整形外科の専門家が伝授!“ながら”で毎日続ける【肩甲骨はがし体操】のやり方
肩甲骨まわりの筋肉が硬くなると首や背中の筋肉まで緊張し、自律神経の乱れや慢性的な疲れを招くことがある。放置すると姿勢が崩れ、歩く力の低下につながることも。そこで整形外科の専門家がすすめるのが、肩甲骨を意識して動かす毎日の生活習慣だ。拭き掃除や読書など、日常の動作を少し工夫するだけで肩甲骨まわりの筋肉をやわらかく保ち、動ける体づくりにつながるコツを紹介する。
教えてくれた人
遠藤健司さん/東京医科大学整形外科学分野教授。著書に『完全版 自律神経が整う 肩甲骨はがし』(幻冬舎)がある。
自律神経の乱れや慢性疲労は肩甲骨まわりの筋肉が影響していた!
肩甲骨まわりの筋肉は、「長時間座りっぱなしの生活やスマホ利用による前傾姿勢によって固まる」と指摘するのは、東京医科大学教授の遠藤健司さんだ。
「それには『肩甲骨はがし(肩甲骨周囲ストレッチ)』がおすすめです。固まった肩甲骨まわりの筋肉をはがすように動かしストレッチをすることで、こりがほぐれ、自律神経も整います。姿勢もよくなり、長く歩いても疲れにくくなる。1回1分程度なのですが、それだけでも体がポカポカするのがわかります。3日も続ければ、効果を実感できます」(遠藤さん)
「肩甲骨まわりの筋肉は、ゆっくり動かすのがポイント」と、遠藤さんは続ける。
「姿勢を維持する肩甲骨まわりの筋肉は、急いで動かしても緩められません。1つの動作を5秒くらいかけてゆっくり行うことで効果が得られます。ゆっくりと深呼吸を繰り返しながら行うといいですよ」(遠藤さん・以下同)
朝と夜に続けたい!「肩甲骨はがし体操」
「肩甲骨はがし体操」を毎日続けることで、日々の不調が和らいでいくという。次の4つの体操を1回1分程度からはじめて、続けていこう。
【1】肩の力を抜いた状態で、ひじを曲げて脇を締める。手指は軽く握って肩につける。【1】〜【4】の動きに合わせて大きく深呼吸をする。
【2】5秒かけてゆっくり両ひじを動かし、限界まで上げ、V字になるよう意識する。肩甲骨も一緒に引き上げるイメージで。
【3】上げたひじを後ろに回し、左右の肩甲骨を寄せながら5秒かけてゆっくり下ろす。このとき肩甲骨が動いているのを意識する。
【4】5秒かけてひじを後ろから前に回し、脇を締め、【1】の姿勢に戻る。【1】〜【4】を5回繰り返す。
【こんな時に行うと効果的1】歯みがきついでに「肩甲骨はがし体操」
「朝の歯みがきや、夜、髪を乾かすときなど、何かのついでに行うと長続きします。鏡の前で行うことで、正しい姿勢や動作をチェックすることもできますよ」(遠藤さん・以下同)
【こんな時に行うと効果的2】ドライヤーをかけながら「肩甲骨はがし体操」
「両腕を胸の前で閉じたり、開いたりしてからドライヤーをかけます。余裕のある人は、髪を乾かしながら肩甲骨を寄せたり、開いたりするのもよいでしょう」
肩甲骨まわりの筋肉をやわらかく保つ!「肩甲骨ファーストの生活習慣」
肩甲骨はがし体操に加え、ふだんから肩甲骨に負担をかけない生活を心がければ、おのずと不調とはおさらばできる。
【1】体を締め付けないブラジャーを選ぶ
サイズの合わないブラジャーは、肩甲骨の動きを制限する可能性がある。
「ストラップだけでバストアップを行うタイプや、ワイヤーがきつすぎるブラジャーを着用すると肩甲骨が固まりやすくなります。
下着専門店などで自分に合ったサイズのブラジャーを選びましょう。家にいるときなどのリラックスタイムでは、伸縮素材のノンワイヤーブラジャーなどを着用するとよいでしょう」(遠藤さん・以下同)
【2】拭き掃除で腕を伸ばす
いつもの家事でも、意識して肩甲骨を動かすことが大切だ。
「たとえば、腕を大きく伸ばし、肩甲骨を動かすことを意識しながらテーブルや床を拭くのは、筋肉へのいい刺激になります。掃除機や床用ワイパーをかけるときも、ひじを思い切り後ろに引いてから前に出すと、肩甲骨がよく動きます。
そのほか腕を上げる動作も肩甲骨をほぐす効果があるので、バンザイをしてから家事を行うと、姿勢も伸びていいですよ」
【3】文字を読むときは腕を伸ばす
老眼で文字が見えづらくなったと嘆くなかれ。文字を見る姿勢をうまく利用すれば、肩甲骨まわりの筋肉を鍛えられる。
「老眼の場合、見えやすいように雑誌や本などをなるべく遠く離して持ちますよね。体の正面に本を持ち、腕をできるだけ伸ばせば肩甲骨まわりのストレッチができます。同じ体勢をずっと続けると筋肉が固まってしまうので、10秒腕を伸ばしたら後ろに引いて、肩甲骨を寄せる。これを繰り返すと肩甲骨まわりのこりがほぐれます」
【4】ゴロゴロ体操をする
睡眠中はスムーズに寝返りできることが重要だ。
「同じ姿勢で寝ていると血流が悪くなり、むくみの原因になります。夜、布団に入ったら2〜3回寝返りを打つ『ゴロゴロ体操』を行いましょう。また、寝る前にバンザイのポーズで肩甲骨を伸ばすのも効果的。パジャマのサイズが合わなくなって手が上げにくかったり、布団に体が沈み込んでいたら寝返りがスムーズに行えないので、買い替えを検討してください」
「ゴロゴロ体操」で肩甲骨まわりの筋肉の緊張をほぐして負担を軽減
<基本姿勢>仰向けに寝て、両手は自然に体の横に置く。
【1】基本姿勢から、右腕を伸ばして左に大きく回し、基本姿勢に戻る。
【2】【1】と同様に左腕を伸ばし、大きく右に回し、基本姿勢に戻る。
【3】上半身は動かさず、右足を左側に大きくひねり、基本姿勢に戻る。
【4】【3】と同様に上半身は動かさず、左足を大きく右にひねり、基本姿勢に戻る。【1】〜【4】を5回繰り返す。
取材・文/廉屋友美乃 イラスト/早瀬あやき 写真/PIXTA
※女性セブン2026年7月2日号
●YouTubeでも人気の整体師が教える「肩甲骨ストレッチ」で“やせスイッチ”オン|イラストでわかりやすく解説
