猫が母になつきません 第272話「スマホにする_その3」
短かった…母のスマホ生活。電話がかかるたび、LINEでメッセージがくるたび母はパニック、スマホを持って私のところへ走ってきます。走らないでー(汗)。そしてそれを繰り返すうちへとへとになり、ついにガラケーに戻したいと言ってきました。ずっとやりたがっていたLINEも始めてみるとそのスピード感についていけず、使い慣れているお友達からは次々に写真や動画が送られてきたりして「こんなに送られたら他のことが何もできない!」と焦りもあいまってイライラ。「既読スルー」という技はまだ会得していませんし。結局母のスマホはガラケーに戻し、LINEをパソコンで使えるようにしました。LINEは基本的にスマホからしか登録できないので、そのために一瞬スマホに変えたようなものです(泣)。母はパソコンのメールは使いなれているので、LINEもパソコンでなら苦ではないのではと思いましたが、少しでも使い方が違うと戸惑うようで、今度はノートパソコンを持って走ってきます。それでもLINEを残したのは、このところ母の認知機能の衰えは著しく、少しでも外界から刺激を受けられる扉を開けておきたいと思ったからです。今、母のノートパソコンには私がLINEの使い方を書いたシールがペタペタ。やっと使い慣れてきたようで、母が既読スルーされる日は遠くなさそうです。
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作者プロフィール
nurarin(ぬらりん)/東京でデザイナーとして働いたのち、母とくらすため地元に帰る。典型的な介護離職。モノが堆積していた家を片付けたら居心地がよくなったせいかノラが縁の下で子どもを産んで置いていってしまい、猫二匹(わび♀、さび♀)も家族に。