皮膚科医・平田雅子さんの美肌を作る食生活「朝は煎りぬかミルク、昼は玄米の手作り弁当」
睡眠不足や不摂生な食事などの生活習慣の乱れから肌のトラブルに悩む人も多い現代社会。皮膚科医として女性の悩みに30年以上寄り添ってきた平田雅子さんは「健康のために大切なのは食べすぎないこと」と話す。毎日を忙しく過ごす私たちが取り入れるべき健康法についてお聞きしました。
食べ過ぎた時は3日単位で食事量を調整
ハリのある美肌をお持ちの皮膚科医・平田雅子さんは、「食事は楽しくいただき、食べすぎなければいいのです」と言う。
「私の場合、会食の機会もあり、そのときは食事を遠慮せず楽しみます。カロリーがオーバーしたら、その後2日間は食事量を減らし、トータル3日間で調整するようにしています。これには疲れた胃腸を休ませる効果もあります」(平田さん・以下同)
体のためには、食事を摂りすぎず、消化器官を休ませることも大切で、体調が悪いときは、半日ほど断食すると体が整うという。
「胃腸が不調なときは、運動量と相談しながらですが、決まった時間に食事を摂るのではなく、空腹になるまで食べないことで調整しています」
過度なダイエットや、何種類ものサプリメントは必要ない。美容のためにも健康のためにも、食べすぎないことが大切なのだ。
「栄養はなるべく食事で摂ることを意識しています」
新陳代謝を促すために水は意識的に摂る
「ただし、新陳代謝を促すために、水は意識的に摂ることが大切です。糖分を含む清涼飲料水、カフェインを含むコーヒーではなく水。成人は毎日、体重1㎏あたり40mlの水が必要です。50kgのかたは1日2Lの水を飲んでください」
体内の消化酵素は37~40℃で活性化するため、冷水よりもぬるめの湯がいいという。
「朝起きたら、白湯などの温かいものを口にします。朝食には、ビタミン、食物繊維たっぷりのぬかを炒って入れたアーモンドミルクのココアを飲みます」
昼食は自作のお弁当。ご飯は、白米、もち米玄米、雑穀などを混ぜ、鋳物の鍋で3合炊きし、小分けにして冷凍したものを解凍して詰めている。
「穀物の配合も、おかずもその日の体の声に従っています。おかずとして多いのは、鮭、きのこ、根菜類。調理はシンプルに蒸すだけ、焼くだけなど。味付けも基本的に塩、しょうゆ、こしょうなどの調味料を食べるタイミングでプラス。味が濃くなるのを防ぎます」
間食もがまんせず、季節の果物や寒天にオリーブオイルと塩をかけたおやつを食べているという。これなら、良質な油と食物繊維が摂取できる。
この食生活を続けていると、胃腸の調子が安定し、腸内環境が整うため、肌の状態も安定するという。
教えてくれた人
平田雅子さん(62才)/「私のクリニック目白」院長。医学博士。皮膚科認定専門医。心療内科の外来も行い、女性の不調をトータルで診察している。『水だけ洗顔で、一生美肌! のべ100万人の肌をみてきた皮膚科医が教えます』(小学館)ほか著書多数。
取材・文/前川亜紀
※女性セブン2023年2月9日号
https://josei7.com/
●食物繊維は「水溶性」「不溶性」をバランス良く!豊富な食べ物と調理法