分とく山・野﨑洋光さん直伝黄金比率の「豆乳だし」で作る絶品ごはん&麺レシピ
豆乳には、更年期対策、免疫力UPにも効果があるという。日本料理の名店『分とく山』総料理長・野﨑洋光さん直伝の「豆乳だし」は旨み&コクたっぷり。
豆乳に調味料をちょい足しするだけで味がキマる「豆乳だし」を使った、シンプルなごはん&麺は絶品。秋の味覚を楽しみながら、食が進んじゃいますよ!
豆乳の旨みをフル活用して免疫力もアップ!
「豆乳は“だし”としても非常に優れた食材です」と和食の巨匠、野﨑洋光さんは話す。
原材料の大豆には、昆布と同じ旨み成分の、グルタミン酸が含まれているという。
「さらに豆乳独特のコクが、素材の味を引き立てます。水で薄めたり、最小限の調味料を加えたりするだけで味が決まり、いつもの料理が格段においしくなりますよ」
近年、豆乳の持つ健康効果も注目を集めている。
「大豆は『ミラクルフード』と呼ばれるほど、たんぱく質などの栄養が豊富です」というのは、管理栄養士の清水加奈子さんだ。
「乳酸菌のエサになる大豆オリゴ糖が腸内環境を整え、免疫力の向上やダイエット効果も期待できます。また、大豆イソフラボンは女性ホルモンに似た働きをするので、更年期症状の軽減や、PMSの改善にも役立ちます。これらの効果をより実感するためには、継続的な摂取がしやすい料理での活用がおすすめです」(清水さん)
料理別、豆乳と水の黄金比率
水で薄めて使うことで、豆乳独特の風味がだしの旨みに変わる。
「汁ものや鍋には、炊き込みご飯と同様に豆乳:水=1:2、うどんやそばのかけ汁には3:1、煮物には1:1がおいしい比率の目安です。薄めて使えば食材の旨みが際立って豆乳の味がうまく抑えられ、どんな料理にも合うだしになってくれます。食材が野菜だけでも、コクと旨みをしっかりと感じられる一品になりますよ」。
●ご飯ものには、豆乳:水=1:2で料理の味が決まる!
豆乳1に対して2倍の水で薄めると旨みの濃さが絶妙になり、ご飯ものに最適なだしが完成。
「味つけには塩や薄口しょうゆを使うと、料理の色もきれいに仕上がります」(野﨑さん・以下同)。
じゃこチーズご飯
豆乳だしとじゃこの旨みがチーズのやわらかなコクにマッチ。「ご飯はしっかり浸水させるのがポイント!」と、野崎さん。
以下
※材料は特記のあるもの以外は2人分です。
※豆乳は無調整豆乳を使用しています。
<豆乳だしの材料>
豆乳+薄口しょうゆ+酒
<材料>
米…2合
ピザ用チーズ…50g
ちりめんじゃこ…20g
あさつき(小口切り)…3本
しょうが(せん切り)…10g
<A>
豆乳…1/2カップ
水…1カップ
薄口しょうゆ・酒…各大さじ2
<作り方>
【1】米を洗い15分浸水させ、ざるに上げて15分水気を切る。
【2】土鍋に【1】と<A>を入れて強火にかけ、沸騰したら箸で全体を混ぜて少し火を弱め7分加熱。弱火にしてさらに7分加熱する。
【3】【2】にピザ用チーズとちりめんじゃこをのせ、ごく弱火で5分加熱し、3分蒸らす。
【4】【3】にあさつき、しょうがを散らし、全体を混ぜ合わせて器に盛る。
冷や汁そうめん
まろやかな味のつゆが麺と野菜によく絡む!
<豆乳だしの材料>
豆乳+塩
<材料>
そうめん…2束
きゅうり…1/2本
トマト…1/4個
パプリカ(赤・緑・黄)…各1/8個
しょうが(すりおろし)…適量
<A>
豆乳…1/2カップ
水…1カップ
塩…小さじ1/3
<作り方>
【1】きゅうりは小口切りにして塩(分量外)を振って軽くもみ、しんなりとしたら水洗いをして水気を絞る。
【2】トマトはへたを取って湯むきをして1cm角に切り、パプリカは薄切りにする。
【3】そうめんを表示通りに茹で、冷水でよく洗い、ざるに上げて水気を切る。
【4】器に<A>を入れて混ぜ、つけつゆを作る。
【5】【3】を皿に盛り、【1】、【2】、しょうがをのせ、【4】に絡めて食べる。
きのこと桜えびのご飯
しめじと桜えびを加えたらしっかり蒸らして香り豊かに!
<豆乳だしの材料>
豆乳+薄口しょうゆ+酒
<材料>
米…2合
しめじ…2パック
桜えび…20g
三つ葉…10本
<A>
豆乳…1/2カップ
水…1カップ
薄口しょうゆ・酒…各大さじ2
<作り方>
【1】米を洗い15分浸水させ、ざるに上げて15分水気を切る。
【2】しめじは石づきを落とし、1本ずつ手でほぐしてさっと湯にくぐらせ水気を切る。
【3】炊飯器に【1】、<A>を入れて炊飯する。
【4】【3】に【2】、桜えびを加えて5分蒸らす。
【5】【4】に3cm長さに切った三つ葉を加え、全体を混ぜ合わせ器に盛る。
焼き鮭とごぼうのパスタ
ごぼうのシャキシャキ食感と青じその香りがアクセント!
<豆乳だしの材料>
豆乳+薄口しょうゆ
<材料>
スパゲッティ…200g
焼き鮭…60g
ごぼう…1/5本
油揚げ…10g
万能ねぎ…3本
青じそ…10枚
七味唐辛子…適量
<A>
豆乳…2/3カップ
薄口しょうゆ…小さじ4
<作り方>
【1】焼き鮭は皮を外し、身をほぐしておく。ごぼうは薄めの小口切り、油揚げはみじん切り、万能ねぎは小口切りにする。
【2】フライパンに【1】、<A>を入れて火にかける。
【3】【2】が沸騰したら表示通りに茹でたスパゲッティ、七味唐辛子を加えて混ぜる。器に盛り、せん切りにした青じそをのせる。
★ポイント
大豆食品の油揚げと豆乳は好相性。できるだけ細かく刻むことで味がよく染みて、パスタにも絡みやすくなる。
教えてくれた人
『分とく山』総料理長・野﨑洋光さん
1989年東京・南麻布に『分とく山』を開店。現在はグループ5店舗の総料理長を務め、創造性豊かな料理と温厚な人柄にもファンが多い。素材本来の味を大切にした、シンプルかつ革新的な家庭料理の提案にも定評がある。『きょうの料理』(NHK)をはじめテレビ、雑誌等で活躍し、『野﨑洋光 基本の料理』(KADOKAWA)など著書も多数。
『分とく山』
住所:東京都港区南麻布5-1-5
電話:03-5789-3838
撮影/豊田朋子
※女性セブン2020年9月24日・10月1日号
https://josei7.com/
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