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賃上げに現役職員の約6割が「期待」希望金額は「月5万円以上」介護職員調査で判明

 私たちの大きな関心事といえば生活を支える「給料」だ。昨年12月、政府による介護従事者の賃上げを含む2025年度補正予算案の成立を受け、介護現場では今、賃上げへの期待と不安が入り混じっている。

介護従事者の処遇改善へ明るい兆し。賃上げが過去最高水準に

 2026年の介護業界における「賃上げ」は、大きな転換点を迎えている。

 2025年度補正予算案では、介護従事者の賃上げ(最大1.9万円/月)と職場環境改善が柱となる「医療・介護等支援パッケージ」が盛り込まれた。

 また、介護報酬改定は通常3年に1度だが、物価高騰や人手不足の深刻化を受け、政府は2026年6月に臨時(期中)改定の実施を決めた。

 処遇改善を中心とした見直しが進む中、介護の現場ではどのように受け止められているのだろうか。

 介護職を対象とした求人・転職サービス「レバウェル介護」を運営するレバウェル(親会社:レバレジーズ)が、全国の現役介護職員474人を対象に「介護職員の賃上げ支援策に関する意識調査」を実施した。

 今回の調査結果から、現場の本音が見えてきた。

賃上げに期待は集まるが…現場が求めるのは「月5万円以上」

 政府は2025年度補正予算で、介護従事者を対象に月額1万円相当の賃上げ支援を行う。要件を満たす場合は、介護職員1人当たり最大で月額約1万9千円相当の処遇改善を行う方針だ。

 調査によると、今回の賃上げ支援策に対して「非常に期待している(32.3%)」「やや期待している(28.7%)」の合計61%の現役職員が賃上げに期待していると回答。6割が賃上げに期待を寄せる一方で、その金額には大きな不満も。

 政府の方針では、月額1万円〜最大1万9千円相当の引き上げを目指しているが、最低限期待する額で最も多かったのは「プラス5万円以上(34.2%)」。政府の支援水準を大きく上回る金額を求める声が目立つ。

「命を預かる責任の重さに見合っていない」「物価高で今の給料では家計が不安」といった切実な声が上がっており、現場の理想と大きな開きがあるようだ。

【期待の声】

「若い人がもっと増えてほしいと思っています。処遇改善によって休日がしっかり取れて、給料も良い職種だとアピールできれば、若い世代にも“働きたい仕事”として選ばれるようになるのではないでしょうか」(富山県・50代女性/介護福祉士)

【不安と課題の声】

「現状の賃金水準では、家計を維持することに不安を感じています。命を預かる責任の大きい仕事であるにもかかわらず、その負担に見合う待遇になっていないと感じる場面があります」(石川県・50代男性/介護職員初任者研修)

「法人単位への給付では、現場の職員まで支援が十分に行き渡らない懸念があります。その人が介護職員であることを確認した上で、個人の口座に直接振り込むなど支援が確実に行き渡る仕組みの整備を期待しています」(山形県・30代男性/介護福祉士・精神保健福祉士)

「お金」だけじゃない!切実なのは「人手不足」の解消

 賃上げに加えて期待する職場環境の改善について聞いたところ、「人員の増員や配置見直しによる業務負担の軽減」が70.9%で最多に。

「働き方の柔軟性の向上(50.8%)」「職場の人間関係や雰囲気の改善(38%)」も高い割合を占めた。

 給料が上がったとしても、今の働き方が変わらなければ心も体も持たない…。そんな悲鳴にも似た本音が透けて見える。

 ただ、賃上げが実施された場合、就業を継続する意思は「大幅に高まる(29.7%)」「やや高まる(41.6%)」と、合計71.3%が働き続けたい気持ちが高まると回答。人材定着に一定の効果がある可能性がうかがえる。

 その反面、36.9%の人は「金額次第では転職も考える」と答えており、今回の賃上げが「介護職を一生の仕事にできるかどうか」の分かれ道になりそうだ。

 超高齢化社会の日本では介護ニーズが拡大する一方、人材の確保が介護業界全体にとって喫緊の課題と言える。

 介護従事者が安心して働き続けられる環境づくりは、賃上げだけにとどまらない。だが、今回の賃上げ支援策は前進ではあるものの、現場が求める水準とは依然として大きな隔たりがある。処遇改善の本格化なくして、介護人材の定着は難しい現実が改めて浮き彫りになった。

【データ】

『2025年度補正予算「介護職員の賃上げ支援策」に関する意識調査』

<調査概要>
調査対象:全国の現役介護職員(介護・福祉現場の従事者)
調査時期:2025年12月2日~12月4日
調査方法:インターネット調査
有効回答者数:474名
調査主体:レバウェル
調査委託先:GMOリサーチ&AI

※レバレジーズの発表したプレスリリース(2026年1月7日)を元に記事を作成

写真/レバウェル提供 構成・文/松藤浩一

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