ん!!
母を見ると、何やら思い当たることがありそうな微妙な表情。
先生「いやまあ、そんなに深刻になるほどじゃないですので。ちょっと注意してもらえれば、ははは」きっと私の顔、めちゃくちゃ怖かったと思います。
何かをこっそり食べたのは間違いない。帰宅してじっくり尋問するよ~!(この話のつづきはまた次回)
NO老いるMemo「年越しそば」は“そば湯”も大事
さて、今日は大晦日。毎年2人で1玉分のおそばを年越しに食べます(残したらダメって聞くので)。
「年越しそば」には「悪縁を断ち切る(そばは切れやすいので)厄払い」と「細く長く生きる健康祈願」の2つの意味があるそうです。今年はやわらかく茹でた麺とちょいかための麺、2種類ブレンドして食べようと思います。
おそばには色々栄養的なメリットがありまして、
1.そばの「たんぱく質」はうどんの倍!
ゆで麺100g中のたんぱく質…そば4.8g(うどん2.3g)
2.ビタミンB群・ミネラル・食物繊維が摂れる
ビタミンB1・B2・亜鉛・葉酸・マグネシウム・カリウム・鉄など盛りだくさん!
3.「ルチン」も摂れる!
血圧の安定や血中コレステロール低下の作用がある「ルチン」が摂れます。
そば湯もぜひご一緒に
ひとつポイントがありまして、麺類のたんぱく質やビタミンは水に溶けやすいので、そばを食べる時は、市販のゆで麺でなく生麵や乾麺を茹でて、茹で汁(いわゆるそば湯)を一緒に摂るのがおすすめです。
冬場は乾麺を茹でて、茹で汁を小鍋にとって具材を入れて温かいかけそばにしたり、釜揚げそばにして残ったつけつゆを茹で汁で割ったりします。
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本年もこのドタバタ母娘のあれこれにお付き合いいただきありがとうございました。来年も何かしら起きると思います。ここで皆さまに読んで笑ってもらえることが私の元気の源です。来年もどうぞよろしくお付き合いください。
絵と文
漫画家・うえだのぶ
イラストレーター・漫画家。59才。山口県で83才の母とふたり暮らし。40代で地元の短大に入学し、栄養士の資格を取得。地元山口県を拠点に、漫画を利用した食育や時短調理などの栄養講座の講師なども務めている。
アメブロ:https://ameblo.jp/abareinupoti/ インスタ: https://www.instagram.com/nobuueda/?hl=ja
『読者体験!リアル迷惑人間大集合1 』Kindle版が発売中。
