冬の室内で火災を招く「トラッキング現象」に要注意!ホコリを寄せ付けない拭き掃除の裏技を家事アドバイザーが伝授
乾燥する冬場は静電気によってホコリが溜まりやすく、そこに湿気が加わることで、思わぬ火災につながる危険性も。ちょっとした工夫で、そのリスクは大きく軽減できるという。シニア世代でも無理なく続けられる掃除の裏ワザや「安全で快適な住環境」を守るポイントを、家事アドバイザーの矢野きくのさんに教えてもらった。
この記事を執筆した専門家
節約・家事アドバイザー・矢野きくのさん
家事の効率化、家庭の省エネを中心にテレビ・講演・連載などで活動。NHK『ごごナマ』準レギュラー他テレビ出演多数。新聞での連載のほか自動車メーカー、家電メーカーなどの企業サイトでコラムの執筆経験も。近年は中高年層の家事アドバイスや家庭でできるSDGsについての講演、SNSでの情報発信でも活動している。著書『シンプルライフの節約リスト』、『「節電女子」の野菜レシピ!』など。https://yanokikuno.jp/
冬場の室内は乾燥して静電気が発生しやすい
冬本番を迎え、室内では暖房器具が欠かせない時期となりました。しかし、この季節に避けて通れないのが「乾燥」と「静電気」の悩みです。
実は、冬の乾燥した部屋に溜まる「ホコリ」は、ただ不衛生なだけでなく、時に「火災」を引き起こす凶器になるrことをご存じでしょうか。
今回は、シニア世代の皆様にぜひ知っておいていただきたい、「安全で快適な住環境を作るための家事の裏ワザをご紹介します。
火災の原因「トラッキング現象」とは?
冬の火災原因のひとつに、「トラッキング現象」というものがあります。これは、コンセントとプラグの隙間に長期間にホコリが溜まり、そこに結露や湿気などの水分が加わることで火花が発生し、発火する現象です。
特に乾燥する冬場は、静電気によってホコリが家電の裏側やコンセント周辺に吸い寄せられやすくなっています。家具の裏側など、普段目に付かない場所にあるコンセントほど危険です。
「うちは掃除をしているから大丈夫」と思っていても、静電気は目に見えない力でホコリを呼び寄せ、固着させてしまいます。乾燥しすぎた部屋は、静電気の発生を助長し、このリスクをさらに高めてしまうのです」
まずは室内の乾燥対策から
冬の湿度は、40%から60%程度に保つのが理想とされています。湿度が40%を下回ると、静電気が発生しやすくなるだけでなく、ウイルスの飛散が活発になり、喉や肌のバリア機能も低下するともいわれています。
一方で、特に注意したいのが、石油ストーブやガスファンヒーターの使用による過度な乾燥と、その裏側で起きる「結露」です。
部屋の中央は乾燥していても、窓際や家具の裏側は冷え込み、結露が発生しやすくなります。つまり極端な「乾燥」と「湿気」が重なることで、前述したトラッキング現象の引き金となるのです。
まず乾燥を防ぐには、加湿器などで適度な湿度を保ち、さらに温湿度計を目の付く場所に置き、室内の状態を可視化することから始めましょう。加湿器がない場合は、濡れたタオルを一枚干しておくだけでも効果があります。
そして、結露していたら水分をこまめに拭き取るなど、部屋の湿気を溜めない工夫も必要です。
ホコリを寄せ付けない「拭き掃除の裏ワザ」
次に、ホコリを寄せ付けない対策として、『拭き掃除の裏ワザ』についてご紹介します。
家電製品、棚の上など、拭いても拭いてもすぐにホコリが積もってしまう場所に困っていませんか?それは、拭き掃除の際の摩擦で発生した静電気が、周囲のホコリを吸い寄せているからです。
これを防ぐために用意するのが、柔軟剤です(ヘアリンスでも代用できます)。
静電気防止に【柔軟剤入りの水で拭き掃除】簡単3ステップ
【1】薄め液を作る: バケツ一杯の水に柔軟剤を数滴混ぜる(水200mlに対して小さじ半分程度が目安。
【2】雑巾で拭く: 薄め液に浸して固く絞った雑巾で、棚や家電の表面を拭き上げます。
【3】から拭き: その後、乾いた布で軽く仕上げ拭きをすれば完了です。
薄め液はスプレーボトルを活用すれば、シュッとスプレーして、から拭きするだけと手軽です。
柔軟剤やリンスには、静電気を防ぐ効果があります。この成分が家具の表面をコーティングし、静電気の発生を抑えてくれるため、ホコリが吸い寄せられなくなるのです。
一回の掃除で、効果は1~2週間持続します。これだけで、毎日の「ちょこちょこ掃除」の回数を劇的に減らすことができます。
シニア世代におすすめ「3つの安全点検」を習慣に
冬場の室内の環境を適切に保ち、火災を防ぐには、ちょっとした安全点検を日常生活の中で取り入れるのがおすすめです。とくにシニア世代にとっては、大がかりな掃除や整理は負担がかかるもの。無理せず4安全で快適な環境を整えたいものです。
点検1:コンセント周りは「乾拭き」
まずはコンセント周りのホコリを乾いた軍手や布でさっと取り除きます。これだけでトラッキング現象は防げます。
点検2:「ついで」の加湿
お湯を沸かした際、蓋を少しずらして蒸気を出す、あるいは入浴後に浴室のドアを開けておく。これだけで家全体の乾燥が和らぎます。
点検3:足元の安全を確保
掃除をする際は、コードが足に引っかからないよう整理することも忘れないでください。コードを束ねすぎると熱を持つ原因になるため、ゆとりを持って配置するのがコツです。
少ない労力で長く効果が続く「掃除」で賢く手抜きを
冬の家事は、寒さや乾燥で想像以上に体力を消耗します。今回ご紹介した、柔軟剤を活用した拭き掃除など、「少ない労力で長く効果が続く」方法を取り入れて、賢く手を抜いてください。
ホコリを溜めない環境を作ることは、家をキレイにするだけでなく、火災から大切な命と財産を守ることに直結します。今日から、棚の一箇所だけでも構いません。柔軟剤入りの水で、ひと拭きしてみませんか。心地よい香りと共に、安心で健やかな冬を過ごしましょう。
