梅雨の【寝室】掃除ポイント|布団に潜むカビやダニ対策が大事!「干すのが大変な人は、布団乾燥機の利用を」|家事アドバイザーが指南
介護が必要なかたや体力が落ちてきた高齢者がいるご家庭では、梅雨から夏場にかけて注意したいのが寝室のお掃除。つい億劫になりがちな布団のお手入れ方法やカビやダニの対策、掃除機選びのポイントなど、家事アドバイザーの矢野きくのさんに教えてもらった。
この記事を執筆した専門家
家事・節約アドバイザー・矢野きくのさん
節約・家事アドバイザー。防災士の資格を持つ。家事の効率化、家庭の省エネを中心にテレビ・講演・連載などで活動。NHK『ごごナマ』準レギュラー他テレビ出演多数。新聞での連載のほか自動車メーカー、家電メーカーなどの企業サイトでコラムの執筆経験も。近年は中高年層の家事アドバイスや家庭でできるSDGsについての講演、SNSでの情報発信でも活動している。著書『シンプルライフの節約リスト』(講談社)、『「節電女子」の野菜レシピ!』(アスコム)、『50代からの自宅の片づけ 実家の片づけ』(扶桑社ムック) など。https://yanokikuno.jp/
梅雨時要注意!寝室のほこり・カビ対策
日々気温が高くなり湿度も高い日が続く梅雨から夏。家の中はカビや害虫が発生しやすい時期となります。体力が落ちてきているシニアのかたがいるご家庭では、とくに家の中のメンテナンスに気を使わなければならない季節でもあるのです。
とくに気をつけたいのが「寝室」。今回は介護が必要なご家族がいるかたや、シニア世代が気をつけたい梅雨から夏にかけての寝室メンテナンスをご紹介します。
寝室のホコリを徹底除去する
高齢になってくると何かと体を動かすのが億劫になり、掃除をする気力がなくなってしまうという声も聞かれます。
目に見えているゴミであれば片付けるのですが、目に見えにくいホコリとなると、視力の低下などから気がつかなくなっていることも考えられます。
ホコリの存在自体も健康には好ましくないものですが、ホコリがある状態で湿度と気温が高い時期になると、カビが発生する確率も高まります。そのため、カビになる前にホコリをなくしておくことが重要となります。
寝室がフローリングなら、シートタイプのフローリングワイパーなどでさっと掃除をできます。しかし、畳やカーペット敷きの寝室の場合、この時期はとくに掃除機をこまめにかけるようにしましょう。
掃除機をかける負担を考えると、ロボット型の掃除機は掃除の負担が減ります。最近では、低価格のものも登場しています。高価格帯のものと比較するとホコリの取りこぼしなどが多少はありますが、何も掃除していない状況に比べれば衛生的です。
また、シニアのかたには、スティックタイプの掃除機がおすすめ。コードがついたキャニスタータイプの掃除機は場所を移動するのにも重たく、コードでつまづく危険も考えられます。スティックタイプで軽量なものや、掃除機自体のメンテナンスのしやすさから紙パック式が良いでしょう。
布団は常に乾燥させる
寝室の中で、カビが発生しやすいのが「布団」です。寝ている間の汗に加えて、梅雨から夏は湿度が高いのでカビが発生しやすくなります。
畳の上に万年床となった布団を上げてみたら、畳にカビが生えていたということも珍しくありません。体力が落ちているシニアの場合はとくに、布団のお手入れには注意しておきたいところです。
毎日、布団を干すのは難しいので、例えばベッドの場合は掛け布団だけベッドの端に掛けて風通しをよくしておきましょう。また、床に布団を敷いている場合は、折りたたみ式の“すのこ”などを活用し、布団を掛けて風通しをよくして乾燥させるのがポイント。
介護中などで寝たきりの場合も、できる限り布団を乾燥させる時間を取ってほしいもの。少しでも布団以外の場所で過ごす時間を作るようにして、布団乾燥機を使うのも良いでしょう。
布団乾燥機は1万円しないものも多数あります。高齢になって布団を干すという作業が負担に感じる方の場合は、多少の支出があっても布団乾燥機があることで布団を衛生的に保つことができます。
ダニ対策をする
今まで何もダニ対策をしていなかったのであれば、残念ながら布団にはダニがいると思って良いでしょう。一昔前であれば、「布団を干して天日でダニを殺し、布団たたきで叩いて落とす」と言われていましたが、今は布団たたきはNGとされています。布団叩きは布団の繊維を切ってしまいハウスダストのもとになることと、布団の表面に残っていたダニが奥に入り込んでしまうからです。
ダニ対策には、布団に掃除機をかけるというのが現在推奨されている方法になります。一般的な掃除機ノズルだと布団を吸い込んでしまうので、布団専用のノズルを利用するようにしましょう。ホームセンターでも買うことができます。
また、ダニを寄せ付けないシートなども市販されています。そのようなものを使い今後はダニが近づかないような処置をしておくことも大切です。
介護中のかた、シニア世代のかたにとって、長時間過ごすこともある寝室。その環境が衛生的に整っている空間であれば、健康面はもちろん精神面でも気持ちよく過ごすことができるのではないでしょうか。手間がかかる作業が多いですが、ぜひ実行してみてください。
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