ボケない脳を作る行動・習慣ランキング 10人の専門家が選んだトップ3「料理、運動、旅行」理由を解説
「最近物忘れが激しくなってきて、このままボケてしまったら…」。そんな不安を感じている人も多いのでは。しかし、脳を刺激する行動を意識することで、脳の老化は防げると医師は語る。そこで、10人の専門家に「脳の老化を防ぐ」生活習慣を挙げてもらった。ランキング形式で紹介していく。
「行動」を意識することで脳の老化は食い止められる
加齢に伴い、脳が老化するのは誰もが避けられない道と思っている人は多いだろう。しかし、おくむらメモリークリニック院長の奥村歩さんは「諦めるのはまだ早い」と断言する。
「脳の老化とは、脳内の神経細胞同士のつながりが悪くなり、働きが鈍くなった状態のことを指します。逆に言えば脳を刺激するような行動を意識し、活性化させるような成分を摂ることで老化を食い止められますし、むしろ若返らせることだって可能です」(奥村さん)
そのためにはどう行動すべきか──。専門家に徹底取材し、「究極の習慣」のランキングを作成した。
→10名の専門家が選ぶ「脳の老化を防ぐ食品」ランキング発表!「トップ3は青魚、鮭、緑茶」理由を解説
脳の老化を防ぐ究極の習慣(10位~1位)
以下10名の「食と健康の専門家」におすすめの食品と習慣を挙げてもらい、1位を10点、2位を9点、3位を8点、4位を7点、5位を6点として集計。10点以上を獲得した回答を掲載した。
専門家のみなさん
内野勝行さん(脳神経内科医/金町駅前脳神経内科院長)、大塚亮さん(循環器専門医/おおつか医院院長)、大西睦子さん(内科医)、奥村歩さん(認知症専門医・指導医/おくむらメモリークリニック院長)、加藤俊徳さん(脳内科医/加藤プラチナクリニック院長)、熊谷修さん(学術博士)、佐々木欧さん(内科医/秋葉原駅クリニック)、望月理恵子さん(管理栄養士/健康検定協会理事長)、山本佳奈さん(内科医)、和田秀樹さん(精神科医)
《順位(点数)/習慣/効果》
10位(10点):食事をしっかりとる
「加齢で食が細くなると、栄養不足によって脳を含む全身の老化が加速。食事を抜くダイエットはもってのほか」(和田さん)
10位(10点):熟睡習慣
「睡眠は質も大切。寝ている間に脳の老廃物が除去され、記憶が整理されるとともに、嫌な記憶も消してくれる」(奥村さん)
10位(10点):禁煙する
「ニコチンには強力な血管収縮作用があるため脳に血流障害が生じ、脳細胞が早く死滅して認知症が進行する」(望月さん)
10位(10点):よく噛んで食べる
「ものを噛むことによって脳が刺激され、活性化すると言われている。噛み応えのある食品をいつまでも食べられるように歯の手入れも大切」(山本さん)
10位(10点):間食する
「3時間おきに少量の果物やナッツなどを食べることで、食事における血糖値の急上昇を抑えられ、脳細胞への悪影響を減らせる」(大西さん)
10位(10点):おしゃれをする
「おしゃれは気持ちも若返らせ、脳の健康に役立つ。気持ちが若いと認知機能や幸福感が高まり、うつを予防するという研究がある」(佐々木さん)
10位(10点):運動しながら頭を使う
「歌を歌いながらウオーキングをするなど、頭と体を同時に動かすことで神経伝達物質の分泌が活性化され、脳が若返る」(大塚さん)
9位(13点):レジャーを楽しむ
「美術鑑賞やハイキングなど何でもよい。日常とは違う知的刺激が脳を活性化させる」(熊谷さん)、「遊びと日常の切り替えをしっかりすることでストレスが減り、脳の萎縮予防につながる」(山本さん)
8位(14点):趣味を持つ
「65才以上を対象とした研究によると、趣味に取り組む時間が長い人は認知症の罹患リスクが低い」(望月さん)、「好きな趣味に打ち込むことで前頭葉が活性化し、老化予防に」(和田さん)
6位(16点):スマホを遠ざける
「スマートフォンを日常使いしていると無意識に情報をたくさん仕入れることになり、脳が疲弊することに」(奥村さん)、「便利な半面、記憶力や思考力を必要としない時間が長くなり脳機能が低下する」(加藤さん)
6位(16点):食事の多様性を意識する
「1日に10種類の食品群を必ず食べることを目指し、実践することが脳の機能をフル活用することにつながる。栄養バランスも自然と整う」(熊谷さん)、「果物や野菜を多く取り入れ、赤身肉などを減らすなどバランスのいい食生活は栄養面から見ても脳にいい」(大西さん)
4位(17点):7時間以上の睡眠
「睡眠時間が短いと、アルツハイマー病をはじめとした認知症の発症率が高まることがわかっている」(大塚さん)、「脳は『深睡眠』という深い眠りのときに、たまった老廃物を排出して記憶を定着させる。まとまった時間眠るのは必須」(加藤さん)
4位(17点):会話をする
「内容やレスポンス、相手の表情から気持ちを読み取るなど脳のさまざまな機能を必要とするので活性化にとてもいい」(和田さん)、「本能として人は会話相手に好かれようとする傾向があり、それが脳の刺激になって認知症予防に効果的。特に異性と話すのがおすすめ」(内野さん)