歯科医師・石井さとこさんの口内環境にいい朝食「卵、ロイテリ菌入りヨーグルト」
忙しく働く女性医師たちは、どのようにして自身の健康や美肌を維持しているのだろうか。50代、60代になっても体を美しく保つために欠かすことのできない「食事術」について、歯科医師・石井さとこさん、美容皮膚科・山口麻子さん、2人の女性医師にお聞きしました。
歯科医師・石井さとこさん(62才)の食事術
口内環境を整えるのがあらゆる健康の第一歩
還暦を過ぎたとは思えないハリのある肌と白い歯を持つ歯科医師の石井さとこさんは、
「歯と口内を健康に保つことこそ若さの秘訣です」
と言う。そのために大切なのは、よく噛むことだ。
「コロナ禍によるマスク生活の影響もあり、顔の筋肉を動かさなくなった人が増えました。すると、頰の筋肉などが衰えてたるんでしまいます。これを解消するには、たこ、砂ぎも、あたりめ、軟骨、赤身肉、乾燥納豆など、低カロリーで高たんぱく、かつ食感が硬い食材をよく噛んで食べるのがおすすめです」(石井さん・以下同)
よく噛むと、頰の筋肉が鍛えられてたるみが改善されるだけでなく、唾液が出やすくなる。
「唾液に含まれる酵素のリゾチーム、ペルオキシダーゼ、免疫グロブリン、ラクトフェリンなどは、口内に侵入した細菌の繁殖を抑制しますから、虫歯や歯周病を防ぎます」
歯周病菌は体内に入ると糖尿病や動脈硬化を引き起こす原因になるので、口内環境を整えることが、健康維持につながるのだ。
「私はこの10年間、毎朝必ず、口内環境をよくする朝食をいただいてきました。メニューは、良質なたんぱく質の卵、歯の石灰化を予防し、粘膜を保湿してくれるはちみつ、抗酸化作用が高いフルーツ、口内環境をよくするロイテリ菌入りのヨーグルト、食物繊維を含む全粒粉のパン1枚です」
石井さんがたどり着いた最強の朝食。これを食べ続ければ、健康的な毎日が続くはずだ。
医師・山口麻子さん(51才)の食事術
大葉やしょうがなど抗菌効果が高い香味野菜をたっぷり
美容皮膚科医の山口麻子さんの食生活は、朝はヨーグルトとフルーツ、昼はほぼ食べず、きちんと食べるのは夜のみと、控えめだ。というのも、夜に会食があると、食べすぎてしまうため。会食がない日は、自宅で作り置きのご飯を食べる。お気に入りは豚汁とミネストローネだ。
「セロリ、玉ねぎ、ベーコン、じゃがいも、きのこ類をさいの目に切り、トマト缶と豆を入れます。味つけは塩こしょうだけ。やさしい味なので、毎日のように食べても飽きません」(山口さん・以下同)
また、ねぎ、しそ、しょうが、みょうがなど、抗酸化作用がある香味野菜を薬味としてたくさん摂るように心がけている。
「私は魚が好きでよく食べますが、必ず薬味をたっぷり盛ります。この時期は、ゆでたかきに香味野菜を盛り、ポン酢をかけるのもおいしいですね」
スープにせよ、薬味にせよ、野菜をたくさん食べるよう意識している。そういう意味で、冬は鍋もよく食べるという。
「鍋なら食材を切って煮るだけなので、忙しい日にも助かります。鍋のスープは、市販の合わせ調味料などを使わず、原材料が少ない調味料を選んで、自分で作っています。たとえば、しょうゆなら、塩、大豆、小麦だけなど。梅干しやみそもそうですが、添加物を使用していないものを厳選。その方が体に合っている気がします」
魚食がメインで、普段から野菜をたくさん摂っているので、時にはお酒も飲むという。
「あまり意識して決め込まず、体が欲しいと感じているものを摂るようにしていますね」
教えてくれた人
石井さとこさん(62才)/「ホワイトホワイト」院長。歯科医師、口もと美容スペシャリスト。歯のホワイトニングを日本で広めた第一人者。食事アドバイスなども行っている。『マスクしたまま30秒!! マスク老け撃退顔トレ』(集英社)ほか著書多数。
山口麻子さん(51才)/「白金ビューティフルエイジングクリニック」院長。医師。日本美容外科学会、日本美容皮膚科学会、日本形成外科学会、日本抗加齢医学会所属。主な著書に『化粧品に頼らない素肌美人のつくりかた』(主婦と生活社)がある。
取材・文/前川亜紀
※女性セブン2023年2月9日号
https://josei7.com/
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