脂肪肝を防ぐ簡単な筋トレ5つ 健康診断の数値で肝臓の状態をチェック【医師監修】
体内で余った中性脂肪が肝臓にたまる病気「脂肪肝」は、無症状で進行するため気づいたら重篤な状態になっていた。なんてことも…。筋力アップは効果が出るまで約3週間はかかるが、脂肪肝改善に運動は欠かせない。そこで続けやすくて簡単なトレーニングを5つ紹介する。
【Lesson1】スロースクワット
太ももとお尻といった、大きな筋肉に負荷をかけるので、脂肪の分解や燃焼を効率よく促せる。
【1】足を肩幅より少し広めに開いて立ち、腕を胸の前で交差させる。視線はまっすぐ前に向け、背筋が曲がらないように注意する。
【2】口から息を吐きながら、5秒かけてゆっくり腰を落としていく。このとき、ひざがつま先より前に出ないようにし、背中を丸めないように注意。太ももが床と平行になるまでひざを曲げるのが理想だが、最初は無理をせず、できるところまででOK。
【3】鼻から息を吸いながら、5秒かけて元の姿勢に戻す。このとき、ひざは完全に伸ばし切らず、少し曲げたままの状態で2回目に入る。5回×2セットで朝晩2回を目安に続ける。
【Lesson2】ヒールレイズ
ふくらはぎの筋肉を鍛える、つま先立ち運動。ふくらはぎの筋肉には、血液を心臓に送り戻すポンプの働きがあるので、ここを鍛えるとむくみや冷え症解消の効果も期待できる。
いすの背もたれに両手を置いて、背筋を伸ばして立つ。ふくらはぎを意識しながらゆっくりとかかとを上げて下げる。これを10回繰り返す。通勤中の車内で、吊り革につかまりながら行ってもよい。
【Lesson3】レッグエクステンション
座ったまま太ももの大きな筋肉が鍛えられる。テレビを見ながら、デスクワーク中など、気づいたらやる習慣を。
【1】いすに深く座り、背筋をまっすぐ伸ばす。
【2】息を吐きながら、両足の太ももが床と水平になるまで上げる。この状態を5秒間キープしたら、元の姿勢に戻す。これを5回繰り返す。太ももに力を入れると筋肉がより収縮する。両足を一度に上げるのがきつい場合は、片足ずつ行ってもOK。
【Lesson4】肩の筋トレ
日常生活ではあまり使わない二の腕の筋力アップに効果的。胸が開くので姿勢改善にもおすすめ。
【1】水を入れた500mlのペットボトル(またはダンベル)を両手に持ってひじを90度に曲げ、肩の高さで構える。
【2】鼻から息を吐きながら、ひじをまっすぐ上に伸ばす。このとき背中が丸まらないように注意。これをゆっくり20回行う。
【Lesson5】正しいウオーキング
有酸素運動の中でもっとも気軽に始められ、体にかかる負担も小さい運動。姿勢を正して行えば効果もアップする。最初は10分くらいから始めて、徐々に時間や距離を増やしていこう。
血液検査の数値で肝臓の状態を数字でチェック
肝臓の状態は健康診断の血液に関する数値から判断できる。参考にしてほしい。
【ALT(GPT)/AST(GOT)】
・基準値:10~30U/L
・理想値:5~16U/L
脂肪肝かどうかを知るうえでもっとも重要な数値で、肝細胞に炎症があると数値が上がる。
【γ-GTP】
・基準値:0~50U/L
肝臓や胆管の細胞が傷つくと数値が上がる。アルコールの過剰摂取が主な原因で、100U/Lを超えたら対策を。
【中性脂肪】
・基準値:150mg/dl未満
貯蔵用のエネルギーとして必要な脂肪だが、増えすぎると血管が詰まったり破れやすくなる。
【コレステロール】
・LDLコレステロール 基準値:140mg/dl未満
・HDLコレステロール 基準値:40mg/dl未満
LDLは悪玉、HDLは善玉と呼ばれるコレステロール。どちらも食習慣や運動不足などが原因で異常値に。
教えてくれた人
栗原毅さん/栗原クリニック東京・日本橋院長・肝臓専門医
取材・文/上村久留美 イラスト/ico.
※女性セブン2022年3月3日号
https://josei7.com/
●コロナ太りで急増中 生活習慣病を引き起こす「脂肪肝」とは? セルフチェック付き