むせる、飲み込みづらいは「お口の老化」サイン!命に関わる誤嚥性肺炎を防ぐ5つの簡単エクササイズ【専門医解説】
50才を過ぎてから、むせやすくなったり食べ物を飲み込みづらくなったりと、心当たりはありませんか?それは「お口」の老化サインかもしれません。「お口」は外見の老化よりもわかりにくく、生活に支障はないと放置しがちですが、そのままにしておくと誤嚥性肺炎を引き起こし、命に関わることもあります。そこで、100才まで元気で過ごすための「お口」の鍛え方を徹底解説します!
教えてくれた人
藤谷順子さん/医学博士、国立国際医療センター リハビリテーション科医長。『ムセはじめたら、「1分のどトレ」』(世界文化社)、『「嚥下調整食学会分類2013」の新コード分類に対応 決定版 かむ・飲み込むが難しい人のごはん』(講談社)など、著書や監修本多数。
飲み込む力の低下は全身に悪影響を与える
「普段何気なくやっている『飲み込み』は、のどをはじめ、たくさんの口まわりの筋肉が連動するとても高度な能力で、加齢とともに確実に機能が衰えていきます」
とは、国立国際医療センターの医師、藤谷順子さん(「」内以下同)だ。
食べ物を口の中に入れてかみ、飲み込む準備をすることを「咀嚼(そしゃく)」、食べ物や唾液を気管に入らないように食道に入れ、飲み込む一連の動作を「嚥下(えんげ)」という。加齢で、のどやその周辺の筋力が落ちるなどして、咀嚼と嚥下の機能が低下すると、全身へ悪影響が出るという。
「たとえば、食べるのに時間がかかり、食べる量が減ります。それを防ぐために食べやすく、やわらかく調理しようとすると水分が多めになり、同量を摂取してもカロリーが少なくなります。その結果、活動に必要なエネルギーが摂取できなくなって低栄養状態に陥りやすくなります。
ほかにも、飲み込みにくくなると、水分をあまり摂らなくなり、脱水状態を起こしやすくなったり、食べ物が食道にうまく入らず、気道(空気の通り道)をふさいで窒息したりすることもあります」
50代以上はのど周りの筋肉低下で誤嚥が起こりやすくなる
咀嚼と嚥下機能の低下により発症リスクが上がる病気もある。「誤嚥(ごえん)性肺炎」だ。食べ物や唾液などがうまく飲み込めずに食道ではなく気管に入り、それを咳でうまく排出できずにいると、肺に細菌が入って肺炎を引き起こす。
「若い頃なら、気管に食べ物が入っても、何回かむせれば吐き出せますが、50代以上はのどやその周辺の筋力が衰えるため、むせても吐き出す力が弱く、誤嚥が起こりやすくなります。しかも、誤嚥性肺炎の症状は風邪のようでわかりづらいので、対策が遅れがちです。誤嚥は、口やのどの機能を高めておくことが最も直接的な予防策となります」
誤嚥のメカニズムを徹底解説
本来なら咽頭→食道→胃と運ばれていく食べ物が、加齢などでのどやその周辺の筋力が弱まると、喉頭で気管に食べ物が入るのを防げず、最終的に誤嚥性肺炎を起こす。誤嚥性肺炎は2024年の日本人の死因6位(厚生労働省調べ)であり、その数は年々増加傾向にある。
あなたの「のど力」は大丈夫?「舌」や「のど」の変化が分かるチェックリスト
1つでも当てはまる人は要注意。当てはまる数が多いほど、あなたの「のど力」は衰えている。
□ 硬いものが食べにくくなった。
□ 食べる速度が遅くなった。
□ 飲み込みにくくなった。
□ むせやすくなった。
□ 薬がのみ込みにくくなった。
□ 口の中が渇きやすくなった。
