「痔」に悩む女性がステイホームと更年期で急増中 血便はがんの恐れも!自己判断せず受診を
痔(じ)に悩む女性がコロナ禍で急増しているという。ステイホームの時間が増えて座る時間が増えたことや、運動不足による便秘などが要因のに挙げられる。もし痔ができてしまったら、とどのように向き合えば良いのだろうか。各分野の専門医師が、気をつけるべきポイントと大病を招かないための対策を教えてもらった。
ステイホームと更年期で痔に
便秘とともにもう1つ、病気の兆候が潜む症状として気をつけるべきは「痔(じ)」だ。肛門疾患・胃腸疾患を専門とする草間かほるクリニック院長の草間香さんが解説する。
「そもそも、肛門の違和感や排便時の出血は痔が原因ではなく、消化器官で炎症が起きていたり、ポリープや悪性の腫瘍ができている可能性があります。いぼ痔を患っている患者が血便が出ることを痔の症状だと判断し、放置していたら大腸がんだったこともある。自己判断で痔と決めつけるのは非常に危険です」
たとえただの痔だったとしても、悪化すれば日常生活に支障が出たり大がかりな手術が必要となったりする可能性もある。
「コロナ禍で外出機会が減り、座っている時間が増えたことで、いぼ痔が悪化する人や、運動不足で便秘になり、それが原因で切れ痔を患う人も多い。また、女性ホルモンが変動しがちな時期はより便秘や下痢になりやすい。下痢も便秘も肛門に負担をかけるため痔のリスクを上げます。ホルモンが乱れがちな更年期の女性は、特に注意が必要です」(草間さん)
→人には言えない女性のおしりトラブル解決法|痔の種類、便秘の悩みズバッと解決
いちばんの予防は検診を受けること
日常に潜む便秘やお尻の違和感を放置し、見逃してしまえば取り返しのつかない事態になる。腸や肛門の病気で死に至らないために、何よりも大切なのは定期的に検診を受けることだ。内視鏡専門医で藤井隆広クリニック院長の藤井隆広さんが教えてくれた。
「40才を過ぎたら、1年に1度の便潜血検査を欠かさずに受けてほしい。早期に発見できれば、大腸がんの5年生存率は9割以上と高いのです。ただし、便潜血検査でがんが見つかる精度は、早期がんが3~5割程度、進行した大腸がんでも8~9割です。そのため便潜血検査で異常がなかったとしても、大腸内視鏡検査を受診するのがいいでしょう。内視鏡検査は精度が高く、将来がん化する可能性があるポリープを数多く見つけることができ、その場で痛みなく切除治療までが可能です」(藤井さん)
■2020年度のがん検診受診率
がんの種類/2018年度比/2019年度比
・大腸がん…68.4% 68.8%
・乳がん…70% 70.3%
・子宮頸がん…74.6% 75.1%
女性がかかりやすいがんの中でも大腸がんの検診率は新型コロナの影響で前年度、前々年度に比べ、大幅に低くなっている。
※女性セブン2022年3月3日号
https://josei7.com/