軽く、疲れにい!ロコモ改善!楽に歩ける!吸収性と反発性を両立したウオーキングシューズ
年齢とともに、立つ、歩くといった移動機能が衰え、将来寝たきりになる可能性が高まる―スポーツ用品メーカーのヨネックスからロコモティブシンドロームの改善に効果的なウォーキングシューズが誕生した。無理なくウォーキングが楽しめる靴とはどんなものなのだろうか?
「軽く、疲れにくい」歩行をアシスト
今年3月中旬に発売された『LC103/MC103』の開発が始まったのは2016年の初め。発売までおよそ2年半かかったことになる。
「通常のシューズの場合、1年ほどの開発期間であることがほとんどなのですが、効能を謳うための実証期間が必要になるので、通常より時間がかかりました」と、開発担当の小澤朋子さん。
というのも、購買層となる人生経験豊富な大人世代や見る目が厳しい女性にとっては、効果効能がはっきりわかることが購買につながると考えたからだ。
こうした効果を訴求する商品を開発するための足がかりになるのは、まず論文を調べること。小澤さんはいくつもの論文に当たり、ウォーキングの中でも、歩幅の増大と歩行のスピードアップという要素に注目した。
そこで、インソールに衝撃吸収性と反発性を併せ持ち、「軽く、疲れにくい」歩行を実現する素材「パワークッション」を採用。ミッドソールの踏みつけ部とかかと部に、性能をさらに高めた「パワークッションプラス」を搭載した。
歩行時の衝撃吸収と歩幅アップの両立を実現
性能を高めることで、膝や腰を衝撃から守りながら楽に歩行できるようになる。
しかし、吸収性と反発性を両立させるのは簡単なことではなかった。
「衝撃を吸収するだけのものや跳ね返るだけのものなら簡単に作れるんです。例えば、鉄球を落としたときに硬いゴムだとものすごく跳ね返り、テンピュール枕のような低反発素材だとピタッと止まる。でも、その両方を併せ持つものを作るというのが非常に難しかったです」(小澤さん)。
開発チームの机の引き出しには500gと1kgの鉄球が入っており、常に実験ができる状態だったという。試作を繰り返し、一般的な衝撃吸収材「EVA」に比べて衝撃吸収性を28%、反発性を62%アップさせることに成功した。また、歩行時の衝撃を抑えるため、厚みのあるソールを採用。加えて、つま先とかかとに角度をつけることで、歩幅アップを実現した。
軽量化で歩きやすく歩行タイムを短縮
もう1つの特徴となるのが、軽さだ。通常は登山靴のように、ある程度重みのある靴の方が振り子の原理で歩幅は大きくなる。しかし、靴を重くすることは身体的な負担につながる。軽量化を保ちながら歩幅をアップさせるために、ソールの素材の配合を何度も変更し、金型の調整をギリギリまで繰り返した。
苦労の甲斐あって、平均年齢67.7才の男女11名を対象に行った400mの歩行テストでは、普段履いている靴に比べ、平均歩幅は5cm伸び、歩行タイムは約13秒短縮された。また、発売前に実施された展示会でも「歩幅が変わった!」という声があがった。
近頃歩くのが億劫になってきたというあなた、ぜひ『LC103/MC103』で楽しく歩いて健康寿命を延ばしてほしい。
【データ】
『ウォーキングシューズ LC103/MC103』ヨネックス
自然に歩幅を伸ばして、運動効果を高めるウォーキングシューズ。『パワークッションLC103(女性用)』/22.0~25.0㎝(シルバー、パールピンク、ブラック)、『パワークッションMC103(男性用)』/24.0~28.0㎝(ネイビーブルー、ブラック)。1万6200円。ヨネックス(03・3836・1221)
※女性セブン2019年4月18日号