膝がポキポキ、ゴリゴリ鳴るのは関節トラブル、病気のサインかも
膝痛の患者数は日本全国で3000万人、50歳以上では女性が男性よりも1.5~2倍多いことがわかっている。しかし、ゼライスの調査が示すように40代の男性でも油断はできない。丸山院長の病院では慢性的な膝痛を抱える人の7割以上が、40代から膝の音やこわばりなどの違和感があったという。
「しかし膝から音がするからといって、過剰に怖がる必要はありません。心配しなくていい音とそうでない音があるのです。膝が鳴ったけれど単発的である、痛みや腫脹(腫れ)を伴わない、膝の動きに制限がない場合は特に問題ありません。心配なのは何度も繰り返し音がする、痛みや腫脹や熱感を伴う、膝の動きが悪い、音がするたび徐々に大きくなっていく場合です。こんなときは、すぐに整形外科を受診してください」
丸山院長は次のようなことを心がけることで、膝関節をケアできると言う。
・膝の負担軽減のため、肥満に気をつける。
・曲げるのがきつい人は正座は避ける。
・膝を冷やさない室温管理。
・膝を温めるためにお風呂に入る。
・軟骨を構成する成分(コラーゲントリペプチドなど)をサプリメントで摂取。
・膝関節の可動域を維持するためには、関節を守る周辺筋肉を鍛える。以下のようなストレッチ運動を毎日行うといい。
●下肢の筋肉のストレッチ…壁につかまり一方の膝を前に出して曲げ、もう一方は後ろに引き、足の裏をついたまま膝を伸ばし、下肢の後ろの筋肉をゆっくり伸ばす。その姿勢のまま20数える。
●アキレス腱のストレッチ…かかとを床につけたまま膝を曲げ、腰を落とす。脚の後ろを緊張させた状態で20数える。
「膝が痛くてスムーズに歩けないと、家に閉じこもりがちになり、食べてばかりで太ってしまい、ますます体を動かさなくなる…という悪循環に陥ります。外出しないので、他人と関わることも少なくなってコミュニケーションも減ります。これは、生活習慣病や認知症を招いたり悪化させたりするリスクを高めることになります。膝の音が気になりだした人は、早めにケアすることが大切です」
取材・文/大竹麗