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暮らし

《介護うつにつながるケースも》介護離職してはいけない3つの理由 仕事と介護を両立するためのポイントは?

 仕事を続けながら家族の介護をするビジネスケアラーが増えている。仕事と介護の両立には多くの課題があるが、節約アドバイザー・ファイナンシャルプランナーの丸山晴美さんは介護のために仕事をやめることは極力避けたほうがいいと話す。介護離職をしないほうがいい理由と仕事を続けるためのポイントを教えてもらった。

教えてくれた人

丸山晴美さん/節約アドバイザー。ファイナンシャルプランナー

22歳で節約に目覚め、1年間で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニの店長などを経て、2001年に節約アドバイザーとして独立。ファイナンシャルプランナー(AFP)、消費生活アドバイザー、宅地建物主任士(登録)、認定心理士などの様々な資格を持ち、ライフプランを見据えたお金の管理運用のアドバイスなどをテレビやラジオ、雑誌、講演などで行っている。

* * *

介護離職をすると介護費用の工面に困る可能性が高まる

 介護離職をした場合のデメリットは大きく3つあります。

 1つ目は、収入減による経済的な問題です。介護関連では介護休業給付などの給付金もありますが、あくまでも復職して働きながら介護を続ける準備をするためのお金であり、給付金だけで介護費用をまかなうのはかなり難しいと考えたほうがいいでしょう。

 お金があれば介護サービスを利用して介護の負担を減らすことができますが、経済的に余裕がない場合は介護の多くを自分たちで背負わなければならなくなります。親が十分に介護費用を貯めているなど、お金に余裕がある場合は離職しても何とかなる可能性がありますが、介護は長く続くもののため、基本的には稼ぎながら介護を続ける方法を考えるほうがいいでしょう。

介護に専念することで精神的負担を抱える場合も

 2つ目は精神的ストレスがかかりやすくなることです。介護離職をして介護に専念するようになると、社会との関わりが薄くなってしまうため、孤独を感じ、精神的ストレスを抱える場合があります。さらに経済的な不安が重なることで、「介護うつ」などの深刻な精神的負担を引き起こす要因にもなります。

 また、自分がきちんとすべてやらなければと考えてしまい、息抜きなどがしづらくこともあります。社会とのつながりを保ちながら、介護がつらいと感じたときは適切に公的な介護サービスを取り入れて、息抜きの時間を確保することが大切です。

介護離職をすると再就職に苦戦する可能性も

 3つ目は、再就職の問題です。40~50代くらいから親の介護が始まるケースが多いですが、離職してキャリアにブランクができると、再就職に苦戦しやすい年代でもあります。介護が終わった後も自分の資産形成をしていかなければならないとき、介護が終わって新しい職場で働くことに苦労する場合があります。

 再就職ができたとしても、以前と同等の年収を得ることが難しく、仕事と介護を両立させるために転職した人へのアンケート(※)によると、正社員から転職した人のうち、転職先でも正社員として働いている人は男性で3人に1人、女性では5人に1人という結果となっています。転職前後の年収を比較すると、男性は556万円から341万円へと約4割ダウン、女性は350万円から175万円と半減しています。

(※)公益財団法人ダイヤ高齢社会研究財団、株式会社明治安田生活福祉研究所共同調査「仕事と介護の両立と介護離職」より(chrome-extension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/https://dia.or.jp/disperse/research_report/pdf/research_report_76.pdf)

介護離職を防ぐためには情報収集が大切

 仕事を続けながら介護をするためには、何よりもまず情報収集をすることが大切です。介護をサポートする公的な仕組みとしては、仕事と介護を両立させる準備のための「介護休業制度」や、通院の付き添いなど突発的な介護の対応に使える「介護休暇制度」などがあります。これらは職場に対して申請するもので、職場によって細かいルールや申請方法が異なるため、詳細は職場の総務部などに確認してみましょう。

 また、職場によっては独自の制度を採り入れている場合もありますので、介護と仕事を両立するために使えそうな制度が他にないか、あわせて確認しておくのがおすすめです。

自治体の給付金も活用する

 介護は何かとお金がかかりますが、お金を使えば介護の負担も減らすことができるため、自治体の給付金制度などもしっかり活用して、うまく介護の負担を減らしていきましょう。

 例えば自治体では、介護保険サービスを利用せず、要介護度4~5の家族を在宅で1年以上介護している場合に「家族介護慰労金」という給付金を出している場合がありますが、自治体によっては要介護度の条件が緩和されていたり、介護保険サービスの利用有無を問わなかったりすることもあります。

 このほかにも、要介護者の近くに住むための引越し費用を補助していたり、宅食サービスなど介護保険外の介護サービスを使う場合に費用補助を行っていたりすることもあります。介護支援の取組みは自治体ごとに異なるため、要介護者本人が住んでいる地域包括支援センターや自治体の福祉課などに問い合わせてみましょう。

介護保険外のサービスも検討する

 仕事と両立できるように介護の負担を減らすには、介護保険内のサービスに限らず、介護保険外の民間サービスの利用も検討してみましょう。介護保険内のサービスはできることが決まっているため、例えば要介護者の洗濯と家族分の洗濯を一緒にお願いすることはできませんが、家事代行を含んだ民間サービスであればやってもらうことができます。

 民間サービスは、介護保険内のサービスと比べて費用が高額な点がデメリットですが、例えば平日は介護保険内のサービスを利用し、週末は民間サービスを使うなど、予算内で調整する方法を考えるとよいでしょう。他にも、食事作りが苦手なら自宅で調理を代行してもらう「家事代行サービス」を利用したり、掃除が苦手なら「ハウスクリーニング業者」にお願いすることもできるでしょう。介護者自身、どの部分の家事が苦手でストレスを感じるのかを考えて、その部分を代行してもらうのもおすすめです。

介護は家族全員で協力することが大切

 介護と仕事を両立するためには、しっかりと情報収集をして、両立できる体制を整えておくことが大切ですが、自分ひとりでどうにかしようとせず、家族全員で協力することも大切です。兄弟姉妹と交代で介護をするようにしたり、直接介護をするのが難しい場合は金銭面のサポートをお願いしたりするなど、協力の仕方はさまざまあります。私の従妹も、3姉妹がローテーションして、泊まり込みで親の介護をしています。

 介護と仕事の両立は大変そうだからと介護離職をして介護に専念するより、仕事を続けて収入を得て、民間を含む介護サービスを活用しながら介護をするほうが、結果的には持続しやすく、メリットがある場合が多いため、離職せずに介護する方法を探してみましょう。

取材・文/新藤まつり

●介護休業と介護休暇はどう違う?申請の仕方や活用方法 介護休業給付金のもらい方についても解説

●使わないと大損する!介護の給付金&補助金を社労士が解説「介護で仕事を休んでも上限33万円給付」

●《介護で疲弊しないために》介護保険外サービスの活用法 どんなことに使うのがおすすめ? 便利屋さんやオーダーメイド型サービスを利用する方法も

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