「あぁ、ひとりでよかった」と楽しく生きるために必要な「お金」「住まい」「メンタル」を整える方法
完全なひとり暮らしに孤独を感じるならば、自分がストレスを感じない範囲で集団生活を送るのもいい。田中さんが知る80代半ばの女性は若い頃に離婚してからずっとひとりで暮らし、いまは高齢者専用のマンションで老後を過ごしているという。
「若い頃から自分のやりたいことを続け、マイペースで生きてきた人が集まるマンションだと聞きます。建物のなかに共同浴場があり、そこでのコミュニケーションが楽しいと彼女は話していました。同世代の仲間に囲まれて、80代半ばでも生き生きと過ごしています」(田中さん)
おひとりさまに備えて知っておくべきサービス
おひとりさまに備えて知っておくべきサービス
■ホームヘルプサービス
ホームヘルパーが家に訪問し、食事の準備などをしてくれるサービス。ひとり暮らしであれば、介護度が低くても利用することができる。
■高齢者向け緊急通報システム
急激な体調の変化や転倒、火事などの緊急時にボタンを押すと通報できる。各自治体のほとんどで導入されているが、家族と同居の場合は利用することができない。
■火災安全器具の給付
ひとり暮らしの場合、特に不安の大きい火災への対策のために自動消火装置やガス警報器などの安全器具を無償または微額の負担でサービスを受けることができる。
終の棲家の選択肢は「自宅か施設」
終の住処の選択肢は大きく分けて自宅と施設になる。
「特に高齢者は環境の変化が心身に大きく影響するので、元気なうちは住み慣れた自宅で過ごしたいと望む人が圧倒的多数。懇意にしているかかりつけ医がいるなら、余計に離れない方がいいですね。自宅で過ごす場合は将来の介護に備えて、介護保険や民間の介護サービスでどんなケアが受けられるかについて調べておくことも必要です。健康面や家庭の事情で施設を選ぶ場合は必ず見学を。
その際におすすめの質問は『人づきあいで不安があるけれど大丈夫でしょうか』というもの。『うちはトラブルがありません』と断言する施設は信用できません。相手が正直に『トラブルはあります』と答えたら、『どう解決していますか』と重ねて尋ね、その施設のトラブル処理能力を測りましょう」(太田さん)
教えてくれた人
岡野あつこさん/離婚カウンセラー、太田差惠子さん/介護・暮らしジャーナリスト、太田垣章子さん/OAG司法書士法人代表、田中聡さん/終の住処コンサルタント
文/池田道大 取材/小山内麗香、桜田容子、田村菜津季、戸田梨恵、辻本幸路、平田淳、三好洋輝 写真/pixta
※女性セブン2023年5月11・18日号
https://josei7.com/
●女優・南果歩さん、吉行和子さんが語る「おひとりさま生活」を楽しむ秘訣と心の持ち方