シニア世代は「やめ家事」を!玄関掃除をラクにする方法を矢野きくのさんが指南
シニア世代は、今まで続けてきた家事を見直して、やらなくていいことはやめる、通称“やめ家事”を考えてみるのがおすすめだと、家事アドバイザー・矢野きくのさんは語る。やめ家事の中で、まずは玄関に注目。玄関の掃除や玄関マットの活用法について教えてもらった。
シニア世代は一度家事の見直しを
家事というのは「こうやるべき」といったような、無意識に教科書的に考えてしまっていることや、日本の文化とはあわないけれど入ってきた欧米の文化をそのまま受け入れてしまっているものもあります。
そして一度ついてしまった家事の習慣は、なかなか変えることもなく何年と続いてしまうものです。
しかし、現代は便利なアイテムが次々と登場し、それらを利用することで家事がラクになることもあります。自分自身は気づかないうちに体力が落ちてきているということもあり、家事のやり方を変えることでラクになるかもしれません。
今まで当たり前のようにやってきていた家事もやめてしまう通称「やめ家事」という選択肢も検討してみてはいかがでしょうか?
ただし、家事をすることで運動の代わりになることもあります。そのため、今回ご紹介する「やめ家事」の中でも、自分にとって無理なくできていることであれば、やめなくてもいいものもあります。自分の体力と得手不得手を検討して選んでください。
玄関掃除の「やめ家事」玄関マットは必要?
家の入口でもあり、いちばん他人の目につく玄関は、いつでもキレイにしておきたい場所です。そんな玄関掃除をラクにする「やめ家事」をご紹介します。
玄関扉の外側や、上がりかまちを上がった廊下に、玄関マットを置くことは珍しくはありません。しかし、玄関マットがあると掃き掃除をする際に、その都度、持ち上げなくてはならず、その結果、掃除がおっくうになってしまう人もいます。
欧米では靴のまま室内に入る習慣があり、靴底の汚れを落とすために必要な玄関マットですが、靴を脱ぐ日本ではさほど靴底の汚れを気にする必要もありません。
また、昔に比べるとアスファルトで舗装された道が増え、地域によっては日々の生活で土の上を歩くことがないという人も多いでしょう。昭和の時代と比べると、靴底が汚れることも減ってきたのです。
掃除の邪魔なる玄関マットはやめてしまったほうが、家事はラクになります。
段差による転倒を防ぐ玄関マットの活用法
シニア世代のかたには、玄関マットの使い方にひとつ提案があります。上がりかまちに高さがあるご家庭では、たたき(玄関土間)に靴を脱いで上がれるマットを敷くことをおすすめします。
上がりかまちに立ったまま靴に足を入れようとしたり、靴を脱ぎながら上がりかまちに登ったりすると、バランスを崩しがちで怪我のもとにもなりかねません。
玄関マットをたたきに置いておき、そこは「靴下のまま降りていい場所」と決めておくと、高さのない位置で靴の脱ぎ履きができ、安全です。掃除の邪魔にはなりますが、シニア世代にはおすすめの方法です。
腰をかがめる必要がある「ほうき」と「ちりとり」はやめる
玄関掃除では、「ほうき」や「ちりとり」は腰をかがめて使っているかたも多いのではないでしょうか。腰をかがめることで体に負担が増えてしまいます。
シニア世代の家事の基本は、「体勢を変えずにできる環境を整えること」。
「ほうき」も「ちりとり」も最近では柄の長いものがありますので、それらを使うことをおすすめします。
いっそのこと玄関のたたきも掃除機で掃除してしまうのもおすすめです。汚れが気になる場合は、掃除機のヘッド部分だけ玄関用として購入し、玄関では付け替えて掃除機をかけるのもいいでしょう。
一般的な掃除機を使っていれば、掃除機のヘッド部分は各社共通のものをホームセンターなどで安く購入することができます。100円ショップでも売っていますが、ヘッドが小さく何往復もしなくてはならないので、広範囲の玄関掃除には手間がかかってしまいます。
今まで当たり前のようにやってきた家事。「これって本当にやる必要がある?」と一度考えてみて、やり方を変えるのも良いのではないでしょうか。
執筆
家事・節約アドバイザー・矢野きくのさん
家事の効率化、家庭の省エネを中心にテレビ・講演・連載などで活動。NHK『ごごナマ』準レギュラー他テレビ出演多数。新聞での連載のほか自動車メーカー、家電メーカーなどの企業サイトでコラムの執筆経験も。近年は中高年層の家事アドバイスや家庭でできるSDGsについての講演、SNSでの情報発信でも活動している。著書『シンプルライフの節約リスト』、『「節電女子」の野菜レシピ!』など。https://yanokikuno.jp/