食と健康のプロが選ぶ!健康長寿食品ベスト31|アンチエイジングに特化した食べ物徹底調査
老化を止めて健康な体を作るアンチエイジングに特化した食べ物を徹底調査。“腸内フローラを作り出す発酵食品”“抗酸化作用のある赤い食べ物”“酸化と糖化を防ぐうなぎや鶏肉”“強い骨と筋肉を生み出す乳製品や卵”など…体を老けさせない食材をランキング形式で紹介。最強食材を、今夜の食卓からぜひご活用ください!
食とアンチエイジングのプロ26人による総選挙
「人生100年時代」といわれる中、誰もが考えるのは「健康で長生きしたい」ということ。そのためには何が必要か、研究や雑誌の特集が目白押しだ。しかし、長寿者の生活を長年研究してきた食文化史研究家の永山久夫さんは「長寿のカギは食生活にある」と断言する。
「あらゆるアンチエイジングの基本のキは食事にあり、食事内容がしっかりしている人が長生きする。現在、私は86才ですが、病気もせずに日々講演に出かけたり取材をしたりと忙しく飛び回っています。これも食のおかげ。体を若々しく保ち、健康に長生きしたいのなら、まずは食事に気を使うべきでしょう」
永山さんの言葉に背中を押され、女性セブン編集部は「食とアンチエイジングのプロ」26人に、本当に健康長寿を全うできる食べ物を取材。老化を止める最強食品のランキングを作成した。
教えてくれたのは
以下、26人の「食と健康のプロ」に「老化を止め、アンチエイジングを促進する食べ物」を挙げてもらい、1位を5点、2位を4点、3位を3点、4位を2点、5位を1点として集計。5点以上を獲得した食品を掲載した。 磯村優貴恵さん(管理栄養士) 一石英一郎さん(医師/「日本人の遺伝子」著者) 岡田恒良さん(医師/「常識が変わる 200歳長寿! 若返り食生活法」監修) 小川徹さん(医師/「ハーバード現役研究員の皮膚科医が書いた 見た目が10歳若くなる本」著者) 大友通明さん(医師/「骨と筋肉が若返る食べ方」著者) 勝田小百合さん(カイロプラクター/「極上のアンチエイジングレシピ」著者) 金丸絵里加さん(管理栄養士) 河村優子さん(アンチエイジング専門医/渋谷セントラルクリニック院長) 菊池真由子さん(管理栄養士) 黒田愛美さん(医師/アスリート) 柴亜伊子さん(医師/あいこ皮フ科クリニック院長)伊達友美さん(管理栄養士/ダイエットカウンセラー) 田中優子さん(医師/「女医が教える老化を止める美肌術」著者) 中沢るみさん(管理栄養士) 中島茂さん(医師/中島内科クリニック院長) 永山久夫さん(食文化史研究家) 中山栄基さん(ミネラル研究家) 南雲吉則さん(医師/ナグモクリニック院長) 浜本千恵さん(管理栄養士) 廣田孝子さん(管理栄養士/「若く見られる人はほんとに若い! 老化を防ぐ食事法」著者) 藤岡智子さん(栄養士/フードライター) 牧田善二さん(医師/AGE牧田クリニック院長) 松生恒夫さん(医師/松生クリニック院長) 望月理恵子さん(管理栄養士) 堀江昭佳さん(漢方薬剤師) 渡辺信幸さん(医師/こくらクリニック院長)
老化が止まる食べ物ランキング【1位~4位】
1位 納豆
「豊富に含まれるポリアミンは免疫細胞を若返らせ、病気に強く若々しい体を作ってくれる。人の体にポリアミンを吸収させられる食べ物は納豆だけだといわれています」(菊池さん)
2位 ヨーグルト
「骨や血液を作ってくれるカルシウムを効率よく補給できる。牛乳など、ほかの乳製品に比べお腹に負担をかけず、下痢などを起こしづらいのも推奨したい理由の1つ」(望月さん)。
3位 卵
「卵に含まれているコリンという成分は脳を活性化させ、認知症を防いでくれます。糖質が含まれていないため糖尿病の心配もない。1日3個くらい食べたい」(渡辺さん)。
4位 えごま油
「オメガ3と呼ばれる良質な成分が多く、体の中の炎症や血流の停滞を改善してくれる」(南雲さん)
4位 ナッツ類
「アンチエイジングに欠かせない成分であるビタミンEや食物繊維、オレイン酸が豊富。しかも糖質がほとんどなく、血糖値が上がる心配もないため、小腹がすいたときにもってこいの食材です」(黒田さん)
腸内環境を整える発酵食品が上位にランクイン
納豆、ヨーグルトと、腸内環境を整える発酵食品がワンツーフィニッシュを決めた。同じく発酵食品であるみそもランクインを果たしている。管理栄養士の中沢るみさんが解説する。
「発酵食品を摂取し、腸内の環境を悪玉菌より善玉菌の多い“腸内フローラ”の状態にすることで免疫機能が向上し、病気を寄せつけない若々しい体になります。
さらに、脳と腸は密接に関係していて、腸内環境が整うと心も前向きになれるといわれている。実際、腸内環境がいいお年寄りほど心身ともに元気だという研究結果もあります」
あいこ皮フ科クリニック院長の柴亜伊子さんも声をそろえる。
「日本古来の発酵食品は、やはり日本人の体質に合っているのでしょう。80才で3度目となるエベレスト登頂に成功し、86才になった今年も南米最高峰のアコンカグア登頂にチャレンジした三浦雄一郎さんも、とても腸内環境がいいそうです」
三浦さんは過去のインタビューで健康の秘訣の1つに「納豆」を挙げている。今回のランキングでも1位を獲得した納豆だが、管理栄養士の菊池真由子さんによれば最強のアンチエイジング成分が含まれているという。
→「酢納豆」を食す三浦雄一郎氏 84才で身体測定は20代の数値
「納豆に含まれるポリアミンには、免疫細胞を若返らせる作用に加え、動脈硬化を予防する働きも期待できる。2008年に行われたマウスの実験では、ポリアミンを多く摂取したマウスの方が、そうでないマウスよりも毛並みのつやがよく、生存率も高いという結果が出ています」
納豆が苦手な場合は、豆腐やみそなどの大豆製品を積極的に食べるようにしたい。大豆が含む食物繊維が腸内環境を整えてくれるだけでなく、女性ホルモンのエストロゲンと似た働きをするイソフラボンもアンチエイジングに必要な成分を含んでいる。
内科医で遺伝子研究の第一人者である一石英一郎さんは、中でも豆腐を推す。
「豆腐に含まれる大豆イソフラボンは、女性が美肌など女性らしさを保つための強い味方になってくれる。そのうえ、人間の体の60%は水でできているため、大豆の水溶性成分を水で固めて作った豆腐は、ほかの大豆製品よりも圧倒的に吸収率がいいのです」