レジスタントプロテイン含む食材|こうや豆腐、大豆、酒かす|健康効果
食後の血糖値の急上昇を抑え、糖尿病や動脈硬化のリスクを下げる「レジスタントプロテイン」というたんぱく質が注目されています。聞き慣れない成分ですが、実はおなじみの食材にも含まれているのです。レジスタントプロテインの特徴、健康効果、含む食材などを解説します。
レジスタントプロテインは“難消化性たんぱく質”という、胃腸で消化されにくいたんぱく質のこと。
「過食になりがちな現代では、肥満や高血糖、コレステロールや中性脂肪値の異常が起こりやすく、それが心筋梗塞や脳卒中など血管の病気の原因となっています。レジスタントプロテインを含む食品を食事の初めに摂ると、そうした病気の予防や改善に役立つ、と注目を集めています」(おおたけ消化器内科クリニック院長・大竹真一郎さん、以下同)
レジスタントプロティンの特徴
胃で消化されずに、大腸まで届くのがレジスタントプロテインの特徴。
「つまり消化の効率を悪くすることで、血糖値やコレステロールの上昇が抑えられるのです。また大腸で腸内細菌のエサになるので、腸内環境を整えるなどの効果が期待できます」。
期待できる健康効果
・血糖値の上昇を抑える
レジスタントプロテインを多く含むこうや豆腐を続けて食べると、血中HbA1c(糖尿病の指標)の数値が低下した。糖尿病の改善効果があるという研究結果も。
・コレステロール値を下げる
こうや豆腐を4週間食べ続けて1週間毎に採血した実験では、コレステロールが高い人の悪玉コレステロール値が減少した。
・ダイエット効果
レジスタントプロテインを摂取することで血糖値の上昇を緩やかにしたり、便秘が改善されたりするので、ダイエットにも効果的。
レジスタントプロテインを含む代表食材
・こうや豆腐
・酒かす
・大豆
・そば
こうや豆腐からブームに!
「現在の市販品は、昔の製法とは異なり、長時間水に浸けたり何度も洗う必要がなく、手軽に調理できます。また長野県ではこうや豆腐を粉末状にした粉豆腐もポピュラー。小麦粉と一部置き換えて使えば、糖質を減らすこともできますよ」(旭松食品・佐々木裕さん)
こうや豆腐をおいしく手軽に食べるコツ
・戻すときは水に浮かべるだけ!
こうや豆腐を戻すときは水に浮かべるだけでOK。手で水に沈めたり、熱湯をかけるのは×。
・レンチンで簡単調理!
現在の市販品は戻さずにだし汁で調理できる。電子レンジで加熱するだけで含め煮が完成。
※こんな人は摂り過ぎに注意!
消化されにくい成分なので胃腸が弱い人や、栄養を必要とする成長期の子供は控えめに。
教えてくれた人
大竹真一郎さん/おおたけ消化器内科クリニック 院長。消化器病専門医。総合内科専門医。『名医のTHE太鼓判!』(TBS)などテレビや雑誌に多数出演し、医療情報を発信。
撮影/鈴木泰介
女性セブン2019年2月21日号