食と健康の専門家が答えた!脳卒中・心筋梗塞を防ぐ「究極の習慣」|節酒、禁煙、適度な運動
命にかかわる病気「脳卒中」や「心筋梗塞」。 アメリカの高名な医学者、ウイリアム・オスラーは「人は血管から老いる」という言葉を残しているが、血管の老化は大病を引き起こす事態を招いてしまう恐れも。
これらの病気になりやすい人は「共通点がある」と日本歯科大学客員教授の渡辺尚彦さんは指摘する。
「脳卒中も心筋梗塞も血管が詰まって起きる動脈硬化が原因です。つまり、高血圧や高コレステロールといった血管を狭めたり詰まらせたりする行動がリスクを上げるということ。裏を返せば、動脈硬化を防ぎ、血圧を下げるような食事や生活習慣を心がけることで、脳卒中も心筋梗塞も大きくリスクを下げることができるのです」
そのためには、どんな習慣を身につければいいのか。専門家が出した最強で究極の答えをランキング形式で発表する。
→専門家が10人が選んだ「脳卒中・心筋梗塞を防ぐ食品」ランキング|1位の成分は血栓を溶かす
アンケートに答えてくださった「食と健康の専門家」
以下10名の「食と健康の専門家」におすすめの習慣を挙げてもらい、1位を10点、2位を9点、3位を8点、4位を7点、5位を6点として集計しました。
専門家のみなさん
菊池真由子さん(管理栄養士)、佐々木欧さん(秋葉原駅クリニック・内科医)、佐野こころさん(医学博士)、佐藤留美さん(呼吸器内科医)、谷本哲也さん(ナビタスクリニック川崎・内科医)、徳田安春さん(群星沖縄臨床研修センター・総合診療医)、浜本千恵さん(管理栄養士)、坂東正章さん(坂東ハートクリニック院長)、平柳要さん(医学博士)、渡辺尚彦さん(日本歯科大学内科・客員教授)
→磯野貴理子、爆笑問題の田中裕二も感じた「脳梗塞」「くも膜下出血」の超初期症状
脳卒中・心筋梗塞を防ぐ「究極の習慣」ランキング7位~1位
《順位(点数)/食品/ポイント》
7位(10)毎食腹八分目
「満腹まで食べず、腹八分目を意識することでカロリーオーバーになりづらく、血管病のリスクファクターの1つであるメタボを予防できる」(佐野さん)
7位(10)定期的な健診
「特に心筋梗塞では定期的な健診で心電図の変化や脂質レベルの程度、糖尿病の有無などを確認することで危険因子の評価を受け、自覚症状に不安があれば相談できるかかりつけ医の存在も肝要」(坂東さん)
6位(16)ストレス管理
「長期的なストレスは血圧の上昇を引き起こし、心臓病のリスクを高める可能性が」(谷本さん)、「笑いの頻度が高いほど心血管疾患の発生率が低いことが明らかになっている」(平柳さん)
5位(22)減塩
「血液中のナトリウムが増えると血圧が高くなり、血管がもろくなる。1日6gを目安に」(浜本さん)、「しょうゆをスプレータイプのものに変えるなど、少しの行動で減塩は可能」(渡辺さん)
4位(32)お酒を控える
「最新の研究ではアルコールをまったく飲まない人の心血管疾患のリスクが最も低かった。禁酒は大変効果的と考えられます」(佐々木さん)、「実際に高血圧患者に酒量を80%減らしてもらったところ、1~2週間のうちに大幅に数値が下がった」(渡辺さん)
3位(40)充分な睡眠
「睡眠不足は肥満の原因。肥満は動脈硬化や高血圧を引き起こすとされている」(菊池さん)、「1日の睡眠時間が5~6時間未満と短い人は、虚血性心疾患や脳卒中のリスクがそれぞれ1.48倍、1.15倍になるとの報告が」(佐々木さん)、「いびきがひどかったり日中に眠気が強かったりする人は要注意」(平柳さん)
2位(43)禁煙
「年を重ねてからでも禁煙は血管病を防ぐための方法として有用」(徳田さん)、「たばこが含有するさまざまな有害物質が血管を傷つけ、動脈硬化を促進する」(浜本さん)、「虚血性心疾患を治療中の患者が、禁煙によって発作の頻度が4.5%低下したという」(佐々木さん)
1位(70)定期的な運動
「定期的な運動は心臓や足腰を強くし、血流を改善する」(谷本さん)、「極端な運動は逆効果。ウオーキングなどの軽い運動を1日30分ほど実践するのがいい」(浜本さん)、「長く続けるためには体に負担をかけない運動を選ぶこともポイント。水泳などの有酸素運動は特に効果的」(佐藤さん)
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