全国的に水道料金が値上げ傾向!家計にじわっと効く節水習慣6選「食器の漬け置き洗い、残り湯洗濯」の間違いを家事アドバイザーが指南
10月の料金改定で水道料金が値上がりした地域もあり、少しでも節水をしたいところ。しかし水道代は、洗濯やお風呂など生活に必要な量もあり、節約するのは難しいと考えていだろうか? 家事・節約アドバイザーの矢野きくのさんに、ちょっとの工夫で賢く節水する方法を矢野さんに教えてもらいました。
この記事を執筆した専門家
節約・家事アドバイザー・矢野きくのさん
節約・家事アドバイザー。防災士の資格を持つ。家事の効率化、家庭の省エネを中心にテレビ・講演・連載などで活動。NHK『ごごナマ』準レギュラー他テレビ出演多数。新聞での連載のほか自動車メーカー、家電メーカーなどの企業サイトでコラムの執筆経験も。近年は中高年層の家事アドバイスや家庭でできるSDGsについての講演、SNSでの情報発信でも活動している。著書『シンプルライフの節約リスト』(講談社)、『「節電女子」の野菜レシピ!』(アスコム)、『50代からの自宅の片づけ 実家の片づけ』(扶桑社ムック) など。https://yanokikuno.jp/
水道料金が値上がり「3年で22%も値上げされる地域も」
毎月の水道料金というのは家計の中で電気代やガス代と比べるとそこまで高くないので、大きく騒がれることがありませんが、できることがあれば節約したいものです。また地域によって違いはあるものの、日本全国的に、水道料金が値上がりする傾向だ。
水道料金を値上げしている地域が増えているのは、電気代やガス代のように大元となる燃料が高騰しているというのも一つの理由ですが、日本の事情というものもあります。
一般的には水道管の耐用年数は40年と言われており、全国的に水道管の老朽化が進んでいます。各地で新しい水道管への交換を進めようとしていますが、費用の高騰や技術者の減少などにより、水道料金を値上げしている自治体が増えているのです。
例えば神奈川県では、2024年10月から段階的に3年かけて平均22%値上げしていくと発表しています。
このような状況の中で、日々の生活の中で水道料金を節約するにはどのようにすればよいのでしょうか。
そこで、家計にじわっと効いてくる水道料金の節約方法をご紹介します。
【1】パスタをゆでるときは「たっぷりのお湯」は不要な場合も
調理の工程で出てくる“ゆでる”という作業。何も考えずに大きな鍋いっぱいに水を注いだ中でゆでているともったいない。それを少量の水でゆでる習慣に変えるだけで水道料金の節約につながります。
食材によっては、大きな鍋にたっぷりのお湯でゆでることでおいしくなるものもありますが、その違いが分からない程度であれば少ない水でゆでることをおすすめします。毎日のことなので、これを習慣づけると差は大きく出てきます。
【2】野菜は電子レンジ加熱とゆでるを使い分けて水道光熱費を節約
食材を加熱する際、迷わずゆでているのであれば、電子レンジでの加熱も検討してください。食材によっては電子レンジ加熱のほうがエネルギー全体で考えると省エネで加熱できるものもあるのです。
例えば副菜にブロッコリーを添えたいとき、水を沸騰させてお湯にし、その後に数分間ゆでるとそれだけの熱量が必要ですが、電子レンジ加熱なら1分前後の加熱で済むこともあります(加熱する量によって変わります)。
水溶性のビタミンはゆでると流出してしまいますが、電子レンジ加熱であればそれも防げるので、水道料金の節約と栄養流出を防ぐ一石二鳥にもなりますね。
【3】食後の食器はすべて“洗い桶”に漬けてはいけない
どうしても避けられない食器洗いですが、いくつかの節約方法があります。
シンクに置いている水をはった洗い桶に、食後の食器をとりあえず入れておくという光景は別に珍しいものではないでしょう。しかしこれが水の無駄づかいにつながっていることも…。
水の中に漬けることで、汚れていなかった食器の裏側まで水に溶けた汚れがついてしまい洗う工程が増えるからです。
たしかにご飯茶碗は、水に漬けたほうが汚れが落ちやすいので、この場合はご飯茶碗の中だけに水を入れてしばらく置いてから洗うようにします。
それ以外の食器は、ソースがべったりついたような食器であればヘラで汚れをゴミ箱に入れてその後に食器洗いするなどで、洗うべき汚れている場所を最小限にすることができます。
洗い桶を使うのであれば、洗剤をつけたスポンジで洗った泡だらけの食器を、水をいれた洗い桶に入れていくパターンがおすすめ。洗い桶の中で大まかな泡を落とすことができるので、最後に少量の水で流すだけで洗うことができます。
【4】食器洗いすべてに洗剤を使わなくていい
これは他の掃除などにも通用しますが、洗剤をつけて掃除をすることで泡を流すための作業時間と水を余計に使ってしまうことになります。
昔ながらの技ですが、アクリル毛糸を編んだスポンジで食器を洗うと洗剤がいらない場合も。また最近は、洗剤不要の食器洗いスポンジもありますので、そのようなものを使って食器を洗うことで、結果的に水の使用量を減らすことができます。
【5】「米の研ぎ汁」は捨てずに有効活用できる
米の研ぎ汁、野菜をゆでた水など、キッチンで使う水のうち二次利用できるものは使っていくことで水道料金の節約につながります。最後のすすぎを水道水にすれば二次利用水は有効に使えますよ。
【6】お風呂の残り湯は「洗濯に活用してすすぎだけ水道水で」
洗濯とお風呂は家の中でも大量に水を使う代表です。1回の洗濯で使う水の量は、洗濯機の種類や洗濯物の量などで変わってきますが、約100リットルの水を使うとされています。
新しい水を100リットル使うのと、洗濯のうちの洗いと1回めのすすぎにお風呂の残り湯を再利用するかで、月々の水道代は大きく変わってきます。
よく、「お風呂の残り湯を使うと洗濯物が臭うので使わないほうがいい」という声もありますが、最後のすすぎを水道水にすれば問題ありません。
洗濯物が臭っているとすれば他に問題がある可能性があります。風呂水の吸水ホースにはフィルターがついているので、そのフィルターは定期的に洗うようにしましょう。
今回ご紹介したように、水道料金を節約するにはその使い方を習慣づけることが重要です。ぜひ今日から試してみてください。