糖尿病の予防に!血糖値を抑える朝昼晩のメニュー&調理のコツを日本糖尿病療養指導士が指南
食べすぎ、飲みすぎ、精神的なストレスや運動不足など生活習慣の悪化によって発症する糖尿病。糖尿病を予防するうえで、食事はどんな点に気をつければいいのか?控えた方がいい食品や摂るべき食品、さらに糖質カットにつながる上手な調理法を日本糖尿病療養指導士の加藤知子さんに聞いた。
糖尿病を予防する食べ方や調理法を専門家が指南!
「食後の血糖値をもっとも上げるのが糖質です。血糖値をコントロールするには、糖質の摂取の仕方と量をコントロールすることが大切です」
とは、日本糖尿病療養指導士の加藤知子さん(「」内・以下同)だ。
「食べすぎを防ぐいちばん簡単な調理法は、食材を大きめに切ること。自然とかむ回数が増えて食べ応えが増し、早食いや食べすぎを防げます」
食べることでストレスを解消していた人が食事制限をすると、よりストレスが溜まって悪循環。そうならないよう、がまんしすぎないことも大切。そういう意味でも、揚げ物をがまんする必要はないという。
「揚げ物は小麦粉や片栗粉を使うので、糖質やカロリーが高くなりがち。基本的に、素揚げ→から揚げ→天ぷら→フライの順に高カロリーになるので、野菜なら素揚げにしましょう。衣が厚いほど油を吸うので、衣は薄くを心がけて」
上記の献立例を参考に上手に糖質カットしていこう。
血糖値を抑える1日の理想的なメニュー
食物繊維の豊富な野菜やきのこ類を必ず食事の最初に取り入れ、主食はGI値(※)の低い雑穀米やそばがおすすめ。以下で総カロリーは約1500kcal。試してみて!
(※)GI値‥‥ブドウ糖を摂取した際の血糖値の上昇を100とし、それに対して食品を食べたときの血糖値の上昇がどの程度かを測定した値。 GI値が低い食品は血糖値が上昇しにくい。
<朝食>朝は野菜とたんぱく質をたっぷり!
・オープンサンド
ライ麦食パン1枚を焼く。ハム2枚と卵1個を焼いて、ハムエッグを作ったら、トーストにのせる。
・温野菜のサラダ
千切りキャベツ60g、薄切りのかぼちゃと石づきを取ってほぐしたしめじ各30gを耐熱容器に並べ、ラップをかけて電子レンジで1分半~2分加熱。器に盛り、トマト1/4個を添え、ポン酢をかける。
・コーヒー(無糖)&果物(グレープフルーツ)
グレープフルーツは1食分1/3個が目安。
<昼食>外食ならGI値の低いそばに野菜をそえて
・月見そば
めんつゆ(3倍濃縮)45mlと水1カップを火にかけ、煮立ったらしめじ30gを入れる。別の鍋でそば1玉をゆでて器に盛り、めんつゆを注いだら、すりおろした長いも50g、しめじとゆでたほうれん草各30g、小口切りにした長ねぎ5g、卵黄1個をのせる。
・蒸しなすのからしみそがけ
耐熱容器にみそ、すり白ごま、砂糖、酢を各小さじ1、ねりがらし少々を入れ、ラップをかけて電子レンジで30秒加熱し、たれを作る。なす1本はへたを取って縦半分に切り、耐熱容器に並べて酒を振る。ラップをかけ、電子レンジで2~3分加熱。なすを縦にさいてたれをかける。
<夕食>ギョーザは野菜の餡でかさ増しを
・豆腐サラダ
木綿豆腐100g、炒ったちりめんじゃこ10g、斜め薄切りのきゅうり10g、3~4cmに切った水菜10g、適当に切ったレタス10gを皿に盛り、ポン酢をかける。
・めかぶとトマトの和え物
めかぶ50g、4つ切りにしたミニトマト2個をポン酢小さじ1で和える。
・ギョーザ
ゆでて水けを切ったキャベツ40g、豚ひき肉40g、みじん切りのにら10g、酒小さじ1/2、しょうゆ少々を混ぜ、ギョーザの皮に包んで焼く。
・雑穀ご飯
100gを目安とする。
※材料は1人分。電子レンジは500Wを使用した場合。
参考文献/安成英輔監修『ずっと役立つおいしい糖尿病レシピ』(主婦の友社)。
教えてくれた人
加藤知子さん/日本糖尿病療養指導士。看護師。管理栄養士。食サポートオフィス代表。『関西電力病院のおいしい糖尿病レシピ』(主婦の友社)など、レシピ監修本も多数。
取材・文/鳥居優美 イラスト/さややん。
※女性セブン2023年5月25日号
https://josei7.com/
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