82才の料理研究家・村上祥子さんが教える「マグカップ&レンチンだけで1人分ご飯」10選
忙しいのはもちろん、自分の分だけ作るとなると料理は面倒。でも、食材費が高騰しているいま、外食ばかりでは厳しい――そんなあなたにおすすめしたいのが電子レンジ(レンチン)料理。「82才のいまも料理を続けられるのはレンチンのおかげ」という料理研究家の村上祥子さんに簡単なマグカップ1個でできる1人分レシピを聞きました。1人暮らしで料理が億劫になっているかたにもぴったりです。鍋も盛り付け用の器も不要なので後片付けが簡単なので、ぜひ試して!
※材料は特記のもの以外、1人分。※電子レンジは600Wを使用。お持ちの電子レンジのワット数や機種によって、時間の調節を。
※「素材1品」では、調味料やトッピング、付け合わせ等は含まれない。
教えてくれた人
料理研究家 村上祥子(さちこ)さん(82才)
1942年、福岡県生まれ。育児に追われながらも27才で料理教室を開き、レンチン料理の第一人者としてさまざまなメディアでレシピを提案。『シニアひとり分のマグカップごはん』『村上祥子の電子レンジでシニアごはん』(ともに宝島社)など、著書多数。
レンチンなら簡単においしい食事が作れる
「がんばらない、でも諦めない。1人でも簡単においしい食事を」をモットーに、40年近くレンチン料理を研究してきた村上さん。そのメリットをこう語る。
「火を使わず短時間で料理が作れるのはもちろん、少ない水分で調理できるので、食材を鍋で煮るより栄養分が煮汁に溶け出すのを抑えられるんです」(村上さん・以下同)
1人分などの少量の料理は作るのが面倒だが、村上さんのレシピなら、マグカップ1個、素材1品、レンチン1回でできるものばかり。手間も時間もかからず、洗い物も少ないので続けやすいはずだ。
電子レンジ調理の基本
マイクロ波(電磁波)で食材を内部から加熱する電子レンジ。ターンテーブル付きとなしでも機能が違う。正しく理解して使いこなそう。
◆まずは確認! あなたの電子レンジはどっち?
・フラットタイプ
ターンテーブルがないタイプ。マイクロ波が底部からシャワー状に上がってきて、食材全体を包んで加熱する。温めたい食材はなるべく中央にまとめておくのがおすすめ。
・ターンテーブルタイプ
庫内にセラミックやガラス製などのターンテーブルが付いているタイプ。マイクロ波は上から出て外側に当たるため、食材はターンテーブルの端に沿って円形に並べるとよい。
※故障や発火につながる恐れがあるため、空だきはしないこと。
※マグカップは耐熱性のもの(耐熱温度140℃以上)を使用すること。
※加熱しすぎないよう、記載の温度を基本にし、不安な場合は、短めの時間設定で様子を見ながら加熱すること。※皮や膜のある食材(ウインナーや卵など)はそのまま加熱すると破裂する恐れがあるため、切れ目を入れたり穴をあけたりしておくこと。
◆レシピによってラップのかけ方も使い分けて!
・ピッタリラップ
山菜おこわなどのように、水分が多くてふきこぼれる可能性のある食材を加熱する際は、大きめのマグカップを使って、器にピッタリはりつけるようにラップをかける。
・ふんわりラップ
電子レンジは瞬時に高温になるため、素材から出る水分を逃しすぎず、こもらせすぎないために、ふんわりとラップをかける。そうすることで、蒸気の逃げ道を作る。
・落としぶたラップ
煮物などを作る際に使う方法で、落としぶたをする感覚で食材にラップをはりつけるようにかける。こうすると少ない煮汁でも食材に均等にいきわたる。
レンチン前にチェックして!ワット数別・電子レンジの加熱時間
◆500W|◆600W|◆700W|◆800W
40秒 | 30秒 | 30秒 |20秒
1分10秒 | 1分 | 50秒 |50秒
2分20秒 | 2分 | 1分40秒 |1分10秒
3分40秒 | 3分 | 2分30秒 |1分30秒
4分50秒 | 4分 | 3分30秒 |1分50秒
6分 | 5分 | 4分20秒 |3分
7分10秒 | 6分 | 5分10秒 | 3分50秒
8分20秒 | 7分 | 6分 |4分30秒
9分40秒| 8分 | 6分50秒|6分
電子レンジのワット数によって加熱時間は異なる。電子レンジは内部まで熱が通りやすいので、加熱しすぎないよう、上表を参考にしながら調整しよう。最初は規定より短めに設定し、様子を見て何度か繰り返し加熱するのがおすすめ。
マグカップDE豚汁
毎日食べたい“栄養満点のみそ汁”こそ手軽に!
<作り方>
【1】豚薄切り肉1枚(約20g)は3等分に切り、木綿豆腐50gは1cm角に切る。ごほう5cm(約20g)とにんじん2cm(約20g)はささがきにして、ごぼうは水でさっと洗う。
【2】マグカップに和風だしの素(顆粒)小さじ1/4、みそ小さじ2を入れ、水150mlを注いで混ぜたら【1】を加える。
【3】ラップはかけずに電子レンジで約4分加熱し、小ねぎ(小口切り)1/2本分を散らす。
マグカップDEハンバーグ
肉厚でもしっかり熱が入ります!
<作り方>
【1】ボウルに合いびき肉100g、すりおろした玉ねぎ1/4個分、パン粉大さじ1、塩・こしょう各少々を入れて混ぜ、ハンバーグ形に整える。
【2】マグカップにグリーンピース(水煮/冷凍でも可)大さじ3を入れ、【1】をのせる。
【3】【2】にふんわりとラップをかけ、電子レンジで約4分加熱する。
【4】トマトケチャップ小さじ2とウスターソース小さじ1を混ぜ、【3】にかける。
マグカップDEふわふわのかき玉汁
技いらずで卵がふんわり固まる
<作り方>
【1】えのきたけ50g(石づきを除いた状態)は3cmの長さに切る。
【2】マグカップに和風だしの素(顆粒)小さじ1/4、しょうゆ小さじ1と1/2、水150mlを入れて混ぜ、【1】を加える。
【3】ラップをかけずに電子レンジで約3分加熱する。
【4】卵1個を溶いて【3】に流し入れ、約1分置く。
<ポイント>
「電子レンジで沸かした熱湯にはマイクロ波が残っているため、卵を加えると渦巻き状に火が通り、ふんわりと固まります」(村上さん・以下同)
マグカップDEさばのみそ煮
さばの臭みもなくやわらかい仕上がりに!
<作り方>
【1】さば(三枚おろし)100gは3等分に切り、皮の中央に切り目を一本入れておく。ピーマン2個(約60g)は縦に4等分に切ってへたと種をとる。
【2】マグカップに水、みそ、砂糖、酒を各大さじ1ずつ入れて、なめらかになるまで混ぜる。
【3】さばを1切れずつマグカップに入れて、【2】をからめ、上にピーマンをのせる。落としぶた代わりにラップをはりつけたら、上からさらにラップをかけて、電子レンジで約3分加熱する。
<ポイント>
「魚を煮ると煮汁に流れ出たエキスが臭みになりますが、電子レンジでは内部から加熱するので臭みが出にくいんです」
マグカップDE肉じゃが
じゃがいもは煮崩れせずホクホクに!
<作り方>
【1】牛肉の切り落とし100gは、広げて4~5cmの長さに切る。じゃがいも小1個(約100g)は皮をむいて2cm角に切る。
【2】マグカップにめんつゆ(3倍濃縮)と水、各大さじ1ずつを入れ、【1】の牛肉を加えてからめ、じゃがいもを加える。
【3】落としぶた代わりにラップをはりつけるようにかけて、電子レンジで約6分加熱する。