夏の隠れ低血圧に…食べて対策9選 |低血圧にチェダーチーズがいい理由
低血圧の人は1700万人、高血圧に悩む人の約1.2倍もの人数が“低血圧患者”。低血圧は放置すると重篤な疾患を引き起こすという。女性に多く、夏は特に注意すべき低血圧は、熱中や心筋梗塞、脳梗塞のリスクも…。そこで専門医がおすすめする低血圧の対策をお届けする。
低血圧対策に「1日6食」
低血圧とわかったらどうすべきか。目黒西口クリニック院長の南雲久美子さんは、必要なのは血圧を上げることではない、と念を押す。
「大切なのは、低血圧によって起こる疲労感などの症状や、胃腸の負担を減らすなどして、一つひとつ対処することです。継続することで、血圧そのものも自然と問題ないレベルになるはずです」(南雲さん)
低血圧対策の基本は、規則正しい生活習慣だ。低血圧の人は胃腸が丈夫でないことが多い。しかし、充分な栄養補給は不可欠だ。
「血糖値スパイクの原因になるドカ食いや早食いを避け、ゆっくり腹八分を心がけましょう。
1食の量を半分くらいに減らし、1日6食ほどに細かく分けて食べると効果的です。
低血圧の人の熱中症対策には塩分を
これからの時期は熱中症を避けるため、塩分摂取を意識してほしい。ひどい低血圧の人に限っては、1日20~30gを目安に摂ってもかまいません(※)」と、千代田国際クリニック院長の永田勝太郎(かつたろう)さんは語る。
低血圧の人は、医師に相談しながら1日の総塩分摂取量を20~30gを目安に上げてみる。漬けものやキムチのほか、焼き魚、みそ汁などがよい。
(※)厚生労働省が示す1日あたりの塩分摂取基準は、男性が7.5g未満、女性が6.5g未満。摂取量は医師に相談のうえ調整を。
朝食はみそ汁で脳の血流を維持
また、低血圧の人は脳内に流れる血が少ないため、きちんと朝食を食べて脳の血流を維持することも大切だ。
「目が覚めないからとブラックコーヒーで済ますのではなく、栄養価が高く塩分も摂れるみそ汁などを朝食にして」(南雲さん)
しょうが入りの中国粥で食後性低血圧を防ぐ
「おすすめなのは中国粥。胃腸に負担がかからないので食後性低血圧を起こしにくく、しょうがが体を温めるので血流にもよい」(南雲さん)
コーヒーや紅茶で血液循環を促進
血圧や血流によい栄養素を含む食べ物を積極的に摂りたい。
コーヒーや紅茶のカフェインが血液の循環を促進する。カフェインが適度に交感神経を刺激し、血流をよくする。午後の疲れてきたときに、脳の栄養になる糖分と一緒に摂ることで、低血圧と低血糖の予防になる。
いか・たこ・かきのタウリンが◎
いかやたこ、かきなどに含まれるタウリンは、心臓のポンプ機能を高めてくれる。
チェダーチーズを朝ひとかけら
「チェダーチーズには血圧をコントロールするチラミンが含まれるので積極的に食べてほしい。朝、ひとかけら食べるだけでも、その日の血圧が違います」(永田さん)
低血圧の人はお酒はお湯割りや熱燗を
酒のつまみは塩分とたんぱく質が豊富なので、適度な酒の席は◎。体を冷やさないよう熱燗かお湯割りにすること。
コエンザイムQ10を含む食べ物を
心臓の機能低下を予防するコエンザイムQ10を含む食べ物を。
青魚やうなぎ、肉、卵、大豆、ブロッコリーなどに含まれるが微量。一方、サプリメントのコエンザイムQ10は酸化しやすいため、食べ物と併せて摂るのがベター。
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永田さんは、「中高年で低血圧になりやすいのは、運動不足で、基礎体力が足りていない人」だと指摘する。特に、下半身に下りてきた血液をポンプのように心臓に戻す、足の筋肉が重要だ。
「足の筋肉を鍛えるにはスクワットが理想です。難しければ、時々つま先立ちをするだけでも充分。ふくらはぎの大きな筋肉を鍛えられます」(南雲さん)
血圧は高すぎても低すぎてもダメ。適切な血圧は、適切な暮らしから生まれる。
教えてくれた人
千代田国際クリニック院長・永田勝太郎さん、目黒西口クリニック院長・南雲久美子さん
※女性セブン2020年8月20日・27日号
https://josei7.com/
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