40才以上の女性の4割以上が経験する「尿もれ」種類や原因を医師が解説 セルフチェックリスト付き
尿もれは40~50代から悩み始める人が多いというように、更年期や閉経の影響も少なくない。
「女性ホルモンなどの低下によって尿道の内側の粘膜が萎縮することも尿もれの一因だといわれています。出産後の尿もれはすぐに治ったのに、閉経後に尿もれになったという人は、ホルモンの影響かもしれません。実は、肥満も骨盤底筋群を傷める原因のひとつです。
例えば、この2年で5㎏太って、急に尿もれの症状が出てきたという人は、体重を落とすだけで症状が改善する可能性があります」(巴さん)
骨盤やお腹に負荷がかかる人ほどなりやすい
「腹圧性尿失禁は、骨盤底筋や骨盤に負荷がかかる生活をしていた人ほどなりやすいといわれています。そのため、妊娠・出産経験がある人だけでなく、介護や力仕事などの過重労働をしている人もなりやすい。若い人でも出産後は骨盤のゆるみにより尿もれすることがありますが、多くの人はしばらくして骨盤が元に戻れば落ち着きます」(藤﨑さん)
「腹圧性尿失禁を週1回以上経験している女性は、500万人以上いるといわれています」(藤﨑さん)
なかなか周囲に話せず、10年以上も放置していたという人もいるというが、早めの相談が大切だ。
「尿もれは直接命にかかわる病気ではありませんが、外出がおっくうになり、生活の質が低下するのはつらいものです。セルフケアや治療で改善できるので、ひとりで悩まずに泌尿器科学会や日本排尿機能学会の専門医に相談してみてください」(藤﨑さん)
教えてくれた人
泌尿器科専門医・排尿機能専門医 巴ひかるさん/東京女子医科大学附属足立医療センター骨盤底機能再建診療部教授・診療部長。泌尿器科教授。腹圧性尿失禁に対する手術の豊富な実績がある。
泌尿器科専門医・排尿機能専門医 藤﨑章子さん/四谷メディカルキューブ女性泌尿器科に勤務。泌尿器の悩みを持つ女性がより豊かな生活を送れるように支援している。
撮影/黒石あみ イラスト/朝倉千夏 取材・文/戸田梨恵
※女性セブン2022年12月8日号
https://josei7.com/
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