食材をやわらかくする基本の調理法・コツ|介護食の基礎知識 見た目もよいやわらか食の作り方
今まで食べられたものが噛めない、飲み込めない──食べる力は加齢によって衰えていくもの。おかゆや流動食にして“食べさせる”方法もあるけれど、食べることは“楽しみ”でもある。その幸せを奪わないために、見た目もよくておいしくて、そして食べやすい料理の作り方を、一緒に覚えませんか?
噛む力が衰え始めた場合、注意したいのは食材の大きさより“かたさ”。スプーンでつぶせるほどやわらかくするための6つの基本的な調理法を、摂食・嚥下アドバイザーなど専門家に教えてもらいました。
野菜をやわらかくするコツ
厚めに皮をむく
野菜は、皮を厚めにむくのが基本。トマトや豆の薄皮も口の中に残りやすいので、むくこと。
「なすの皮は、焼いたり揚げたりして実がやわらかくなるほど、皮の硬さが強調されます。噛む力があれば、しま模様にむく程度でもいいのですが、不安がある時は全部むくといいでしょう」(摂食・嚥下アドバイザー 江頭文江さん、以下「」内同)
繊維を断つように切る
歯ごたえをよくする場合は繊維に沿って切るが、やわらかくしたいならその逆。繊維を断つように切ればいい。
「青菜や茎の部分の繊維は硬いので、調理には、葉先のやわらかい部分を選んで使いましょう。クタクタになるまで加熱すれば、繊維がやわらかくなります」
すりおろす
りんごなど、完熟でも硬い果物や、歯ごたえのある大根、きゅうりは、すりおろせば生でも食べられる。いも類や根菜類は、すりおろして料理に入れると、つなぎやとろみづけにもなる。
野菜の調理例レシピ
ミニトマトとはちみつのレモン漬け
<作り方>
【1】ミニトマト10個は、ヘタをとって熱湯に1分入れたら、取り出して皮をむく。
【2】密閉容器にレモン果汁½個分、はちみつ大さじ1と1/2を入れて合わせ、【1】のミニトマトを漬け込む。冷蔵庫で半日置けば食べられる。3日以内に食べきる。
小松菜とはんぺんに煮びたし
<作り方>
【1】小松菜½束は、葉先のみを3cm程度に切る。にんじん1/5本分とはんぺん1/4枚は短冊に切る。
【2】鍋に【1】を入れ、だし汁カップ1、めんつゆの素(濃縮タイプ)大さじ1、塩少量を加えてやわらかくなるまで煮る。
ピーマンの肉詰めトマト煮
<作り方>
【1】ピーマン6個はヘタと種を取る。
【2】玉ねぎ1/2個とれんこん80gはすりおろす。
【3】牛と豚の合いびき肉300gを混ぜ、【2】と卵1個、パン粉大さじ2、塩小さじ1、こしょう少量を加えて混ぜる。
【4】【1】のピーマンの内側に小麦粉をふり、【3】を詰め込む。
【5】深めのフライパンにバター大さじ1を入れて【4】のピーマンを焼き、トマトの水煮缶1缶を入れる。
【6】固形コンソメ1個を加えて10分ほど煮込み、塩小さじ1、ウースターソース・砂糖各大さじ1、こしょう少量で味を調える。