尿もれ&頻尿予防!寝たまま骨盤底筋を効率良く鍛える方法|骨盤底筋を確認する体の位置とは?
老化や筋力の低下によって生じてくる尿もれの悩み。年を重ねた女性特有の悩みかと思いきや、20~60代4万人を対象に2019年P&Gジャパンが行った調査によると、20代以上の女性の2人に1人が尿もれを経験しているという。
尿もれも頻尿も、骨盤底筋の筋力低下が大きくかかわっているとされ、予防するには運動が効果的。そこで、骨盤底筋を鍛えるエクササイズをご紹介。このこのエクササイズで鍛えておけば、尿もれ&頻尿予防だけでなく、アンチエイジング効果も期待できます!
深呼吸と正しい姿勢で効果的に鍛えられる
「骨盤底筋を効率よく鍛えるには、深呼吸が大切。深呼吸をすると“インナーユニット”(横隔膜、腹横筋、多裂筋・骨盤底筋)を、同時に動かせるんです」とは、TRIGGER RESERCH LAB代表・半田瞳さん(「」内、以下同)だ。
つまり、呼吸が浅く横隔膜がしっかり上下しない人は骨盤底筋の動きも弱いということだ。そこで半田さんは、呼吸で横隔膜の動きをスムーズにしたうえで骨盤底筋をきたえられるエクササイズ『きゅきゅっと体操』を考案した。
「いきむことで骨盤底筋をきたえられると勘違いしている人が多いのですが、逆効果。いきむと骨盤底筋に腹圧がかかってダメージを与え、尿トラブルを悪化させます。まずは深呼吸から始めてみてください。また、姿勢も大切。猫背だと呼吸が浅くなるうえ、骨盤底筋に腹圧がかかります。反り腰も横隔膜や腹横筋が動きづらくなります」
早速挑戦してみよう。
骨盤底筋を使えているかチェック!
■骨盤底筋を触ってきちんと鍛えられているか確かめよう
《触り方》
骨盤底筋は普段あまり使わない部分なので、鍛えられているのかわからない、という人が多い。確認するには、四つんばいになって少し脚を開き、片手の指先を骨盤底筋に当ててみよう(上記写真の「ココをタッチ!」の部分)。息を吐きながら骨盤底筋(腟の奥のイメージ)を引き上げるように力を入れ、指から骨盤底筋が離れるような感覚があればOK。このとき、肛門に力を入れないこと。指を押し返すような反発を感じたら、骨盤底筋とは違う場所に力が入っているので要注意。
寝たままできる!尿もれ&頻尿改善「きゅきゅっと体操」のやり方
■ウオーミングアップ
「横隔膜がきちんと動けば、その近くにある骨盤底筋も同調して動きがスムーズになります。ですからまずは、深呼吸を行いましょう」
骨盤底筋の筋力が上がると、立ち上がるときやくしゃみの直前、重い荷物を持つときなど、腹圧が高まる前に、無意識に骨盤底筋に力が入れられるようになり、尿もれを防げるという。
うつ伏せに寝て、手のひらを下向きにして両手を重ね、おでこをのせる。「5秒間で鼻から息を吸い、5秒間で口から息を吐く」を10回繰り返す。慣れたら「10秒間で鼻から息を吸って、10秒間で口から息を吐く」を10回繰り返す。
深呼吸の後は、下記のパターン【1】~【4】の中の1つでもいいので、朝夕2回行おう。
■パターン1
【1】あお向けに寝て両ひざを立て、ひざの間にバスタオルやクッションを挟む。両足はハの字に開く。
【2】口から息を吐きながらお腹を少しへこませて、骨盤底筋を引き上げるように力を入れ、7秒間キープ。その後、鼻から息を吸って呼吸を整え、リラックスする。これを20回繰り返す。
【3】【2】をスピードアップして20回行う。1秒で息を吐き、1秒で息を吸ってリラックスするくらいの速度で。
■パターン2
【1】両ひじと両ひざをついて四つんばいになり、背筋をまっすぐに伸ばす。両足のつま先を立てて床につける。
【2】口から息を吐きながらお腹を少しへこませて、骨盤底筋を引き上げるように力を入れ、7秒間キープ。その後、鼻から息を吸って呼吸を整え、リラックスする。これを20回繰り返す。
【3】【2】をスピードアップして20回行う。1秒で息を吐き、1秒で息を吸ってリラックスするくらいの速度で。
■パターン3
【1】右側を向いて寝転がり、左脚を右脚に曲げて重ねる。両手は左ひざの上に置く。
【2】口から息を吐きながらお腹を少しへこませて、骨盤底筋を引き上げるように力を入れ、7秒間キープ。その後、鼻から息を吸って呼吸を整え、リラックスする。これを10回繰り返したら、反対側も同様に行う。
【3】【2】をスピードアップして各10回ずつ行う。1秒で息を吐き、1秒で息を吸ってリラックスするくらいの速度で。
■パターン4
【1】あお向けに寝て両ひざを立て、両足を閉じる。
【2】顔は天井を向いた状態で、両ひざをつけたまま脚を右側に倒し、左の体側をしっかり伸ばす。
【3】口から息を吐きながらお腹を少しへこませ、骨盤底筋を引き上げるように力を入れたまま、左脚を軽く外側に開く。その後、脚を閉じて、鼻から息を吸って呼吸を整え、リラックスする。これを10回繰り返したら、反対側も同様に行う。
【4】【3】をスピードアップして各10回ずつ行う。1秒で息を吐き、1秒で息を吸ってリラックスするくらいの速度で。
教えてくれたのはこの人
TRIGGER RESERCH LAB代表・半田瞳さん/尿トラブルをもつ患者の骨盤底筋の状態を確認しつつ、エクササイズの考案やその指導に努める。
取材・文/佐々木めぐみ 写真/菅井淳子
※女性セブン2021年3月4日号
https://josei7.com/
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