【持ち歩ける防災アイテム】100円グッズを活用して災害に備えよう「携帯用トイレ利用時に体を隠す黒いゴミ袋も一緒に」と専門家
地震など自然災害はいつどこで起こるかわからない。家事アドバイザーで防災士の資格をもつ矢野きくのさんが、「外出時に持ち歩ける」という視点から、100円ショップの防災グッズをセレクト。災害時の備えを“持ち歩く”、新たな防災スタイルを提案してくれた。
この記事を執筆した専門家
家事・節約アドバイザー・矢野きくのさん
節約・家事アドバイザー。防災士の資格を持つ。家事の効率化、家庭の省エネを中心にテレビ・講演・連載などで活動。NHK『ごごナマ』準レギュラー他テレビ出演多数。新聞での連載のほか自動車メーカー、家電メーカーなどの企業サイトでコラムの執筆経験も。近年は中高年層の家事アドバイスや家庭でできるSDGsについての講演、SNSでの情報発信でも活動している。著書『シンプルライフの節約リスト』(講談社)、『「節電女子」の野菜レシピ!』(アスコム)、『50代からの自宅の片づけ 実家の片づけ』(扶桑社ムック) など。https://yanokikuno.jp/
防災グッズを持ち歩く新たなスタイル
地震はいつ起こるか予測がつきません。家にいるときに起こるかもしれませんし、外出しているときに起こるかもしれません。地震大国と言われる日本に住んでいるからには、常日頃から災害には備えておきたいもの。
最近は100円ショップでも数多くの防災グッズを入手することができます。外出時、バッグの中に入れていざというときに備えておくといいでしょう。
コスメグッズを化粧ポーチに入れて常に持ち歩くように、防災グッズも「持ち歩く」という発想で、おすすめのアイテムをセレクトしました。
防災グッズを持ち歩くときや、実際に活用するときのポイントもお伝えしていきます。
※価格は全て税込価格。
【1】「緊急用ホイッスル」はキーホルダーに
倒壊した建物の下敷きになってしまったときなど、声で助けを呼ぶのは限界があり体力も消耗してしまいます。そのようなときのために、緊急用のホイッスル(レスキューホイッスル)を常日頃から携帯しておきたいものです。
筆者は家のカギに1つと、防災グッズをまとめていれているポーチにも1つホイッスルを入れています。緊急用ホイッスルは、ほとんどの100円ショップで扱っているので常備しておくことをおすすめします。
【2】外出先で携帯用トイレを使うための備え
携帯用トイレは、100円ショップでたいてい取り扱っていますので、最低でも1回分、できれば2~3回分を常日頃から持ち歩いておくと安心です。
家以外の場所で災害にあった場合、携帯用トイレをどこで利用することになるか分かりません。そんな事態に備え、携帯用トイレの利用時に“体を隠すもの”も用意しておきたいところです。
おすすめは100円ショップでも買える黒い大きなゴミ袋です。筆者はダイソーで90Lサイズ6枚入り110円のものを1枚、非常用トイレとともに持ち歩いています。
ゴミ袋は頭を出す部分をカットしておくといいでしょう。ポンチョのようにして被って用を足すという使い方をします。
【3】小さめのライトをバッグやポーチに着けておく
災害時に停電になると世の中が真っ暗になります。手元や足元を明るくするためや、自分の存在を他に知らせるためなどに灯りになるものも必要です。
100円ショップには大小様々な持ち歩けるライトがあります。ダイソーの『災害備蓄用ライト』は、棒状のライトをポキっと折ることで発光し、24時間明るさを保つものです。
また、自転車用のLEDライトも便利なアイテムです。本来は自転車のハンドルに巻き付けて使いますが、これをバッグの持ち手に着ければ持ち歩くことができます。
100円ショップには、一般的な懐中電灯やランタンのようなものもあります。持ち歩くことを想定して小さめでも明るいものを用意することをおすすめします。
【4】使い捨ての「ウェット・ボディーシート」
屋外で地震に合ったとき、避難先で過ごすことになったとき、あらゆるシーンで活用できるのが使い捨てのシートです。
ウェットティッシュやボディーシートは100円ショップで多くの種類が販売されています。
ウェットティッシュはアルコールが含まれる除菌タイプのものを、ボディーシートは、アルコールを含まないもので、体や顔などを拭いても刺激が少ないものを選ぶのが良いでしょう。
【5】「ピルケース」で薬を持ち歩く
高齢になると、なんらかの薬を服用しているかたもいらっしゃると思います。万が一、家に帰れない状況になったことを考えて、数日分の薬を常に持ち歩いておきたいもの。
災害時、薬が処方してもらえなくなる場合もあるので、予備として薬を用意しておくといいでしょう。
100円ショップではピルケースも色々ありますので、使いやすいものを探してみてください。
【6】バッグやポーチに「マスク」を常備
感染症を防ぐためだけでなく、災害時には砂埃や火災の煙など様々な状況が想定できます。マスクは常日頃から少し多めに持ち歩いておくことをおすすめします。
【7】常に持ち歩きたい「モバイルバッテリー」
シニア世代にもスマホの普及が進んでいます。災害時には、通信がしづらくなる可能性もありますが、そのようなとき何度も電話をかけようとすると余計に電力を消費してしまうもの。モバイルバッテリーは常に持ち歩いておくことをおすすめします。
100円ショップでも取り扱っていて、500円~1000円代までいくつかのものがあります。
【8】コンパクトな「レインコート」や「保温シート」
災害はどのようなときに発生するか分からないので、雨や寒さにも備える必要があります。
100円ショップにはレインコートや保温効果が期待できるアルミのシートなども取り扱っています。選ぶポイントは、「コンパクトに折りたたまれているもの」。
防災グッズを入れたポーチに入れて持ち歩けるものを選んでおくといいでしょう。
9「チャック付き保存袋」に必要なものを入れておく
100円ショップには、いろんなサイズのチャック付き保存袋があります。袋に必要なものを小分けにして入れ備えておきましょう。
・現金
最近はキャッシュレスで支払いをする人も増えていますが、停電時にはキャッシュレスは使えません。また災害時は携帯電話よりも公衆電話のほうがつながりやすいと言われていますので硬貨も何枚か持ち歩いておきたいものです。
・連絡先
家族の連絡先を書いた紙や、災害用伝言ダイヤル(171)の使い方などを書いた紙を入れておきます。
・家族の写真
家族と離れ離れになってしまい、避難所などで家族を探すときに写真があると便利です。
・メモや油性ペン
避難途中でメモを取らなければならないときや、避難所の伝言板にメモを残したいときなどのためにメモと油性ペンを持ち歩いておくと便利です。
【10】防災グッズを入れる透明ポーチ
防災グッズをまとめて入れておくのに、透明のポーチが便利です。透明だと中身が見えるので、自分がどんなものを持っているのかが把握しやすく、何かあったときにサッと取り出して使うことができると思います。
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紹介した防災アイテム以外にも、水分や羊羹やチョコレートのようにエネルギーになりやすいもの、またはゼリータイプのドリンクなども持ち歩いておきたいところ。
「災害アイテムを持ち歩く」スタイルは、いつ何が起こるかわからない地震大国で必要な備えといえます。ぜひ一度、100円ショップを除いて、検討してみてくださいね。
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