1日5分の“肋骨”エクササイズで美しくやせる!猫背、垂れ乳、ポッコリお腹解消へ
パッと見はスリムなのにお腹が出ていてスタイルがよくない、食事や運動に気をつけていてもやせない…そんな悩みを抱えているなら、もしかしたら、「肋骨」に原因があるのかもしれない…。「ポッコリお腹」「猫背」「垂れ尻」「垂れ乳」「首のしわ」「肌のくすみ」などを解消する肋骨を引き上げる簡単エクササイズを専門家が提案!
肋骨の位置が下がると…
左右12対、合計24本の肋骨は、心臓や肺、肝臓といった臓器を守る“鎧(よろい)”の役割を果たしている。だが、それ以上に重要な役割が、呼吸の補助だ。左右のアンダーバストをつかむように両手を添えて、深呼吸してみてほしい。
気を吸って肺がふくらむと同時に、肋骨も左右または前後にふくらむ感触がわかるはずだ。
「キュッ!」と上がった理想の肋骨
(図左)肋骨がまっすぐになっていると、頭から足まで垂直に重力がかかり、背骨や骨盤などのゆがみもなくなる。肋骨と骨盤の間に充分な距離があることでくびれができ、内臓の下垂や機能低下も防げる。さらに、肋骨が正しい位置にあると、肩甲骨の位置も正され、深い呼吸ができるようになって代謝が上がる。バストアップ、ヒップアップの効果も期待できる。
肋骨が下がると猫背、反り腰に
(図右2体)肋骨がつぶれて傾き、下がっている。肋骨によって支えられているはずの内臓が下垂してポッコリお腹になる。肋骨から首、腰にかけての筋力が衰えると、猫背や反り腰に。それにより、首や肩、腰の痛みが出たり、肩が上がって首が詰まり、横じわができる。肋骨の動きが悪いために肺がうまくふくらまず、呼吸が浅くなって内臓の働きも低下する。
「整体エステGAIA(ガイア)」代表の南雅子さんが解説する。
「1本1本の肋骨の間には筋肉があり、それらが柔軟に動くことで、肺がふくらむスペースができ、酸素を充分に取り込むことができます。つまり、肋骨とそのまわりの筋肉がこわばっていたり、ゆがんでいたりすると、うまく呼吸ができなくなってしまう。
すると、血液が酸素不足になり、代謝が落ちてやせにくい体になるほか、肌ツヤが悪くなったり、冷えやむくみを招いたりと、さまざまな不調が出てくるのです」
コロナ禍で肋骨の動きが悪くなる人が増えている
実は、このコロナ禍で、肋骨の動きが悪くなり、ゆがんだり、下がったりしている人が増えているのだという。運動指導者の森拓郎さんが話す。
「外出自粛やテレワークの浸透で、家にこもって、座りっぱなしの時間が増えているのが一因です。運動不足だと、肋骨周辺を含む全身の筋肉がこわばって動きが悪くなり、呼吸が浅くなる。
また、猫背になると、首や肩が前に傾き、それによって肋骨がつぶされて、お腹の方に下がってしまうのです。
すると、本来肋骨に支えられているはずの胃などの内臓も下垂して、あるはずのくびれがなくなり、ポッコリお腹になってしまいます」
こうして下がった骨や臓器を支えるために、首や腰に負担がかかって、肩こりや腰痛も起こりやすくなる。
さらに、肋骨や背骨を支えている骨盤にも負荷がかかってゆがみが生じ、反り腰になるほか、股関節がゆがんで、お尻が垂れ、脚まで太くなる恐れがある。
「肋骨が下がって猫背になっていると、それに伴ってバストも垂れ下がります。また、肩が縮こまることで首が短く詰まって、首に横じわができやすくなる」(南さん)
恐ろしいことに、これらはすべて同時多発的に起こる。肋骨は、美と健康の要(かなめ)だったのだ。
「両手をまっすぐ上げてバンザイができない」「上を向くと首が痛い」といった人は要注意
肋骨のゆがみがすべての不調の根源ということは、裏を返せば、それを正すことで、こうした悩みは一挙に解決に向かうということでもある。
森さんは、「両手をまっすぐ上げてバンザイができない」「上を向くと首が痛い」といった人は、肋骨の動きが悪くなっている可能性が高いと話す。
「12対の肋骨のうち、いちばん上の骨は、鎖骨よりも高い位置で、首の骨とつながっています。
つまり、肋骨は上半身のすべての骨や筋肉の動きに関連しているということ。首(鎖骨など)や肩(肩甲骨など)がうまく動かせないということは、それらにつながっている肋骨がうまく動いていないということなのです」
上半身のすべての筋肉が肋骨とつながっていることを意識しながら、順番にエクササイズに挑戦してみよう。首、胸、肩と順番に筋肉をほぐしていくことで、連動して肋骨の動きが改善していく。
「エクササイズは1から始めて4まで続けて行います。必ず順番は守るようにしてください。
というのも、こわばっている筋肉を、首から順番にほぐすことが目的だからです。首の筋肉が硬いままなのに、胸のストレッチをしても、効果は半減します。
筋肉痛などがある場合は、かなり筋力が衰えている証拠。その1つ前のステップを入念に繰り返して、充分にほぐしてください」(森さん・以下同)
4種類のエクササイズは、すべて行っても5分ほどしかかからない。その上で、深い呼吸を習慣づけるのも忘れずに行いたい。
「深呼吸したとき、肋骨が左右に大きくふくらむのが理想です。もし前後の方に大きくふくらむのであれば、それは肋骨の動きが悪い証拠。呼吸をするたびに背中や腰が縮こまって、腰痛などの原因になりかねません。息を深く吸ったら、お腹と背中をくっつけるようなイメージでゆっくり、思いきり吐き出すのを繰り返すだけでも、肋骨まわりのストレッチになるので、気づいたときにやるようにしてみてください」
肋骨が正しい位置にあるかチェック
南さんは、自分の肋骨が正しい位置にあるかどうかは、鎖骨やバストの位置でもわかると話す。
「まっすぐ立ったとき、鎖骨が、内側から肩先にかけて地面と平行であれば、肋骨が正しい位置にあるといえます。また、腕を自然に下ろした状態で、バストトップが“肩とひじのちょうど真ん中”くらいにあれば大丈夫」
年を重ねれば、肋骨まわりに限らず、全身の筋力が衰えるのは当然のこと。だからこそ、厳しい筋トレなどはしなくても、こわばっている筋肉をほぐして、正しい状態をキープしたい。
1日5分!肋骨エクササイズ4選
1.まずは首から!「上向きストレッチ」
【1】左の鎖骨の下に両手を重ねて置き、頭を右に倒しながら息を吸う。首の筋肉が伸びているのを感じながら行う。
【2】(1)の角度をキープしたまま、あごを上げてななめ上を向きながら息を吐く。吐き切ったら吸って吐くのを繰り返しながら、30秒間キープ。反対側も同様に行う。
2.猫背を改善「鎖骨トレーニング」
【1】上の「上向きストレッチ」の(2)と同じ要領でななめ右上を向きながら息を吸う。より上の方を見るように意識するとよい。
【2】首の後ろの筋肉を伸ばすイメージで、息を吐きながらあご先を左の鎖骨に近づけるように下を向く。(1)(2)を10回繰り返す。
3.呼吸が深まる「横向き壁ドン」
【1】足を肩幅に開いて立ち、ひじと肩が同じ高さになるように右手を上げて、小指と手のひらの側面を壁につける。左手は、右の鎖骨の下に置く。
【2】左手で皮膚をごく軽く引っ張り、息を吐きながら胸を前に突き出して、右肩の内側から右胸にかけての筋肉を伸ばす。そのまま30秒間キープする。反対側も同様に行う。
4.アンダーバストが細くなる!「座り背泳ぎ」
【1】まっすぐ立つか、姿勢を正していすに座った状態で、右手で左側の肋骨(アンダーバストの辺り)を押さえながら左腕を前に伸ばす。
【2】息を吸いながら、左腕をできるだけ遠くを通るようにして真上に持ち上げる。
【3】息を吐きながら左腕を後ろに下ろす。このとき、右手で肋骨を押さえる力と、左腕を後ろに伸ばす力の割合が6:4くらいになるように意識するとよい。2秒間キープしたら腕を前に戻し、(1)~(3)を10回繰り返す。反対側も同様に行う。
イラスト/勝山英幸
※女性セブン2021年6月17日号
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