50代のスマホ利用時間は10年前の4倍に!「不眠症」「スマホ認知症」を招く恐れも…あなたの依存度をチェック!スマホ抜けの方法も
※チェックした項目の合計数が4つ以上だった場合は、スマホ依存の疑いあり!
□ 無意識にスマホを触る時間が明らかに増えた
□ 家でも仕事中でもすぐにスマホを手に取れる状態にしている
□「あの俳優さんの名前はなんだっけ?」など、 疑問が浮かんだときは、すぐにスマホで検索してしまう
□ 仕事でよい文章が浮かばないときなど、 スマホで検索したサイトの例文を参考にしてしまう
□ 昼夜を問わずスマホでメールやLINEをチェックしては返信している
□ スマホを操作している時間が1日平均2時間を超える
□ 電車に乗っているとき、仕事の休憩時間、家事の合間など、少しでも時間が空くとスマホを触ってしまう
□「覚えておこう!」 と思ったものは、スマホで写真やスクリーンショットを撮る
□ 家にスマホを置き忘れると不安で仕方がない
□ 目的もないのに無意識にスマホを使い、メールやサイトをチェックしてしまう
□ 毎晩、寝る直前までスマホを操作している
□ 調べ物はほぼスマホでインターネット検索する
□ 飲食店を選ぶとき、自分の直感や知り合いの紹介よりもインターネットの評判を重視する
□ スマホの着信音やバイブレーションの「空耳」が聞こえるときがある
スマホは気づかないうちに脳過労を悪化させている
スマホ依存になると、体にどう影響するのだろうか。
「スマホの長時間利用が習慣化すると、情報のインプットが多くなりすぎて、脳が過労状態になり、情報処理機能が低下してしまいます」
脳過労の大きな原因は情報過多や人間関係などのストレス。そのため、仕事や家事から解放されるひとときは、脳過労の改善にとても有効だ。自然の中に身をおき、一息つく。そういうぼんやりとした状態をつくることで、脳はリフレッシュされ、疲れが癒されるのだが、最近は多くの人が脳を休めるべきときこそ、スマホでネットサーフィンをしたり、SNSや動画鑑賞にふけってしまう。これが負のスパイラルを生むという。
「リラックスしてスマホを操作しているつもりでも、脳には多大な負担がかかっています。スマホを長時間利用し続けると、精神を安定させる脳内物質のセロトニンが枯渇して脳過労を悪化させます。すると、気分が落ち込んだり、動悸・息切れ、頭痛やめまい、手足のしびれ、腰痛などさまざまな不調を引き起こします」
脳は危険から身を守るために、痛みを感じるように設計されているが、過剰な痛みに関しては抑制をかける働きがある。ところが、脳過労の状態では痛みに対する脳の抑制機能が低下し、頭痛や腰痛だけでなく、舌痛(ぜっつう)から肛門痛まで全身に痛みが走る“スマホ疼痛(とうつう)”が生まれるのだという。
冒頭の美穂さんの症状はまさにこれだ。スマホ依存によって脳が疲弊し、痛みを調整する機能がうまく働かなくなり、体のあちこちに痛みを感じるようになった、というわけだ。
不眠症や30~50代でスマホ認知症も
スマホを使いすぎると、ほかにもさまざまな問題が生じるという。
「たとえば、夜寝る前にスマホを見てしまうと、ディスプレーから発せられるブルーライトが交感神経を刺激して脳を覚醒モードにします。そのため、なかなか寝つけず、不眠症になる人もいます」
さらに、“スマホ認知症”になる可能性もあるという。
「“スマホ認知症”とは、アルツハイマー型認知症などとは違い、正式な病名ではなく、状態を表す呼称です。アルツハイマー型認知症はアミロイドβが脳にたまることで70才ぐらいから発症することが多いのに対して、スマホ認知症はスマホ依存による脳過労が原因で30~50代でも発症するのが特徴です」
スマホ認知症の主な症状は、人や物の名前が出てこない、うっかりミスが増えたなど、日常生活に支障が出るものが多い。ただし、スマホの使い方を見直せば改善できるという。
「最近の研究では、ぼんやりと考えることが人間の脳にとって大変重要な役割を担っていることがわかってきました。ボーッとしているときに、脳は情報の整理や分析、人間の本質にかかわる思考を培ったりしているのです。しかし脳過労でこの機能がフリーズすると、自分を客観視できなくなり、手近な快楽に流されやすくなるのです」
そのため、脳が疲れているときほど、スマホの利用時間が長くなり、さらに疲れるという悪循環を起こしてしまう。
とはいえ、いまの社会でスマホをまったく使わないというのは現実的ではない。だからこそ、脳を健康に保つ習慣を取り入れつつ、上手につきあっていく必要があるのだ。