内臓のバランスを整える「チネイザンマッサージ」とは?イライラ対策になる肝臓マッサージのやり方
「腹が立つ」「腹黒い」「腹を決める」など―感情を表す慣用句に“腹”を使うケースが多い。このことからもわかるように、古くから東洋医学では、感情の乱れは腹部にたまると考えられてきた。
「コロナ禍で不満や不安が募り、そのせいで内臓が硬くなるなどの悪影響が出ている人が増えています」
とは、内臓をもむことで負の感情をも取り除く「チネイザンマッサージ(氣内臓療法)」を提唱するセラピスト・Yukiさんだ。 聞きなれないマッサージ法だが、これがスゴイらしいのだ。
がまんしすぎて内臓を壊す日本人
「コロナは陰性なのに、体調がすぐれないなど、原因のわからない不調を抱えて私のサロンにやってくる人が、昨年以降増えています。これは、コロナ禍による怒りや不安などの負の感情が、内臓(お腹)にたまって動きを悪くし、血流を妨げるなどの悪さをしているせいかもしれません」(Yukiさん「」内、以下同)
「チネイザン」とは、中国語の「氣(Chi)」と「内臓(Nei Tsang)」が組み合わさった言葉である。
「心と内臓はつながっているため、左図のように、負の感情は内臓のあちこちにたまります。その結果、内臓の機能が低下してしまうのです。こうしたダメージは、内臓をマッサージすることで解消できます。その方法が、チネイザンマッサージです」
内臓のバランスを崩れたままにしておくと、それに比例してネガティブな感情も深刻化。最終的には、胃潰瘍などの病気に進行してしまうケースもある。
「日本人の国民性である、がまん強さや粘り強さは時に美徳とされますが、やりすぎては病気のもとに。世界的に見ても、日本人はお腹に負の感情をためやすいため、不調を感じやすいといえます」
負の感情によって、ダメージを受ける内臓の場所は違うという。
◇お腹の感情分布図
入浴、睡眠、食事にも気をつけよう!
チネイザンマッサージは、自宅で誰でも簡単にできる。お腹にやさしく手を当てることから始め、慣れてきたら、指先や指の腹を肋骨の下やみぞおちなどに差し込んで、内臓を皮膚の上から直接もむ。
「内臓の働きがよくなると血流もスムーズになりますから、むくみや冷え症、便秘、肩こり、腰痛、不眠、肌荒れなどの改善が期待できます。血行がよくなり、これらの不調が改善されれば、おのずと心も落ち着き、負の感情も消えていきます」
またデトックスや免疫力アップの効果を高めるには、マッサージに合わせて次のような生活習慣を取り入れるのもおすすめだという。
■入浴…40℃以上の湯船に10~15分間つかると免疫力が10~20%アップする。
■睡眠…深夜12時前に床に就き、7時間半~8時間眠る。
■食事…夕食はできるだけ早い時間にし、野菜だけ食べる日などを決めて1週間のうち1日でも内臓を休める。小腸にダメージを与えやすい粉もの(パン、ピザ、パスタ、うどんなど)は少なめにし、玄米や五穀米、雑穀米などを摂る。みそや納豆、しょうゆ、塩こうじなどの発酵食品を取り入れる。余分な脂を吸着して出す効果がある大根、こんにゃく、きのこのほかに、もずくなどのネバネバ食品を摂る。
これらに気をつけつつ、朝と晩にチネイザンマッサージを行えば、1か月ほどで心と体の変化を実感できるはずだ。
◆肝臓が悪い人の特徴チェックリスト
□ 朝、パッと起きられない
□ すぐに疲れる
□ イライラしがち
□ 特に右肩がこる
□ よく足がつる
□ 便秘がち
□ 目がかすんだり、充血しやすい
□ 生理不順に悩む
□ 青や緑の服や小物などを選びがち