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多様なニーズに対応したサービス付き高齢者向け住宅<前編>

ココファン柿生

「高齢者住まい法」の改正により誕生した、介護・医療と連携したバリアフリー構造の賃貸住宅である「サービス付き高齢者向け住宅(以下、サ高住)」。法改正が行われた2011年から7年が経ち、段々と一般の高齢者にも「サ高住」という言葉が浸透してきていることを感じる。しかし、家族や友人が入居していない場合、実際に訪れてみたことのない人も多いのではないだろうか。

 今回ご紹介する「ココファン柿生」は、株式会社「学研ココファン」の運営するサ高住だ。学研ココファンは9月時点でサ高住を5412室提供しており、業界2位と安心感のある実績を持っている。ココファン柿生には生活スタイルや身体の状態に合わせて選べる4タイプの部屋がある。1人暮らしはもちろん、夫婦で入居したい高齢者のニーズにも応えている。

年金の範囲内で入居費用を支払える住宅として誕生

 高齢者向けの介護施設・住居を探し始め、費用を見てため息をついた人も多いのではないだろうか。そのような中、ココファンシリーズは、高齢者住宅市場に不足している、中間所得層に向けた「年金の範囲内で入居費用を払うことができる」住宅として誕生した。入居一時金はなく、家賃2ヶ月分の敷金と月々の支払いで住むことができる。

 ケアスタッフが24時間・365日常駐していて、夜中に具合が悪くなったり、転倒してしまった場合の緊急時対応、1日数回の定期的な安否・状況確認をしてくれる。入居している本人はもちろん、離れて暮らす家族にとっても安心感があるという声を聞く。

 ココファン柿生には、訪問介護の「学研ココファン柿生ヘルパーセンター」とデイサービスの「デイサービス ココファン柿生」が併設され、入居者ももちろん利用することができるので、馴染みのスタッフからサービスを受けられる。デイサービスでは、東北大学の川島隆太教授との共同研究に基づき、学研が開発したオリジナルの脳活性プログラム「脳元気タイム」を提供している。100種類ほどある「脳活性度」を高くするアクティビティの中から、デイサービスに適したものを選んで実践しているのだという。

 サ高住には「バリアフリー化」「生活相談サービス」「安否確認」といった国が定めた基準を守ることが求められている。離れて暮らす家族としては、こういった基準を満たした上で、きめ細やかに様子を見てほしいと思うだろう。年齢が上がっていくにつれて心身共に変化していくが、スタッフはどのようにして気付き、対応してくれるのだろうか。

 ココファン柿生事業所長の丸山奈津美さんによると、日常生活における変化にスタッフが気を配ることがポイントのようだ。

「お食事の様子や廊下を歩く時、事務所に声をかける様子などを見ていると、心身の変化に気が付きます。お洋服を最近あまり着替えていないとか、日常生活の様子をきちんと見ていると、認知症の進行に気がつくこともできます。そして、必要性を感じた場合は、『要介護認定を受けた方がいいのではありませんか?』というお話をします。ケアマネジャーをご紹介したり、ご家族に様子をお話します」(丸山さん 以下、「」は同)

 離れて住む家族との会話では「ちゃんとご飯を食べている」などと話していても、実際はそうでないことがあるのだという。離れて住む家族に心配をかけないようにしている場合や認知症の影響など理由はそれぞれ。そういう意味でも、日常的に見ていてくれる人がいると家族は安心できそうだ。

”学研版地域包括ケアシステム”とは!?

 国は、団塊の世代が75歳以上となる2025年を目処に、重度な要介護状態となっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最期まで続けることができるよう、住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供される地域包括ケアシステムの構築を実現しようとしている。地域包括ケアシステムは、保険者である市町村や都道府県が、地域の自主性や主体性に基づき、地域の特性に合わせて作っていくことが求められている。

 学研は今後、「学研版地域包括ケアシステム」を推進していこうとしている。サ高住を拠点として、高齢者だけではなく、地域の子育て世代など多世代が安心して暮らせる街づくりを目指しているのだという。

「0歳から100歳を超える高齢者までとよく言っていますが、サ高住を拠点として、ただ住むだけでなく、シニアと子どもの交流など世代間交流も積極的に進めています。訪問看護もサ高住を拠点にして展開していこうとしています。サ高住に見学に来る方から医療面について聞かれることも多いので、訪問診療だけではなく、訪問看護もプラスして、より安心感のあるサービスを展開していきたいと思っています」

 サ高住は自由な生活と安心感がセットになっており、入居一時金がないので比較的気軽に移り住めるという利点がある。ココファン柿生のように、サ高住が高齢者だけではなく、誰もが安心して住める街づくりの拠点になっていく可能性もありそうだ。そのような視点で見ていくと、老後の住まい選びも違った選択が出てくるかもしれない。

撮影/津野貴生

【データ】
施設名:ココファン柿生
公式WEBサイト:https://www.cocofump.co.jp/facilities/detail/kakio/
所在地:神奈川県川崎市麻生区上麻生7-2-32
最寄駅:小田急小田原線「柿生駅」より徒歩11分
類型:サービス付き高齢者向け住宅
運営主体:株式会社学研ココファン
敷地面積:1439.89平方メートル
延床面積:2249.46平方メートル
室数:50室
入居要件:満60歳以上
構造:鉄骨造地上4階建
開設年月日: 2018年8月1日
料金:Aタイプ(18平方メートル)の場合
11万5000円~12万9000円(賃料、共益費、生活支援サービス費)+賃料の2カ月分の敷金+総合保険2年一括として1万6391円~
賃料:6万2000円~7万6000円
共益費:2万600円(Aタイプの場合は水道光熱費も含まれる)
生活支援サービス費:3万2400円(税込)

※施設のご選択の際には、できるだけ事前に施設を見学し、担当者から直接お話を聞くなどなさったうえ、あくまでご自身の判断でお選びください。

→このシリーズのその他の記事を読む

●介護業界に新風を!若い力を活かした運営が魅力のサ高住

●多世代交流ができる 複合開発の街に生まれた老人ホーム<前編>

●「健康」「食事」「運動」サービスに注力 複合開発の街に生まれた介護付有料老人ホーム<後編>

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この記事へのみんなのコメント

  • はる

    年金の範囲で。こるはすごく有難い。

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