現在も週5日出勤を続ける弁護士・杉浦正健さん(91) 元気の源は「仕事が生きがい」
元衆院議員で現在は東京・銀座にある浅沼・杉浦法律事務所を主宰する弁護士の杉浦正健さん(91)。3年前から肺がんや心臓弁膜症を立て続けに発症。治療を終えた今は元気に週5日働いているという。その活力源とは。
教えてくれた人
杉浦正健(すぎうら・せいけん)さん/1934年、愛知県生まれ、91才。元衆院議員。弁護士。1986年、衆院議員総選挙で初当選。内閣官房副長官、法務大臣等を歴任。2009年8月の総選挙で落選し、政界引退。現在は浅沼・杉浦法律事務所を主宰。
肺がんや心臓弁膜症を乗り越えた今も事務所に週5日出勤
平日の朝9時半頃から午後4時まで、毎日、弁護士事務所に通って働いています。
弁護士をやっていると、昔からのお客さんや親子2代でつきあいのあるお客さんもいますから。話をして、実務は若い人に回して書類を作ってもらう。監督みたいな立場ですけど、仕事をすることが生きる糧になっている気はしますね。
3年前まではピンピンしていて、自分で実務もこなしていたし、毎日1万歩くらい歩いていました。ところが88才からたて続けに3つ大病を患いまして。ひとつ目は肺がんで、手術はせずに抗がん剤治療などで助かりました。ただ、入院中に足が弱って、それから杖を使うようになりました。
そのあとの脳梗塞は小さくてたいしたことはなかったのですが、次に心臓弁膜症を患ったときは1か月くらい入院しました。それが一段落したので、1年くらい前からまた事務所に通うようになった次第です。
「1日4000歩」は医者からのお墨付き。妻と一緒に老人ホーム暮らしを満喫
とくに運動はしていませんが、歩くことは心がけています。転ばないよう必ず杖を持ちながらですが、1日だいたい4000歩は歩きますね。医者にそう伝えると、びっくりして「だったら大丈夫」と言ってくれました。
住んでいる老人ホームの近くの店に、歩いて買い物にも行きますよ。妻は同じホームの別の階の部屋にいるので、妻の顔を見にエレベーターに乗って、廊下を歩いたり。
朝食と夕食はホームの食堂で妻と一緒に食べています。夕食は立派でボリュームがありますが、残さず食べますね。昼は事務所の人がコンビニでパンなんかを買ってきてくれることが多いです。
政界とのつながりも元気の源に
娘が代議士の秘書をしていることもあって、政治家とのつきあいはまだあります。石破茂君とも連絡を取っていますよ。彼とは初当選同期。あちらは29歳、こっちは50近くになってからの当選だから、だいぶ年の差はありますけど。生きている同期のなかでは私が最年長でしょう。
石破君が総理を辞めたから、同期で集まって飲もうかという話も出ています。
そうしたかつての仲間とのつながりも、日々の活力というか、元気の源になっていると思います。
※週刊ポスト2025年11月28日・12月5日号
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