猫が母になつきません 第223話「すけじゅーる」
母はとても忙しい人です。公民館の英会話と洋裁の教室に毎週通っているし、最近はコロナであまりありませんが、近所でお祭りやフリーマーケットなどのイベントがあれば必ず出かけていました。カレンダーをスケジュール帳がわりにしている母ですが、書いているのにもかかわらず最近頻繁に電話で予定を確認しています。ほとんどの日付に丸がついているカレンダーをよく見てみると、普通は「〇〇さん 〇時に 〇〇で」というように人、時間、場所をセットで書くべきところを、母は予定のうちのどれかひとつの要素しか書いていません。14日は「木村さん」、23日は「9:30」といった具合でどれも足らない要素が多すぎる。そのわりに「30円」とか「1枚」など何をさすのかわからない単語をたくさん書いています。約束をすっぽかしたり間違えたり周りの方々にはすでにご迷惑をたくさんおかけしていることと思いますが、そこはどうかご容赦ください(拝)。私はといえばスケジュールはガラガラなのに、たまの約束をちゃんと書いていても忘れてしまうそこつ者です。
作者プロフィール
nurarin(ぬらりん)/東京でデザイナーとして働いたのち、母とくらすため地元に帰る。典型的な介護離職。モノが堆積していた家を片付けたら居心地がよくなったせいかノラが縁の下で子どもを産んで置いていってしまい、猫二匹(わび♀、さび♀)も家族に。
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