猫が母になつきません 第477話「たちいち」
台所で猫たちの食事の準備をしているとき、2匹は鳴きながら私の脚にまとわりついて早く早くと催促します。食べる場所は決まっていて、そこに移動しておすわりをして静かになったら器を床に置くきまり。その時に必ずぐれは右、隊長は左。にゃーにゃー大きな声で鳴きながら移動して途中でもつれあって左右が入れ替わっても最終的に座る位置は絶対に変わりません。漫才などでいうところの「立ち位置」というやつでしょうか。今までの写真を見返しても、野良猫時代からこの立ち位置はずっと同じでした。なんとなくそのほうが落ち着くという気分はわからなくもありませんが、ここまで同じだとさすがに不思議に思えます。
「立場」という意味での立ち位置でいうと、最初は隊長がぐれを守っているという感じでした。体も隊長の方が大きかったしごはんもよく食べた。しかし家猫になってからぐれのほうがどんどん大きくなり、どんどん甘えん坊になり、今や先住猫のさびよりも家猫生活を謳歌している。ぐれは己の欲望に忠実で、撫ででほしければ、どんっと体を私の前に投げ出してくる。食べたければ台所をあさりにいく。小さくて弱々しかったぐれはもういません。隊長は神経質で用心深いので甘えるときも遠慮がち…(あー隊長側ですー、私)甘えたいけど、ぐれがいるし…そんな隊長の気持ちがわかりすぎるくらいわかるので「おまえも甘えていいんだよぉ」と隊長を引き寄せておもいっきり撫でてやる。
母猫が去ってしまい、ぐれを守るという責任を背負っている感じだった隊長、今はその荷をおろしてのんびりできているのかな。ぐれはもう放っておいてもぜんっぜん大丈夫そうだよ。離れ離れになったときのことを考えると、たくましいと思っていた隊長のことのほうが今は心配です。
作者プロフィール
nurarin(ぬらりん)/東京でデザイナーとして働いたのち、母と暮らすため地元に帰る。ゴミ屋敷を片付け、野良の母猫に託された猫二匹(わび♀、さび♀)も一緒に暮らしていたが、帰って12年目に母が亡くなる。猫も今はさびだけ。実家を売却後60年近く前に建てられた海が見える平屋に引越し、草ボーボーの庭を楽園に変えようと奮闘中(←賃貸なので制限あり)。
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