料理家・飛田和緒さん「料理の原点となった母の味は大きいおいなりさん」再現レシピ
人気料理家の飛田和緒さんは料理の原点について「私の料理のベースは母の味。うちのおいなりさんは大きいんですよ」という。そこで、おいなりさんが主役のお弁当レシピ3品を教えてくれました。青ゆずや柴漬けを混ぜた変わりいなりは絶品ですよ!
飛田和緒さんの料理の原点「おいなりさん弁当」
「母の作るいなりずしはご飯がたっぷり入っていて、丸々と大きかったのをよく覚えています」と、飛田和緒さん。
「学校の遠足や、家族で行くピクニックのときにもよく作ってくれました。シンプルに酢飯だけのときもあれば、いろいろな具が入っているときもありましたね」(飛田さん・以下同)
自身の料理も、母の影響を強く受けているという。
「私は料理学校に通ったり誰かに師事したりしたことがないので、母の味がそのまま料理のベースになっているんです。いまでも母に昔食べた料理の作り方を聞いたり、互いに作ったものを送り合ったりしているんですよ」
おいなりさん
華やかで香りもよいごちそういなり
今回は青ゆずや柴漬けを混ぜた変わりいなりを紹介。長野風に練り辛子をつけてもおいしい。
<作り方>(16個分)
【1】油揚げ8枚は半分に切って袋状にし、熱湯にくぐらせて油抜きする。
【2】鍋にだし汁2カップ、しょうゆ大さじ2 1/2、砂糖大さじ2を煮立たせる。軽く水気を切った【1】を入れ、再び煮立ったら落とし蓋をして弱火で20分煮る。煮上がったらそのまま冷ます。
【3】炊きたてのご飯2合分に酢大さじ3、砂糖大さじ2、塩小さじ1を順に加えて切るように混ぜ、うちわであおいで粗熱を取る。
【4】【3】を等分にし、片方に白いりごま・青ゆずの皮各適量を、もう片方に柴漬けのみじん切り大さじ1/2、三つ葉のみじん切り1/3束分を加え混ぜる。それぞれ8等分してひと口大の俵形に軽く握り、【2】に詰める。木の芽適量をのせる。
<ポイント>
「開きやすい油揚げ選びが、いなりずし作りの最重要ポイント」。ふっくらと厚みのあるものは開きやすく、箸を転がしたりする必要もない。
新しょうがの甘酢漬け
子どもの頃からサラダのようにモリモリ食べている常備菜。「いまでも新しょうがが出回る初夏と秋にたっぷり仕込みます」。
<作り方>(作りやすい分量)
【1】新しょうが500gはスライサーで薄切りにする。湯を沸かして2回ゆでこぼし、あくと辛みを抜く。熱いうちに盆ざるなどに広げ、冷ましながら水気を切る。
【2】鍋に酢2カップ、砂糖150g、塩大さじ1を沸かし、砂糖と塩が溶けたら火を止めて冷ます。
【3】保存容器に、軽く握って水気を切った【1】を入れ、【2】を加えてひと晩おく。
アスパラの粒マスタード和え
母の味である“辛子和え”を洋風にアレンジ。アスパラをいんげんに変えても。
<作り方>(作りやすい分量)
グリーンアスパラガス1束はゆでて水に取る。水気を切って食べやすく切り、粒マスタード小さじ2、しょうゆ小さじ1/2と和える。
厚焼き卵
<ポイント>
お弁当に欠かせない卵料理。卵液にだし汁としょうゆを加えたやさしい味わいだが、厚めで食べ応えは充分。
教えてくれた人
料理家 飛田和緒さん
高校時代を長野で過ごし、山の幸に触れる。出版社での編集アシスタントを経て料理家に。現在は海辺の街に暮らし、素材を生かしたレシピを提案。
撮影/砂原文
※女性セブン2023年6月1日号
https://josei7.com/
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