50代のスマホ利用時間は10年前の4倍に!「不眠症」「スマホ認知症」を招く恐れも…あなたの依存度をチェック!スマホ抜けの方法も
外出先で、「スマホを忘れた!」と気づいたとき、あなたは家に戻りますか?「どこにいようが戻る」「ないと不安」というあなた、“スマホ依存”になっている可能性大!依存しすぎると、脳が疲れやすくなったり、姿勢が崩れて体中に痛みが生じたり、肩こり、首こり、果ては失明…なんてことも。スマホ依存症から抜け出す方法を専門家に聞いた。
教えてくれた人
奧村歩さん/脳神経外科医・おくむらメモリークリニック理事長。認知症やうつ病に関する診察を専門とする。『スマホ脳の処方箋』(あさ出版)、『脳のゴミを洗い流す「熟睡習慣」』(すばる舎)など著書多数。
スマホ依存”による「身体表現性障害」
「あるときから、なんとなく体がだるくなり、頭痛が頻繁に起きるようになりました。そのうち、腕や足の関節、舌まで痛くなってきたので、これはおかしいと思い病院へ。しかし診断は異常なし。処方してもらった鎮痛剤を服用しても、痛みは改善しません。鍼灸や整体院にも通ったのですが、効果はありませんでした」
と語ったのは、東京都在住の55才会社員・美穂さん(仮名)だ。
6か月間、整形外科などを転々としたものの、診断はストレスや疲労。つまりは原因不明。最後に脳神経外科医である奧村歩さんのクリニックを訪れ、ようやく“スマホ依存”による「身体表現性障害」と診断された。
50代の利用時間が急激に長くなっている
「スマホ依存」とは何か――「スマホに頼りっぱなしになり、スマホがなければ生活ができない状態のことを指します」(奥村さん・以下同)
2022年に行われた総務省の調査(※)によると、スマホを含むモバイル機器によるインターネット平均利用時間(平日)は、10~60代の全世代で113.3分。利用時間は年々増加している。割合的な増加率の上昇が著しいのは50代で、2012年には約18分だった利用時間が2022年には70分と4倍近くの長さになっている。これらの統計をみても、スマホ依存になる人は今後も増加し続けるのではないかと予想されている。
しかも、知らないうちにスマホ依存に陥っている人は少なくないという。そこでまずは、下のチェックリストで自分の状態を知っておこう。チェックした項目数が3つ以下でも、スマホに頼りきった生活を送っているという自覚がある人は、スマホ依存の予備軍といえる。
(※)総務省情報通信政策研究所「令和4年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」より