「乳がんは40代後半、70代前半がピーク」他人事ではない!知っておくべき治療法の最新事情を専門家が解説
乳がんと一口にいっても、大きく5種類に分けられており、それぞれ治療法が異なるという。
「主な治療法は、外科的治療(手術)、放射線治療、薬物療法(抗がん剤、ホルモン療法薬、分子標的薬)です。乳がんの種類によって、この中から治療法を組み合わせていきます。がんの状態によっては、手術の前に薬物療法を行うこともありますが、基本は外科手術によってがんを取ることから始まります。そして病理診断によって、術後の治療計画を検討します。
治療法ごとに副作用も違いますから、生活への影響、病院への通院方法、医療費などを考慮し、各治療のメリットやデメリットを挙げ、医師と患者さんで相談しながら、治療の方向性を決めます。乳がんは種類も病状も人それぞれなので、オーダーメードで進められるのです」(坂東裕子さん・以下同)
■乳がん治療の流れ
日本乳癌学会編『患者さんのための乳がん診療ガイドライン2023年版』(金原出版)を参考に編集部で作成。
これらは基本的に、標準治療で行われる。標準治療とは、専門家が世界中の研究成果を集めて検討し、有効性と安全性を確認。現時点で最善の治療法とされるものだ。中には、最先端の治療を受けたいという人もいるが、最先端の治療に効果があるとは限らない。しかし標準治療は効果が立証されている最善の治療だ。その違いを覚えておいた方が、治療方針を決める際にも役立つだろう。
そんな標準治療の中でも、最近注目されているのが、「オンコタイプDX」だ。
「これは遺伝子検査の一種で、再発の可能性と化学療法の効果を調べられます。この検査を行えば、不要な抗がん剤を使わなくて済みますし、ポイントを絞った治療が可能になります」
9月1日から保険適用となって、より使いやすくなったので覚えておきたい。10月は乳がんの早期発見を促す啓発月間。この機会にぜひ、検診に行こう!
取材・文/青木まき子 イラスト/藤井昌子
※女性セブン2023年10月12・19日号
https://josei7.com/
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