103才の母が足腰が弱っても続けられた「1人用ホットプレート」を使ったレシピ7選【料理研究家・荻野恭子さん】
料理研究家で栄養士の荻野恭子さんの母、ハルさんは100才を超えても料理を続けてきた。その秘訣は、1人用のホットプレートを使った「卓上クッキング」。座ったままでできるので、足腰への負担も減るという。ホットプレート調理は、「元気なうちに慣れておくのがいい」と荻野さん。揚げ物や煮物、パエリヤやパスタなど、母が作っていた想い出のレシピと調理のポイントを荻野さんに教えてもらった。
※加熱調理には『山善』の1人用ホットプレートを使っていますが、コンロなどでも同様に作れます。
※米油は菜種油など香りの少ない植物油で代用可能です。
教えてくれた人
料理研究家・栄養士 荻野恭子さん
65か国以上の国を訪れ、学んだ料理を日本でも作れるレシピにして紹介。『103歳の食卓 母とつくり上げた卓上クッキング』(プレジデント社)ほか、著書多数。
便利な調理道具に頼って体への負担を軽減
「足腰が弱った母はキッチンに肘をついて体を支えながら調理をしていたため、腕にアザができていました。そこで、座ったまま加熱調理ができるものを探し、行きついたのが一人用のホットプレートでした」(荻野さん・以下同)
炒める、煮るはもちろん、揚げものや汁ものも作れて、ご飯も炊ける。火を使わない点も安心。
「保温にしておけば、ずっとアツアツなので、いまや夫も愛用しています(笑い)。こうした便利な機器には、元気なうちに慣れておくといいですよ」
1. ミルフィーユとんかつ
薄切り肉を重ねれば早く、柔らかく仕上がる
<材料>1人分
豚ロース薄切り肉…3~4枚
塩・こしょう…各少量
米油…大さじ4
キャベツ…1枚
大葉…2枚
レモン…1/6切
とんかつソース…適量
【衣】
小麦粉…大さじ1
溶き卵…1個分
パン粉…1/2カップ
<作り方>
【1】豚肉の表面に塩、こしょうを振って重ねたら、5~6等分に切る。小麦粉、溶き卵、パン粉の順に【衣】をつける。
【2】ホットプレートに油を熱し、【1】を中火で両面色付くまで揚げ焼きする。
【3】キャベツと大葉をせん切りにして混ぜ、【2】、レモンと共に皿に盛る。とんかつソースを添える。
<POINT>
●表面に振った塩、こしょうがのり代わりになり、重ねた肉が密着。揚げてもバラバラにならない。
●少なめの油でもカリカリに揚がる。ひと口大に切るとプレートに入れやすく、揚げ時間の短縮にもなる。
2. にんじんの明太子炒め
調味料いらず!にんじんの甘さが際立つ
<材料>1~2人分
にんじん…1本
明太子…1/2腹(50g)
水…1/4カップ
<作り方>
【1】にんじんはピーラーで薄くスライスする。
【2】ホットプレートに【1】、水を入れてふたをし、弱火で3分ほど煮る。
【3】【2】に明太子を加え、ほぐしながら炒める。
<POINT>
にんじんはピーラーでスライスしながらプレートに入れていけば、まな板も包丁も不要。「母が愛用していたピーラーは、形見として大事にしています」。
3. シーフードミックスとトマトの塩炒め
旬のトマトの爽やかさを味わう
「みりんもだしも使わず、調味料は“さ・し・す・せ・そ”が基本。素材の味をいかし、最小限の調味料で調理するほうが、結果的においしく仕上がるんです。少量加えた砂糖がトマトの酸味をやわらげ、料理にコクと旨みをプラスしてくれます」
<材料>1~2人分
シーフードミックス…200g
トマト…2個
にんにく…1片
唐辛子…1本
オリーブオイル…大さじ2
水…1/4カップ
塩…小さじ3/4
砂糖…小さじ1/4
バジル(あれば)…適量
<作り方>
【1】シーフードミックスは流水で洗い、ペーパータオルで水気を拭き取る。トマトはひと口大の角切り、にんにくは薄切りにし、唐辛子は種を除く。
【2】ホットプレートにオリーブオイルを熱し、にんにく、唐辛子を炒める。香りが立ったらトマト、水、塩、砂糖を加え、中火で10分ほど煮る。
【3】シーフードミックスを加え5~6分煮る。器に盛り、バジルをのせる。
4. なすと厚揚げの炒め煮
子供の頃からおなじみの母の定番料理
「祖母の故郷、宮城の郷土料理『なす炒り』をアレンジした料理はわが家の定番。絹豆腐で作ると、つゆだくに仕上がります。なすに塩で下味をつけると、味が染みやすくなりますよ」
<材料>1~2人分
なす…2本
厚揚げ…1丁
塩…少量
しょうゆ…大さじ1
砂糖…大さじ1/2
水…大さじ2
ごま油…大さじ1
炒り白ごま…小さじ1/2
<作り方>
【1】なすはへたを取って大きめの角切りにし、塩をまぶす。厚揚げはペーパータオルで表面の油を拭き取りひと口大に切る。
【2】ホットプレートにごま油を熱してなすをサッと炒め、厚揚げ、しょうゆ、砂糖、水を加える。ふたをして弱火で5~6分煮る。器に盛り、白ごまを振る。
5. 鶏ひき肉といんげんのカレー炒め
ひき肉を使えばカレーもあっという間
<材料>1~2人分
鶏ひき肉…150g
さやいんげん…5本
玉ねぎ…1/4個
にんにく・しょうが…各1片
トマト…1/2個
米油…大さじ2
ご飯…適量
パクチー…1枝
【A】
カレー粉…大さじ1
水…1カップ
ローレル…1枚
唐辛子…1本
塩…小さじ1
<作り方>
【1】いんげんは筋を取り1cm幅に切る。玉ねぎ、にんにく、しょうがはみじん切り、トマトはさいの目切りにする。
【2】ホットプレートに油を熱し、玉ねぎ、にんにく、しょうがを色付くまで炒めたらトマトを加え、煮崩れるまで炒める。ひき肉、【A】、いんげんを加えてふたをして、中火で10分ほど煮る。
【3】皿にご飯と【2】を盛り、パクチーを添える。
6. 鶏肉のパエリヤ
サフランが香る本格派
<材料>2~3人分
米…1合
鶏もも肉…1/2枚
パプリカ…1/2個
玉ねぎ…1/4個
にんにく…1片
生ハム…2枚
オリーブオイル…大さじ2
トマト水煮缶(カットタイプ)…1/4カップ
水…1と1/2カップ
サフラン…小さじ1
塩…小さじ1/2
こしょう…少量
レモン・パセリ…各適量
<作り方>
【1】鶏もも肉はひと口大に切り、塩・こしょう各少量(分量外)を振る。パプリカは縦6等分に切る。玉ねぎ、にんにく、生ハムは粗みじん切りにする。サフランは水大さじ2(分量外)に浸けておく。
【2】ホットプレートにオリーブオイル大さじ1を熱し、中火で鶏もも肉を両面焼いて、取り出す。
【3】【2】のホットプレートにオリーブオイル大さじ1を中火で熱し、玉ねぎ、にんにく、生ハムを炒める。トマト水煮缶を加え、全体がしんなりするまで炒める。
【4】【3】に米を加えてひと混ぜしたら上面を平らにならし、【2】とパプリカをのせる。水、塩、こしょう、戻したサフランを戻し汁ごと混ぜて加え、ふたをして中火で5分ほど炊いたら、弱火にして水分がなくなるまで炊く。くし形切りにしたレモンをのせ、パセリのみじん切りを散らす。
7. サーモンのクリームパスタ
スモークサーモンで手軽に風味アップ
<材料>1~2人分
ペンネ…50g
スモークサーモン…80g
玉ねぎ…1/4個
水…1カップ
オリーブオイル…大さじ1
生クリーム…1/2カップ
塩…小さじ1/4
こしょう…少量
ディル(あれば)…1枝
<作り方>
【1】ホットプレートにペンネ、塩少量(分量外)、水を入れ、中火でペンネが茹で上がる表示時間より5分ほど短く加熱する。
【2】【1】にオリーブオイル、薄切りにした玉ねぎ、サーモンを加えて煮立ったら生クリームを加え、5分ほど煮る。塩、こしょうで味を調えて器に盛り、みじん切りにしたディルを散らす。
撮影/今清水隆宏
※女性セブン2024年7月4日号
https://josei7.com/
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