寝たままで簡単!元気に歩くための大腰筋トレーニング「寝たきりを防ぎ介護いらずに」
人生100年時代を楽しく過ごすためには、寝たきりになったり、介護が必要になったりしないよう健康でいることが重要だ。何よりいつまでも自分の足で元気に歩き続けたい。その為には大腰筋を鍛える事が大切だとパーソナルトレーナーの鈴木亮司さんは話す。鈴木さんが考案した大腰筋を鍛える体操を今日からやってみよう。
歩くためには“大腰筋”を鍛えるのが重要
「いつまでも自分の足で元気に歩き続けるには、脚力ではなく、“大腰筋(だいようきん)”を鍛えるのがポイントです」
と、パーソナルトレーナーの鈴木亮司さんは言う。
大腰筋とは、みぞおちの裏側あたりから股関節まで続くインナーマッスルのこと。人間の上半身と下半身をつなぐ唯一の筋肉で、足を動かすさまざまな筋肉と間接的につながっている。
「立ったり、歩いたりするとき、私たちは必ず大腰筋を使っています。しかし、年齢を重ねて体を動かす機会が減り、大腰筋が使われなくなると、だんだんと細くなってしまいます。大腰筋が細くなると、寝たきりになりやすいというデータもあるので、動けるうちから大腰筋を意識的に鍛えておくことが大事なんです」(鈴木さん・以下同)
鈴木さん考案「寝ころび筋肉ひねり」
大腰筋を鍛える運動としておすすめなのが、鈴木さん考案の「寝ころび筋肉ひねり」(下記項目で詳述)。名前の通り、寝ころんだままできる。
「立って行う運動は、バランスを保とうと体の余計な部位に力が入り、目的の部位を鍛えられなかったりします。その点、寝ころび筋肉ひねりは、無駄な力が抜けやすく、転倒リスクもない。ですから、70代や80代の人でも挑戦しやすいのがメリットです」
「寝ころび筋肉ひねり」の動きは極めて簡単で、体を曲げる・伸ばす・ひねるの3つの動作が中心だ。
「無理に力を入れず、自分の体の重さを使って時間をかけて伸ばすのがコツ。動かす範囲も自分の動かせる範囲のうち、“気持ちいい”と感じるところでいいので、従来の筋トレのようなきつさはありません。畳1畳分くらいの広さがあればどこでもできるので、起床後や寝る前などに布団の上で行うのもいいでしょう」
★いすに座って行う方法もあり
できるなら毎日、最低でも週に2回、自分のペースで続けよう。行う時間帯も自由。ただし食後と飲酒後は避けた方がいいという。仰向けに寝ると腰が痛い人は、いすに座って行う方法もあるので参考にしてほしい。
寝ころび筋肉ひねりトレーニングの前に…
【1】正しい呼吸を心がける
体が固まった状態では、大腰筋に刺激が伝わりづらい。まずは体の力みをとるために正しい呼吸を行おう。「呼吸で大事なのは肋骨。みぞおちのあたりに手を置き、肋骨を横に広げるようなイメージで5回、深い腹式呼吸を」。
【2】タオルで背中をストレッチ
丸めたタオルを肩甲骨の下に入れ、仰向けに寝る。両手を頭の上に伸ばし、1~2分維持。「縮んでいた胸や腹の筋肉が伸び、猫背も改善されます」。
【3】眼球の運動
つま先に重心を置いて立つ。顔の前に人差し指を立て、焦点が合わなくなる直前まで顔に近づける。近づけた指を左←→右に、さらに指を寝かせて上←→下に動かし、目だけで追う。
【4】体を揺らして中心軸を意識
人体の中心軸は日々ズレる。効果的な筋トレをするには、そのズレをリセットする必要がある。そのためには“揺れる”のが効果的。
[1]足を肩幅ぐらいに広げ、つま先に重心を置いて立つ。そして、両腕をプランプランと前後に振る。
[2]振った腕がいちばん下にきたとき、軽くひざを曲げる。この動きを10~20回繰り返す。「足のむくみ解消にも効果があります」。